2013年9月7日(土)
昨日は曇り昼前後に小雨。最高気温(℃) 25.8 09:01。最低気温(℃) 22.5 24:00。ざっそう句:失敗の 根をほじくれば 因果あり。朝方オクラと自働蒔きナス数個を収穫。総太り青首大根の播種。今回はコーヒー缶の底で蒔穴を作った。途中から小雨となったが決行。ホウキで覆土。穴の深さは2~3㎝程度。WINXPがSAFE-MODEでも起動しなくなった原因を調べた。WINMEの起動ディスクからは起動したが、XPはファイルシステムがNTFSなので処置なし。WEB情報ではレジストリ情報が破損か損失。その原因を探してゆくと、パソコンをシャットダウンするとき更新をしてからシャットダウンという見慣れない選択枝が出て普通にシャットダウンさせてくれない。そこで強制終了。この強制終了でレジストリが破壊したらしい。その元を辿れば更新を強要するOS。この更新商法が欠陥商品をもったいぶって売りつける悪徳商法に見えてくるのだ。風が吹けば桶屋が儲かるような因果関係で釈然としない。ともかくXPも風前のともし火。これも神のお告げと諦めるべきか。HDDは全容量の約20%だけ使用。作成データはUSBメモリーに保存しているので助かった。メールはどうするか?昔の8ビットパソコンのROM-OSを思い出す。これこそ究極のパソコンではないか。
2013年9月5日の天気(AMEDAS)
TAVE= |
23.6 |
NO DATA |
TMAX= |
25.8 |
最高気温(℃) 25.8 09:01 |
TMIN= |
22.5 |
最低気温(℃) 22.5 24:00 |
DIFF= |
3.3 |
|
WMAX= |
3.8 |
最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 6.9(東南東) 19:32 |
SUNS= |
0 |
NO DATA |
RAIN= |
1.5 |
NO DATA |
Q
Q
科学ニュースに独り言:イプシロンロケット発射停止に重大な油断はないか?。20130907。
イプシロンロケット発射直前のNHK TVニュースは、期待と共にトップで大々的に報じた。それが発射停止されという晩のニュースは二番目に申し訳なさそうに報じられた。このニュースの重要度の扱いになにか違和感を感じた。失敗という事件こそ最も衆人が関心を寄せるニュースではないか。ニュース報道にお追従は不要だ。真実を一秒でも早く報道することにより報道機関としての責任が果たせるのではないか。
うろ覚えだが、上毛新聞の小さな記事に、本体コンピュータと外部の管制用コンピュータに数十msの時間差がありそれが発射停止の原因らしいと報じた。電気の世界の数十msは相当長い時間ではないかと感じた。イプシロンロケットの売りは、コンピュータを導入してコストを大幅に低減した事と報じられていた。発射が成功していれば、その技術は大々的に報じられたのではないか。その予定プログラムも完全に墜落した。
「愛しきもの 根っ子(文化と文明雑感):ウッソー!東京スカイツリーの基礎杭は大木の根っ子に学んでいる?(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2012/04/post-df53.html)。(2012/4/11(水))」この記事では「日本のHⅡロケット開発では連続二回の失敗があった。」と当時の失敗を思い出していた。
WIKIPEDIA「H-IIAロケット。(http://ja.wikipedia.org/wiki/H-IIA%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)」この記事によると、H-IIAには構造的な問題があった事が分かる。対策を講じるため海底から筐体を回収したニュースも思い出す。WIKIPEDIA「H-IIロケット8号機。(http://ja.wikipedia.org/wiki/H-II%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%888%E5%8F%B7%E6%A9%9F)」
ともかく、失敗原因の解明と対策にはロケット本体の動作を刻々記録し、失敗後はそのデータを分析・解読するのが対策の近道であろう。WINXPにも、管理ツールがあり、コンピュータの動きを常時監視している。
産経新聞は、「イプシロン打ち上げ中止、情報伝達0.07秒のずれが原因。http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130830/cpc1308301348000-n1.htm。(2013.8.30 13:47))」というタイトルで、「下村博文文部科学相は30日の閣議後の記者会見で、新型ロケット「イプシロン」の打ち上げが中止されたのは、ロケットに搭載されたコンピューターの情報が地上管制設備に届くまでに、約0.07秒の時間差が生じたことが原因との見解を示した。打ち上げ時期については、「9月の早い時期に打ち上げられるよう万全を期する」とし、早期の再打ち上げに向けて準備を進めているとした。 会見で下村氏は「データを受け渡す時刻に時間差が生じ、姿勢異常と判断された」と述べ、情報伝達の遅れが原因との報告を宇宙航空研究開発機構(JAXA)側から受けたことを明らかにした。下村氏や文科省によると、データの伝達に時間差が生じたことで、姿勢に問題がないとの情報が地上に届かず、安全側にたって姿勢異常と判定されたという。」と報じた。
この記事から、失敗の原因が時間差は約0.07秒(70ms)で、人間的な感覚では一瞬に過ぎないと思われる。テレビ画面を二枚送る程度の時間で、人の目が1msで一枚の画像がよめれば紙芝居のようにテレビの画面が刻々描かれるのが分かる程度の時間だ。ところが、コンピュータ最先端の世界はどうか。最先端の株の売買にも及ばない長さではないか。
「技術 回顧と展望:時の記念日に思うこと(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2013/06/post-0124.html)。(2013年6月11日(火))」最先端のコンピュータを使用した株取引ではこの70msは余りにも長すぎるように感じる。株の売り買いの順序が狂ったら取引の公正さが保証されないのだ。
レスポンスは、「JAXA イプシロンロケット 打ち上げ中止の原因について説明。http://response.jp/article/2013/08/31/205381.html。(2013年8月31日(土) 15時30分))」というタイトルで、「JAXA 宇宙航空研究開発機構は、2013年8月27日の打ち上げ予定日に中止となったイプシロンロケット初号機について、中止の原因を管制センターの地上装置がロケット搭載コンピュータから姿勢データが届くよりも70ミリ秒早く姿勢計算を開始したためと説明した。 説明会には、JAXAより森田泰弘プロジェクトマネージャ、長田弘幸打上管制体企画主任が登壇し打ち上げ中止の原因について説明した。ロケット搭載コンピュータ(OBC)が打ち上げ20秒前に起動しロケットのロール角(機軸周り)姿勢を計算しデータを送信したところ、地上管制センター側の監視装置(LCS)はそれよりも早く姿勢の監視を始めていた。データが得られないためLCSは姿勢異常と判断し、自動的に打ち上げシーケンスを中止した。 OBCの計算開始とLCSの姿勢監視との間の時間的ずれは70ミリ秒で、ロケットと管制センターを接続したネットワーク上で複数のコンピュータを介したことによる演算の遅れが重なったもの。複数のコンピュータにはOBCそのもの、また自動点検装置ROSEも含まれる。 この遅延によるエラーは再現性のあるもので、8月20日に打ち上げリハーサルを行った際にも同様のことが起きていた。しかし、リハーサルでは他の設定ミスが見つかったため、このエラーが起きても打ち上げシーケンスを自動停止しない状態で行っていた。リハーサル段階でエラーを洗い出して対応できなかったことについて、森田プロジェクトマネージャは「計算機の時間のずれに配慮できていなかった。深く反省したい」としている。 原因が打ち上げシーケンスを監視するコンピュータのソフトウェア的なものと判明したため、今後はOBCから姿勢データを取得してからLCSが姿勢監視を開始するなどの対応をとって対処するという。」と報じた。
かなり、長い引用だが、「原因が打ち上げシーケンスを監視するコンピュータのソフトウェア的なものと判明した」と結論できるのか不安が横切った。ともかく、ロケットの打ち上げ前後から打ち上げ後の管制、目的の達成等々すべての操作や動作が、ロケットと管制システムとの通信で行われる。そこには、多数のコンピュータが使われているだろう。そのコンピュータは各自勝手に動作させているのか、それとも完全に同期をとって行わせるのか、主要部だけ同期、それ以外は同期外動作なのか、要するに、システム設計の根幹がどうなっているのかが皆目分からない。
JAXAという組織の特性は良く知らないが、総じて日本の巨大組織は、個人商店になりがちのようだ。国家然り、軍然り(戦前だが)、官僚組織然り、会社然り云々。外国は、多民族で、個人の領域では個性を優先するが、組織という中では、組織としての機能・役割を第一優先としているように見える。その基本は役割と責任が完全に明確化されているからではないか。その組織の中の個人も、個性や能力の発揮という点では十分に評価・処遇される。要するに組織と組織メンバーのマッチングが良好だ。その点、日本の組織の過去・現在・未来を思うと情けなくなる。
JAXAのホームページを見ると、『8月30日 [宇宙輸送ミッション本部] イプシロンロケット試験機 打上げ中止の原因究明状況 記者説明会資料(http://www.rocket.jaxa.jp/news/topics/pdf/20130830.pdf)』が掲載されている。その中で、リハーサルに関して「8月20、21日に実施したリハーサルでは、打上げ18秒前までのカウントダウンシーケンスを流してシステム全体の確認を実施したが、本件については以下の理由により検出することが出来なかった。」としている。
技術的に、リハーサルの限界範囲を設定する難度に関しては不案内だが、「打上げ18秒前までのカウントダウンシーケンスを流してシステム全体の確認を実施」とは何となく不可解だ。大規模システムが起動するためにカウントダウン「ゼロ」に向けてあらゆるベクトルあわせが行われるのではないか。カウントダウンゼロの一秒位前までシミュレーションはできないのか。「リハーサル終了後に、 取得データの評価により監視設定値の妥当性を確認したが、約0.07秒の微小なずれまでには思いが至らなかった。」という一文には唖然とした。「約0.07秒の微小なずれ」とは、一般社会人の感覚の悪用に過ぎず、科学技術関係機関が、公然と口に出来る言葉とは思えない。
管制施設とロケット本体の間の距離は2Kmとの事だ。単純に光が往復するだけで、10マイクロ秒程度かかる。この時間は、コンピュータが同士が一言会話する時間としては当然無視できる時間ではないだろう。それなら、70msという時間はシステムが稼働する基本単位時間からははるかに長い時間のように感じる。
WIKIPEDIA「光速。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E9%80%9F)」
システム設計には大別するとトップダウンとボトムアップの二つがあるが、日本ではどうしてもボトムアップ、悪く言えば寄せ集めシステムになりがちではないか。システムの仕様が適確に記述されていなければ、開発したロケットの売り込みも難しくなるのではないか。
JAXA イプシロンロケット 打ち上げに関する、管制施設とロケット本体のコンピュータシステムが、十分に同期がとれていれば、システム設計としては基本を外していないと思われる。ところが、サブシステム毎に異質な制御が行われているとほとんどバッチ処理に近くなり、コンピュータシステムでコストダウン出来るというメリットが見えなくなる心配がありそうだ。「約0.07秒の微小なずれまでには思いが至らなかった。」とは、システム設計不在を明かすような印象であり、プロジェクトが遅れても抜本対策をすべきではないか。見通しが立たずに、このような巨大プロジェクトをだらだら続行したら、それこそ世界の信頼を失い、日の丸ロケットは二度と日の目を見る事がなくなるのではないか。
色々な失敗に関して、「出番無きマニュアル」として所感を書いてきた。先人達の失敗に学ぶことは意外に難しい。優秀と自認する者は「マニュアル」なんかとバカにする。そこに、大きな落とし穴はないか。NASAが巨大なプロジェクトを着々とこなせるのはNASAと言う組織と組織メンバーの役割が完全に記述されているからではないか。
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追記(2023/03/08):2023年3月7日にJAXAのH3ロケット打ち上げが失敗してこの記事を再読した。表の文字が黒の背景色で見えなかったので文字色をオレンジに修正。タイトル末尾に投稿年月日を追加。