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2011年7月16日

2011年7月16日 (土)

科学ニュースに独り言:神は最初にオスを造ったのかそれともメスか?

2011/7/16
昨日も暑かった。最高気温(℃)=37.9 (14:34)。昨日新しく1ヶ月予報が更新された。この先1Wは平年以上の気温になりそうだ。灌水。雨が欲しい。ポーチュラカが幾つか咲いていた。こぼれ種でまだ株は小さいが、手入れをすればこの暑さにも耐えるだろう。いよいよ扇風機が本格稼働している。

昨日の天気

TAVE= 31.8
TMAX= 37.7
TMIN= 26.6
DIFF= 11.1
WMAX= 4.8
SUNS= 12.8
RAIN= 0

ざっそう句:セミ

■耳鳴りの遠くかなたにセミの声
■初蝉のか弱く鳴いて黙りけり

初セミが鳴いたようだが、耳鳴りのようにも感じる。子供の頃はよくセミ捕りをした。捕ったのはアブラゼミだったようだ。ジーッと鳴くのはニイニイゼミだが、実物は余り見たことがない。

科学ニュースに独り言:神は最初にオスを造ったのかそれともメスか?

上毛新聞の片隅にあったニュースが気になりNET検索した。以下のようなニュースがあった。

東京新聞は、「生殖細胞の性 決める遺伝子 定説を覆す発見;url=http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011070802000028.html(2011年7月8日 朝刊)」というタイトルで、「自然科学研究機構基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)のグループが、生物の生殖細胞の性別を決める遺伝子を世界で初めて発見し、八日付の米国科学誌「サイエンス」電子版で発表した。」、「雄の細胞のSxlを人為的に活性化すると、本来精子になるはずの細胞が卵子に変化する「雌化」が起き、性を決定する遺伝子の働きが裏付けられた。これまで、同細胞の雌雄を決める遺伝子は見つかっていなかった。」と報じた。

自然科学研究機構基礎生物学研究所のサイトにはプレスリリースと解説記事があった。性別の決定にはWIKIPEDIA「ヒトを含む哺乳類では、雄ヘテロXY型が一般的である。この性決定様式では、正常な雌はXX個体であり、正常な雄はXY個体である。」とあるが、我々の知識はこの記事にも及ばない。男と女の差はこの染色体の差程度しかないと思っていた。今回の研究は、最新のバイテクを使用して、遺伝子レベルの性の決定を解明したので、生物学にも非常に大きなインパクトを与えるのではないかと思った。そこで、重要な遺伝子がSxl遺伝子との事だ。Sxl=Sex lethalの意味とか。ところが、lethalの意味は?「【形】:致命的な、死を招く[もたらす]、致死の」と言うことで、性を決定する上で最も支配的なという意味にとれるようだ。

著者による、解説記事は、「ショウジョウバエにおいて生殖細胞のメス化を決定する遺伝子の同定;http://first.lifesciencedb.jp/archives/3160(2011年7月13日)」というタイトルで、「筆者らは,ショウジョウバエでは生殖巣を形成する以前の始原生殖細胞においてメスの胚に特異的にSxl遺伝子が発現していることを見い出した.さらに,メスの胚の始原生殖細胞においてSxl遺伝子の機能を抑制すると卵を形成できなくなること,逆に,本来はSxl遺伝子を発現しないオスの胚の始原生殖細胞においてSxl遺伝子を強制発現してメスの個体の生殖巣に移植すると完全に機能的な卵に分化することを明らかにした.以上の成果は,生殖細胞には自律的な性決定機構が存在し,Sxl遺伝子が生殖細胞のメス化のためのマスター遺伝子であることを示していた.」と報じた。

よく分からないのが「始原生殖細胞」。url=http://oshiete.goo.ne.jp/qa/85875.htmlによれば:「始原生殖細胞は発生の比較的早い時期に分化し、体細胞分裂を2度して雄は精原細胞。雌は卵原細胞になります。」とある。「精子・卵ができるまで~始原生殖細胞の旅~:url=http://www.biological-j.net/blog/2007/07/000251.html」によれば、「実は生殖細胞になる細胞は、比較的早い時期に決まってしまいます。生殖細胞系列に入った細胞は、その後、分裂を繰り返して数を増やし、将来、生殖細胞になる元の細胞、すなわち始原生殖細胞になります。」とある。最終的な殖細胞になる前身の細胞のようだ。本論文の結論は、オスの「始原生殖細胞」もメスの「始原生殖細胞」も、Sxl遺伝子を発現させれば卵になるということのようだ。ここで、「多くの動物において体細胞にオスとメスの区別があるように,生殖細胞にも精子に分化するかあるいは卵に分化するかという性の区別が存在する.」というので、話が複雑になる。

図面では遺伝子操作をした細胞核?をメスの生殖叢に入れて卵の形成を調べているようだ。疑問なのはSxl遺伝子が発現しなければオスになるという事は、生物が進化で雌雄を発明する以前は、生物はオス的だったのかメス的であったのか。解説記事の「おわりに」は「生殖細胞における自律的な性の決定機構の存在はマウスにおいても予想されていた6).また,生殖巣を含む中胚葉をもたない腔腸動物のヒドラでは,生殖細胞のみに性が存在し体細胞には性差が観察されない11,12).このことは,生殖細胞に自律的な性の決定機構は進化的には古く,生殖巣を構成する体細胞からの非自律的な制御機構は中胚葉の出現とともに新たに獲得された機構であることを予想させる.」

生物に雌雄という区別ができたのも種の遺伝的な多様性を確保して変動する環境への保険のような意味があると解説されているのが一般的だ。最近ミトコンドリアが生物の進化で注目を集めている。「生命体にとっての、「雌雄」の起源はいつからでしょうか?:url=http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463606099」には「動物と植物の雌雄の概念は、同じ起源をもつのでしょうか。 同じ起源だと考えられています。つまり真核生物が動物・植物に別れる以前に、有性生殖をおこなっていたと考えられています。具体的な年代はいつかは不明ですが20億年近くまでさかのぼれそうです。」、「1個を大きく育てる戦略が卵、数で勝負する戦略が精子を生み出しました。どちらか一方だけが有利でないのは世の中に雌雄がほぼ同数いることで証明されています。」とあった。

思うに、生物は現代のバイテクが行っている実験に比べたら途方もなく沢山の実験を行ってきたようだ。「iPS細胞からヒトの精子や卵子 慶応大倫理委が研究計画承認 :url=http://blogs.yahoo.co.jp/ksjuku3691/11141992.html」というような情報もある。

ともかく、一つの細胞も多くの可能性を秘めている。クローン技術で同じ遺伝子を持つ生物も造られた。iPS細胞からはほとんどの細胞ができそうだ。オスもメスも人間の手で造り分けられそうだ。10年後は恐ろしい又は素晴らしい時代になっているのかも知れない。

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    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
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    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
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    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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