« 2010年12月27日 | メイン | 2010年12月29日 »

2010年12月28日

2010年12月28日 (火)

読みかじりの記:(高山)彦九郎 歌と生涯(12)

2010/12/28
PARTⅡ

読みかじりの記:(高山)彦九郎 歌と生涯(12)

○「尊王から倒幕への転機」の章

この章では、著者は「これについてやはり定説に近いものに尊号事件がある。」とのべて、彦九郎の転機と死の理由解明に入っているように感じる。この章には歌は無く、論述には著者の心情が溢れているように感じる。詳細は本文を参照したい。そうして著者は、「彦九郎は自らの使命も時代も終わったのだと考えたのだろう。」して、彦九郎の自刃の理由を「自らの死をもって起爆剤とすることと判じたのだろう。」と述べている。彦九郎の広い交友関係、学識、行動等があって初めてその自刃による死が、それに続こうとする人々の号砲になったと読めるのではないか。

追記:自刃は自刃した本人の全ての価値観を表す行為ともとれるであろう。高山彦九郎は切腹したが死にきれず、絶命したのは翌日であったようだ。著者の記述より凄惨な様子が目に浮かぶ。政界を引退すると公言した人がとるにたらない理由を挙げて前言を翻すような行為があたりまえになってしまった。政治家にとって政界からの引退はまさに自刃であろう。その波紋が広がり新しい波が生まれる。
著者は戦前に当時の細谷村にある彦九郎の生家を訪れ、
■ここの家に生(あ)れし正之(まさゆき)先生が国憂ひ世を嘆きとどまり難かりき
と詠んでいる。

 著者が戦前、細谷村 高山彦九郎生家跡で詠んだ歌へ

読みかじりの記:(高山)彦九郎 歌と生涯(11)

2010/12/28

読みかじりの記:(高山)彦九郎 歌と生涯(11)

○「役人の追求のてが」の章

「緑亀を献上した四ヶ月後に彦九郎は九州遊歴の旅にでた。」著者はその足跡と交遊状況を要約し、「だがこうして休む間もなく奔走する彦九郎を、役人等が危険人物として注目しない訳がない。」としつつ、「彦九郎の死はその理由が計り難く、さまざまに憶測されているが、この情熱的憂国士の心情を思えば、その理由も明らかにしたい感がある。」とこの章を結んでいる。いわば、この章は次の章への導入のように見える。

追記:江戸時代とはいえ旅にでれば路銀がいる。旅に明け暮れた彦九郎はその費用をどのように確保したのか気になる。「高山彦九郎の実像」の中の別の記事を読むと彦九郎の経済的な支援者もいたようだ。また、祖父が母方の高山の姓を名乗り蓮沼家より隠居分家した時相当な財産を引き継いだらしい。その金は祖父、父の思想・理想というDNAを実現するために必要になった時だけ使えと代々伝えられてきた基金のようであったらしい。彦九郎と交流した人達は最新のニュースや学問に関心が深い当時の知識人が多く、人物ネットワークがあった。そういう人々に対して出張講師、ニュースキャスターのような役回りで路銀を工面していたかもしれない。しかし、経済的にはやがて破綻してしまったのが現実であったようだ。渡良瀬川公害の解決に一生を捧げた田中正造も亡くなった時には身の回りのものしか残っていなかったようだ。

検索サイト

NANDA?⇒物臭検索

  • ラベル(タイトル):最初は何も分からない
    なんだこりゃ?作成当時の記憶

エネルギー関係

ウェブページ

更新ブログ

PHOTO2(写真集)

  • Iob_fujijyuukouentotu
    たまたま出会ったもの2

PHOTO4(写真集)

  • Iob_minitomatodaruma
    果樹・野菜・花等

PHOTO5(写真集)

  • Iob_senteihasami_funsitu_sabi
    現在使われなくなった機器、農具、ガラクタ等。

PHOTO6(樹木等)

  • Iob_sendan_kiru_2013
    樹木の縮伐カット&トライetc

PHOTO7(写真集)

  • Iob_kaiko_ga_gazou
    BLOG関連写真2
フォトアルバム

MIKAN KUN

  • 赤城連山MAP
  • Fight_Fukushima
  • ISESAKI_PIGEON
  • MIKANKUN

Copyrighit

  • © Copyright 2006-2024  af06.kazelog.jp  All rights reserved.

健康関係:リンク&検索等

Favorites2

Favorites

Favorites3

Favorites4

やさしい科学・SCIENCE

  • 日経サイエンスのウェブページ
    「日経サイエンス」とは:「日経サイエンス誌は,1845年に創刊された長い歴史と伝統を持つ米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版で,世界の最先端の科学技術動向を日本の読者に届けています。」
  • SCIENCE IS FUN in the Lab of Shakhashiri
    University of Wisconsin-Madison Chemistry Professor Bassam Z. Shakhashiri のサイト

みかん栽培関係情報

ISESAKI  有情2

ISESAKI  有情1

嗚呼 伊勢崎 非情

BOOKS

  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

外国の博物館・美術館 外国語・国際関係(リンク)

TOOLS

地域産業・機関

地域興し関連情報

MEMO_TL_TEST

  • TOP PAGEの 「アクセスランキング(2015/6/8より表示再開)」へ飛ぶためのラベル
  • TEST END
    TEST_H23/10

アクセスランキング

リンク:ページ先頭へ飛ぶ

写真集へのリンク

MEMO 海外の博物館・美術館

  • https://www.artic.edu/collection?place_ids=Japan&page=6
  • 項目のタイトル2
    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
  • TYPE LIST事始め
    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)