09D_かみつけ女流歌人 雅 観賞

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2011年4月13日 (水)

老人の寝言:三段重ねの大嘘では誰も見向かなくなるのでは

2011/4/13
昨日の夕焼けはきれいであった。東北関東大震災、東電福島原発事故の被災地の人々は夕焼けを見るゆとりも無いと思う。東京都知事に石原氏が再選された。節電という御旗をかかげ、パチンコと自販機をたたいていた。もう少し老人力を発揮して見境もなくその範囲を広げて欲しい。最近老人力という素晴らしい言葉があったと再認識した。もう古語の部類かもしれない。「老人の寝言」というカテゴリーを作った。グチはここに封印しよう。

昨日の天気

TAVE= 9.5
TMAX= 14.2
TMIN= 5
DIFF= 9.2
WMAX= 7.6
SUNS= 12.1
RAIN= 0

老人の寝言:三段重ねの大嘘では誰も見向かなくなるのでは

2011/4/12に福島原発事故の危険レベルがINESのレベル7に相当すると報道された。今までINES=5がなぜいきなりINES=7なのか。国民誰もが、福島原発事故が、チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故より規模が小さいことを願っている。しかし、当局は国民の願いでINESを決めるようであっては世界中の笑い物になる。現実は笑い所ではない、顰蹙をかい不信感を増大させているのではないか。日本は世界唯一の原爆被爆国、また非核武装国、原子力の平和利用と原子力に関しては他国にない国是を一貫して守ってきた。このような背景から、IAEA(International Atomic Energy Agency)の総裁に選ばれた天野氏への世界中からの期待は大きい物があった。INESとはThe International Nuclear and radiological Event Scaleの略語であり、原子力及び放射能事故の国際評価尺度である。同じ尺度で測ることにより、比較が出来るのである。振り返ると、当局は原発事故の翌日(3/12)に暫定でINES=4を表明していたようだ。そうして、3/18にINES=5に引き上げてIAEA(国際原子力機関)に報告したという記事があった。最後にINES=7を発表したのが4/12であった。福島原発のINESに関してはもはやINES=7以外にあり得ない。

IAEAの資料はINESを以下のように説明している。その資料によれば、INESとは「原子力及び放射能事故事故の安全上の重要性(言い換えれば危険性)について公衆と矛盾せず一貫的に意志疎通させるための国際的な尺度である」
「The INES Scale is a worldwide tool for communicating to the public in a consistent
way the safety significance of nuclear and radiological events.

Just like information on earthquakes or temperature would be difficult to understand
without the Richter or Celsius scales, the INES Scale explains the significance of
events from a range of activities, including industrial and medical use of radiation
sources, operations at nuclear facilities and transport of radioactive material.
Events are classified on the scale at seven levels: Levels 1・ are called "incidents"
and Levels 4・ "accidents". The scale is designed so that the severity of an event is
about ten times greater for each increase in level on the scale. Events without safety
significance are called ・deviations・and are classified Below Scale / Level 0.」

要するにINESを使えば、世界中の誰とでも原子力や放射能事故に関して正確な情報交換が可能になるように想定されているのである。

以下にINESのレベルをIAEAの資料から引用する。三角形でレベルを表現しているが、危険度は当然逆三角形になる。従って、INES=5からいきなりINES=7へ変更するのがいかに手前勝手かはっきりする。INESという国際標準を使うにはこのINES=6を飛び越したのは何故かという国際的な説明責任を負う。IAEAや外国の調査団が福島原発に入り、もはや隠し通せない、言い換えれば、完全に尻まくりした結果が今回のINES=7の発表ではなかったか。
Ines_s

問題は数週間の間INES=5のままで通した影響である。INESが公共に対する危険度の共有という意味を持っている点から考えると、国民だけでなく世界もだまし続けたのではないかと言われても弁解の余地はないだろう。原発事故現場で働く人々、放射能被曝を覚悟しつつ救済に従事している人々、被災民及びその家族達等々はだまされて長期間放射能被曝をさせられたと当局への怨念は深まる一方ではないか。まさに当局は公衆と危険度を共有するのではなく、自分たちは危険を知りつつ安全なところに留まり、公衆を見殺しにするような戦中の大本営的な動きしかしていなかったのではないか。嘘に嘘を重ねても、何の解決もできない。福島原発の原子炉は辛うじて暴走を抑えられているに過ぎない。INES=7の発表が次なる尻まくり、責任逃れの予兆で無いことを願うばかりである。

追記:朝のニュースは政府はINES=7を公表するにあたり、事前に関係国へ通知したとの事。これだけ、危険性の大きな原発事故の大きさのレベルを変更するのである、各国政府は国民への説明が必要になる。当然この危機の重大性という認識を共有する事により被害の拡大を未然に防止でき、また連帯意識を広げることが出来るのである。意識的に低く設定されたINESはINESの精神を損ない被害を増大させ、連帯の妨げになるのである。透明性が重要なのである。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:桜守

歌題=桜守:

■花満つる さくらを見つつ 母思ふ この爛漫の季を 母も見にけり 14 井汲 美也子

母の心象は変わらないが、今の自分に重ねてみるとまた新しい発見をする。

2011年4月12日 (火)

身辺雑記:東京電力の意志決定遅れの理由はなにか

2011/3/12
昨日午後の東北地方太平洋沖地震の余震の大きさに驚いた。また玄関まで飛び出した。余震は徐々に弱まると楽観していた。その後、小さな揺れがかなり続いた。NET情報等によれば、この余震で福島第一原子力発電所の原子炉への注水が小一時間停止したようだ。注水作業をしていた人々の避難も含めて色々理由はあるだろう。ともかく、スキがあれば暴れ出そうとしている原発が4台も福島第一原子力発電所にはある。そのうち1台が暴れ出せば、そちらの対応が最優先になる。残りの3台には手が回らなくなる。すると次の2台目も暴れ出す。それが、3台目、4台目と続く。3号機はプルサーマルでプルトニウムを燃料に使う。放射能はウラン燃料より大きいのではないか。ともかく、何とか最悪の事態に走らないように必死でギリギリの作業が続いている。今後も余震は続くだろう。地震で原発自体や付属設備・建屋等が脆弱になっている可能性もある。自然災害としては、今後台風シーズンも来る。台風の通過と原子炉のメルトダウンが重なると史上最大の原発事故になる可能性も否定できない。その時は東京も放射能汚染地帯になってしまうだろう。今こそ長期的な視点から原子炉の暴走と破壊を阻止する根本対策を早急に行って欲しい。一瞬の油断で今までの努力が霧散して、更に大きな被害が発生する危険が差し迫っているのが現在の福島原発ではないか。

昨日の天気

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SUNS= 6.4
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身辺雑記:東京電力の意志決定遅れの理由はなにか

東京電力社長は体調不全で原発事故対応の一番大事な最初の一ヶ月の間にある期間入院した。日本有数の企業の最高幹部なのだから高血圧等は役員就任前に当然入念な診断が行われているべきであろう。在職当時、米国の技術者から、米国のビジネスエリートは肥満や喫煙をする人は自己管理が出来ないとみなされ出世も出来ないと聞いた事があった。あらゆるストレスに耐えるタフな人間を経営幹部に配置する事こそ最高の人的リスク管理ではないか。緊張で血圧が上がるのは当然。持病なのか経営幹部は株主のためにも自己の健康状態を示すべきではないか。アップルの最高経営責任者のS.ジョブは自分が病気で休養する旨を全従業員にメールで伝えたとの事だ。株主はこういう情報があれば、アップルの経営危機を何らかの意味で評価して、自分の保有株の扱いに反映できる。何の対処もなく突然株の暴落を引き起こすのは経営責任に反する例の一つであろう。

東京電力のホームページの一般向け組織図を見ると、トップに会長1名、その下に社長1名、その下の副社長6名が経営上層部を構成する。株主向けホームページでは、更に各役員の詳細な権限と責任が記述されている。それによると、要するにこの8名の最高経営層が東京電力という会社の代表権を持っている事が分かる。それを言い換えると、代表取締役と言う点では8名の最高経営層は同等の権限と責任を持つという事だろう。当然社内では職務分掌が規定されていると思うが、対外的にはこの8名の最高経営層は全て同等に東京電力を代表して権限を行使しその責任を負うことになる。

東京電力を馬車にたとえれば、東京電力は8頭の馬車で動かされている事になる。ところが、馬ならば前の方にニンジンをぶら下げ、よそ見をさせず、尻を叩けば先ずは前進するだろう。東京電力の8頭の馬車馬は危機に際してどんな動きをするのか。単に外部から見ていただけでは馬同志のダイナミックスを読めない。おそらく、競争と協調というダイナミックスが働いているだろうが。対外的に下手な動きをすれば、仲間の馬に足をすくわれるという危険は常にあるのでは。組織が最高に働けば、8頭以上の力を発揮する可能性もある。三本の矢の譬え、三人寄れば云々という喩えもある。しかし、組織の位相が外れると力は分散し、進むべき方向を間違える可能性もあり得る。どちらかと言えば、現在は塹壕のもぐら宜しく、モグラ叩きに自分だけは会うまいと保身モードに入っているのではないか。

東京電力の意志決定の遅れは経営組織そのものにも原因があるのではないか。技術系の役員が少ないのも科学・技術的な判断を遅らせているの要因かも知れない。東京電力の社長が入院後出社したのが4/7らしい。福島原発事故以来、ようやく4/11福島県を初めて訪問し謝罪したとの事だが、余りにも遅すぎる。あまつさえ、福島県知事は訪問を拒否したとの事だ。当然であろう。組織が巨大になりすぎると意志決定が遅れるのは仕方ないと見るのか、意志決定の遅れ自体をリスクと見るのか。恐竜が意志決定の遅れを考えなかったような状況があったのであろうか。株主側はどういう見方をしたのか。新日鉄の場合、代表権があるのは会長1-社長1-副社長4の6名体制だ。船頭が多すぎて小田原評定ばかりでは危機を乗り越えるのが遅れてしまわないか。一層のこと、東京電力上層役員は総懺悔して役を降り、平取締役役を昇格させる程度の英断を持って、社会や株主の期待に応えるべきではないか。

追記:カテゴリー(老人の寝言)を作ってそこに入れる。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:ゑんどうの花

歌題=ゑんどうの花:

■どこにでもある  独りゐのうたなぞ 詠みたくなし  咳きつつも ひとりゐのうた 108 渡辺 正代

独りゐの歌は沢山あるが、それぞれ色調や陰影が異なる。この歌はその複雑な心境を詠んだようだ。

2011年4月11日 (月)

会社生活断面記:東北生まれの元職場の同僚はどうなったのか

2011/4/11
昨日の朝晩オートバイの空ふかしの音が耳に響いた。日曜日である、気候が良くなった、ガソリン事情も好転、東北関東大震災も遠のいた等の要因もあるかもしれない。何か見えない物による抑圧から解放されたいという気分がそのような行為を誘発している面もあるかもしれないが。数台のグループのようで、暴走族とは言うまいが端迷惑ではある。

群馬県議員選挙の結果が出た。群馬県民は投票した一票に何を託したのであろうか。
平成23年4月10日の県議選(伊勢崎市)
投票率:41.67(男) 42.42(女) 42.05(計)

前回の群馬県議選挙結果は以下の通りだった。
平成19年4月8日執行
群馬県議会議員選挙投票結果(伊勢崎市)
投票率:48.03(男) 49.78(女) 48.92(計)

投票率の低下は何を意味しているのか。少しは向上するのかと期待をしたが。

昨日の天気

TAVE= 13.2
TMAX= 18.4
TMIN= 6.9
DIFF= 11.5
WMAX= 3.3
SUNS= 5.9
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会社生活断面記:東北生まれの元職場の同僚はどうなったのか

本日で平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震発生から1ヶ月となった。警察庁発表の3/10現在の東北関東大震災の死者:13,013人、行方不明者:14,608人、負傷者:4,684となっていた。福島第一原子力発電所の原発事故による放射能が行方不明者の捜索を困難にしている面が大きいようだ。行方不明者の捜索も時間との戦いになるだろう。行方不明者の捜索にあたっている人々は行方不明者の声なき声を励みとしているのではないか。頭が下がる。自然に涙が出る。頑張って頂きたい。会社生活も、一面では全国各地からの出身者の交流の場所であった。東北生まれの同僚も数名いた。一番記憶に残っているのが、Uターンで郷里に帰って就職したA君の事だ。専門の経験と技術を持つ技術者が退職するとその影響は大きい。何とか引き留めようとしたがUターンの決意は固かった。自分の会社生活で初めて退職決裁書を書いた。その後の会社の流れを振り返ると、万事塞翁が馬の譬えのようである。郷里で従事した仕事の詳細は知らないが、当時の話の中でプラント関係の仕事だと聞いた覚えがある。プラントとは大規模の工場施設等を意味するだろう。そうすると、化学プラントや発電所等でも仕事をしていたのだろうか。原発関係のしごとはどうだったのか。地方分権と色々な議論が盛んであるが、地元で就職が出来る地元産業の育成こそ地方分権の原点ではないか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:日々の流れ

歌題=日々の流れ:

■肯定も 否定も忘れ 山に樹を 伐りて歌よむ ありし日の夫  35 木村 妙子

ありし日の夫が、山で樹を伐り歌を詠んださまが、肯定も否定も忘れるほどの一途さだったようだ。

追記:今、この歌を読み直して、文面通りの受け止めしかしていなかった事に気付いた。「肯定も 否定も忘れ」とは一途さともとれるが、林業という息の長い仕事を運命として受け入れて黙々と仕事をしている姿が浮かんできた。自分が植林した樹木は次の世代が伐る。今、伐っている樹木は先代が植林したのかもしれない。しかし、運命として受け入れて云々でも言い足りないような気もする。作者は「肯定も 否定も忘れ」という中に夫の人生の全てを投影させているようだ。

2011年4月10日 (日)

身辺雑記:危機に臨んで辻褄合わせの弁解は無用

2011/4/9
天気予報で雨を期待したが期待外れ。パソコンの調子が今ひとつ良くない。青画面となり再起動でなんとかしのいでいる。HDDのCディスク容量が数百Mしかないのが原因か。OSもWIN MEで古すぎる。3.5インチ6Gの古いHDDを専用ケースに入れてUSBディスクにしてみた。何とか使えそうだ。パソコン本体のデータをこのUSB_HDDに移せばCD-ROMに焼けると思う。現状では容量過小でCD-ROMに焼くイメージが作れない。東北関東大震災で大切なデータの入っているパソコンが被害を受けた例も多いと思う。そんなパソコンを探している映像をTVで見た。他人にとってはゴミ同然でも個人的には大切な情報が沢山ある。そんな情報は頭の中に詰め込んでおくべきかもしれないが、現代では自分の外部に頼っている。でも、そのゆとりが保険になっているのだろう。軍隊は目的がはっきりしている巨大組織だ。それを扱うのが軍事学。軍事学も読み方を変えると国家学にも経営学にもなる。東日本大震災も発生から1ヶ月経とうとしているが、今後の復興プランや福島原発の無害化の展望が見えない。軍事で言うなら勝利のシナリオだろうが、だれがそのシナリオを書いているのかさえ分からない。

昨日の天気

TAVE= 13.9
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DIFF= 4.5
WMAX= 4.3
SUNS= 0.1
RAIN= 0.5

身辺雑記:危機に臨んで辻褄合わせの弁解は無用

明日で東北地方太平洋沖地震から1ヶ月目になる。まだ、東北関東大震災の総括が出来る段階ではないだろう。国民が刻々と知りたかった事が、少しずつ明るみに出てくる。徹底的に責任を追及されそうな事実は永久に出ないかもしれない。第三者が評価して自分の立場が無くなりそうな場合は責任逃れで追認して行く。福島第一原子力発電所の原発事故の大きさは誰でも気になる。

YOMIURI ONLINE(2011年4月10日01時55分  読売新聞)は、「原発事故、スリーマイル上回るレベル6の可能性」というタイトルで「レベル5以上の大きな事故は、放出した放射性物質の量で判断される。原子力安全委員会によると、先月12~24日に大気に放出されたヨウ素131の総量は、単純計算で約3万テラ・ベクレル(テラは1兆)。これは数千~数万テラ・ベクレルというレベル6の条件にあてはまる。」と報じている。

今まで、表向きは過小評価を取り繕っていただけなのか。政府発表の放射能レベルを大丈夫大丈夫と宣伝していた評論家や学者もブラウン管から姿を潜めてきた。事態が余りにもおおきくなりすぎてこのような妖怪が跋扈できる状況では無くなった。黙りを決め込むこういう事なのだろうか。ともかく、テレビ、ラジオ、新聞というあらゆる媒体には、媒体が運べる情報量の上限(バンド幅)がある。緊急事態には情報メディアは優先して正確で信頼できる情報を最大限のスピードと量で流してもらいたい。評論家や学者も相当の職業倫理感を持っているだろう。危機に際して大切な情報のバンド幅を無駄にまたは有害に使ってしまったという反省はないのか。どういう決意でTVカメラの前に立ったのか知りたい所だ。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:てのひら

歌題=てのひら:

■まぼろしの 猫と遊べり 老い母は この世の外に 出で入るらしき  21 上原 光子

母と姑と自分と女性は三つの位相を体験し、そこに歴史が刻まれる。

2011年4月 9日 (土)

東北の海よ(改題):かみつけ女流歌人 雅:ソニー多賀城出張の思い出。110409。

2011/4/9
畑にはスモモ、菜の花、水仙が咲いている。スモモは受粉に相手を選ぶので余り実が生らない。なりゆき任せだ。スギ花粉症で目薬をもらったが、ステロイド系の薬との事で、副作用が心配だ。薬局の薬剤師も薬の副作用まで親切に教えてくれない。今年は大量に花粉が飛ぶと予想されたが、放射能物質の飛散の怖さで花粉の方が遠慮しているかのようだ。:BLOG EDITORで以下に書き込んだ部分が消えてしまった。対策は頻繁な保存。しかし、HDD以上に時間がかかる。以下、消えた部分の復元を試みたが、同じ表現にはならない。

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今朝の上毛新聞記事によると、群馬県産のホウレンソウとカキナの出荷停止が解除された、夏場にも計画停電は実施しない等の記事が目に付いた。しかし、放射能汚染は今後とも楽観出来ないのではないかと気になる。野菜の買い控えは当面続行するのでは。東京電力のホームページによると、「計画停電等に伴う電気料金の割引について(2011年4月8日 )」として、「一般のご家庭など低圧で受電されているお客さま、および高圧で受電され契約電力が500kW未満のお客さまにおいては、1日のうち1時間以上の停電が発生した場合、1日ごとに基本料金の4%を割引し、5月分の電気料金ご請求時以降、順次精算手続をさせていただきます。」と発表していた。この内容からは東京電力の善意のように感じてしまうが、電気供給約款にその規定がある。本来は東京電力の責任の範疇である。しかし、電気供給約款がどのように実行されるか関心を持っていたので、このような形で実行されるのには一定の評価は出来るであろう。法令コンプライアンスととらえることが出来る。これは社会的企業の基本である。東日本大震災で、お金の情報が飛び交っているが、お金より先ず行うべき事が行われなければ物事は始動しない。法令、規則、契約等がないからできないでは緊急事態は乗りきれない。その場で必要となる法令等も万全ではないだろう。もし万全な法令集があれば政治家も議会ももはや必要ない。それを言い換えると、緊急な対策が必要な法令で規定されていない空白部分は政治が解決しなければならない。群馬県議選も終盤になったが東日本大震災の影響で選挙は盛り上がっていないと言われている。しかし、こういう機会だからという事で今まで棄権していた有権者が投票に向かう可能性もある。投票率の向上に期待したい。
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昨日の天気

TAVE= 15.2
TMAX= 21.7
TMIN= 6.7
DIFF= 15
WMAX= 4
SUNS= 4.3
RAIN= 0

東北の海よ(改題):かみつけ女流歌人 雅:ソニー多賀城出張の思い出

追記(2018/03/15):この過去記事は、ほぼ10年前に書いたが、読みにくさがあるので、読み易く整形、再読して、印象・コメント等を追記して再利用。誤字訂正。タイトル追記。

東京電力の放射能汚染水の海洋投棄で茨城沖の漁業は休止に追い込まれている。いつ再開再会できるのか。東北地方太平洋沖地震が起きて、今まで余り関心がなかった東北地方に進出した企業の動きが見えてきた。自動車、半導体等の会社も進出していた。かつて、仕事の関係で多賀城にあるソニーの事業所を訪問した記憶がある。多分磁気製品に使う部品の件で出張したのではないかと思う。いま思い出せるのはこの位である。今、あの工場はどうなっているのだろうか。このわずかな記憶をを手がかりに、NET情報を検索した。毎日新聞 2011年3月12日 東京夕刊(url=http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110312dde007040007000c.html);「東北沖大地震:日産、全工場操業中止 ソニー、1200人が工場で一夜」:「ソニーの宮城県多賀城市の磁気テープなどを生産している工場では、津波で1階部分が浸水し1159人が上階に避難して一夜を明かしたが、12日朝も水が引いていない。近隣の住民も約110人が避難してきている。」という記事があった。

多賀城市のホームページに以下のような情報があった。
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○多賀城市における東日本大震災の被害状況
発生日時    平成23年3月11日(金曜日) 14時46分
震源地     三陸沖
規模       マグニチュード9.0
震度       5強
津波       浸水区域 ※津波による道路浸水が確認できている区域(3月16日現在) (PDF形式 1.7MB)
浸水面積    662ha
被災世帯    約6,500世帯
被災者人口  約15,000人

○企業立地促進法に基づく取組
多賀城市の特性・強み多賀城市は、市域が狭く、大きな工場が立地するための面積が十分ではありません。

こうしたデメリットを考えると、工場面積等が小さいけれども、地域経済に及ぼす影響が大きい産業が市内に立地することが望まれます。

高度電子機械産業(一般機械器具製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、電子部品・デバイス製造業、精密機械器具製造業)は、比較的工場面積等が小さく、波及効果が大きい産業です。

こうした産業を営む企業等を積極的に誘致することが、本市の産業振興に繋がることから、以下の特性・強みを活かして、企業立地促進法(通称)に基づく企業誘致を行っていきます。

高速交通体系が充実していること。
物流機能が充実している国際航路を有する港湾・空港に近接していること。
電気、ガス、水道、通信等のインフラが整備されていること。
高度電子機械産業の核となる企業が立地していること。
高い学術研究機能を有する工学系の大学が地元に立地していること。
鉄道・バス等の交通インフラが整備され、居住環境が充実していること。
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更に検索を続ける。多賀城市のホームページには個別企業に関する情報は見あたらなかった。現在の上記のソニー事業所はソニーケミカル&インフォメーションデバイス多賀城事業所(宮城県多賀城市)らしい。ようやくそのホームページurl=http://www.sonycid.jp/にたどり着いた。このホームページの沿革に目を通すと、ソニーの録音機、ウオークマン等ソニーの事業を牽引した商品の基本的な部分に磁気部品があったと改めて気付いた。更にそのルーツを辿れば、東北大学の本多光太郎等の磁気研究にも遡るのかもしれない。出張の目的はほとんど忘れてしまった。多分磁気製品に使う周辺集積回路の開発の打合せではなかったかと思う。具体的に差し迫ったテーマではなかたのかもしれない。たぶん、コスト的・技術的には難しい課題でもあったと思う。しかし、チャレンジに値する課題だったろう。お互い、技術者同志がブレーンストーミングのような話し合いをしたように思う。従って、その打合せは具体的なビジネスにつながらなかったが、技術者同志の息が合うところに仕事の種が芽生えるのも事実であろう。たった一回だけの訪問であったが、先方はかなりのお偉かたも含めて大勢で会合に臨んでくれた。地図検索で、多賀城事業所は仙台湾に注ぐ、砂押川の近くにあった。津波の影響を大きく受けそうな地点であった。多賀城市の被災者人口は約15,000人 との事。ソニーケミカル&インフォメーションデバイス多賀城事業所は多賀城市を牽引する産業の一つであろう。早期の復興を切に願う。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:世話になったな

歌題=世話になったな:

■ベッドにて 夫の記せし メモ帳の 端に一行 先に逝くなと 9 安藤 君江

夫を送った後の心のさまを詠いきることは不可能であろう。数々の思い出が心の空白を埋めてくれるようだ。

2011年4月 8日 (金)

永遠のアナログTV:身体で覚えたアナログ技術

2011/4/8
夜大きな地震があった。ラジオニュースによれば、東北地方太平洋沖地震の余震との事だ。以下は気象庁発表:「07日23時32分頃地震がありました。震源地は宮城県沖 ( 北緯38.2度、東経142.0度、牡鹿半島の東40km付近)で震源の深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は7.4と推定されます。」深夜だったが、なにか地震慣れしている事に気付いた。福島第一原子力発電所原発1号機への窒素注入は始まっている。放射能汚染水の海洋投棄も続行。朝日:(url=http://www.asahi.com/politics/update/0407/TKY201104070526.html)は「被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県」の地デジ移行を延期すると伝えていた。

昨日の天気

TAVE= 13.1
TMAX= 20.4
TMIN= 6.2
DIFF= 14.2
WMAX= 3.1
SUNS= 5.3
RAIN= 0

永遠のアナログTV:身体で覚えたアナログ技術

東北地方太平洋沖地震とそれに付随して発生した大津波の災害を東日本大震災と呼ぶことが正式にきまったらしい。最近、東北地方の都市のホームページがどのような震災の名称を使っているのか幾つか覗いてみた。「東日本大震災」と呼ぶより、「東北地方太平洋沖地震」という地震の名前と併用している場合が多いように感じた。辞書によると東日本とは東北と関東、場合によると北海道も含めるとある。しかし、東日本大震災の被害の実態はやはり東北地方が圧倒的に大きいのではないかとおもう。自分は言葉にこだわりすぎるのか、自分がある言葉に持つイメージと異なるイメージで使われるとどうも良い感じがしない。その点では東日本大震災も違和感があった。ところが、原発の放射能汚染で群馬県のホウレンソウ、カキナまで被害が及ぶと仕方ないのかなとも思う。しかし、農産物が被る被害は天災というより人災ではないかとなんとも割り切れない気分のままだ。東北地方の人々は「東北地方」という言葉に自分の故郷を重ね、自己のアイデンティティを強く感じるだろう。そのアイデンティを大切にして復興に向けて頑張ってもらいたい。

東北地方太平洋沖地震の発生以前は、我が家のアナログテレビにはいつもうっとうしく「お宅のテレビはアナログテレビです。はやく地デジにかえて下さい。」という表示がでていたが、最近その枠には何も出ていない。やはり、どんな商品でも生まれてきたからにはその寿命を全うしてもらって使えなくなってからこの世から姿を消してもらいたいと思っている。

自分が技術者として生きた時代はアナログ技術の全盛の時代であったとおもう。主にTV関係の集積回路の開発に従事してきた。その時の体験や失敗を「アナログいろはカルタ」という形にまとめた。それを読み直してみると、アナログ技術の多くがカラーテレビの中に使われていることを改めて実感した。仕事もカット&トライで身体で学んだ部分が多かった。そんなわけで、アナログテレビ放送が終焉するという事には何となく自分の時代も一段と遠くなるように感じている。

デジタルテレビの時代になったが、テレビの基本技術にはほとんど変化はない。日本では戦前に浜松高専の高柳健次郎がイロハのイの電送に成功したのがテレビの歴史のスタートとなった。自分が入社した頃は真空管TVがトランジスタTVに代わる頃で、他社のトランジスタを自社のトランジスタに差し替える仕事等もさせられた。半導体も農業に喩えられ、天気により歩留まりが変わったという話も聞いたことがある。

1967年に自社の最初のTV-VIF集積回路の開発に着手したのが自分の上司で、内蔵部品点数はわずか8個であった。その後、1968年に発表された米国モトローラ社製品のセカンドソース品の開発を自分が担当した。内蔵部品点数は81個だった。この頃は、集積回路の経験者もいないので開発手法と言えばリバースエンジニアリング、別名デッドコピーに近かった。福島第一原子力発電所原発第1号機も同じような状況からGE社の製品をベースに国産化されたようだ。それにしても産業用の大型製品の寿命の長さには驚く。民生用部品では生産終了後約10年間のスペア部品の在庫が求められるが製品寿命が比較的短いので集積回路の寿命も余り長くはないのが多い。ASSPとして用途が限定されているのも日本の半導体の特徴であった。しかし、汎用品では数十年の製品寿命を持つ集積回路もある。その後は集積度を向上させチップ数の削減が大きな流れになり、1978年に308素子を内蔵したVIF-ICの開発を最後に信号系の集積回路の開発から離れた。

TV用信号系集積回路の生産数はVTRにも使われて急増した。累計の生産量を集計した事はないが、数千万個から億単位になるのではないかと思う。そんな事を回想しつつ、「アナログいろはカルタ」というカテゴリー名を「永遠のアナログTV」に変更した。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:むらさきを帯ぶ

歌題=むらさきを帯ぶ:

■耐ふるとは 吾のみならず 迫(せり)出して 今か落ちなむ 大屋根の雪 7 阿部 美代子

大屋根の雪のように大きな力に耐えているのは自分だけではないと自分を励ましている歌。

追記:「今か落ちなむ 大屋根の雪」をもう少し踏み込んで読むと、雪の積もった厚さ・重さ・屋根の傾斜・雪解けのようす等にもかかわらず、落ちないよう落ちないよう踏ん張って耐えている姿が目に浮かんできた。今読み直すと作者の実生活が詠み込まれた歌だった。歌も心の支えになっているのだと再確認した。この作者から生前の母宛に新しく出版された歌集が送られてきた事があった。以下はその時作った歌。この中の一首を添えて母に代わってお礼の手紙を出した事を思い出した。

■片時に 人生分け合い 歌詠みし 友にしあれば 不思議なる縁
■つむぎたる 歌の軌跡は 果てしなし 大空巡る 飛行機雲か
■寄せ返す 波の記憶よ 同人の 歌集を解せぬ 母とはなりぬ

2011年4月 7日 (木)

技術断想:福島原発破局回避のシナリオ(原発谷側に巨大な貯水池を作れ)

2011/4/7
昨日はスギ花粉が良く飛びそうな天気であった。花粉症は眼の痒みと軽い鼻水が出るが何とか我慢できるレベルで推移している。憂鬱さが増しているのは福島第一原子力発電所の事故の行方。事態は刻々と悪い方向に進んでいるようだが、桜の開花のニュースが流れたりしてどこかうきうきした雰囲気も出ている。一方、茨城県沿岸の漁は海の放射能汚染で中止され、漁民の怒りは頂点に達している。東京電力の会長はマニュアル通りに頭を下げているだけに見えて、漁民の怒りは沈痛に変わっているかのようだ。東京電力社長の動きは何一つ見えない。この、重要な事態に人的組織が機能しないのだから、社長は自ら退く決断をすべき時ではないか。経営幹部全体の見識が疑われる事態でもある。

昨日の天気

TAVE= 12.7
TMAX= 21.5
TMIN= 3.5
DIFF= 18
WMAX= 4.1
SUNS= 12
RAIN= 0

技術断想:福島原発破局回避のシナリオ(原発谷側に巨大な貯水池を作れ)

本当の恐怖が見えない。後ろから恐怖という巨人が駆け足で迫ってくるようでもはや逃げようとしても足がすくんで、逃げ切れないのではという気持になってしまいそうな毎日である。震災・津波・原発の被害のない地域でも滅入りそうな日々だ。被災地の更に厳しい状況が思いやられる。原子力安全保安院が第21回原子力安全委員会の第1号資料(平成23年4月4日)に福島第一原子力発電所1号機の炉圧(紫色の線)が上昇しているグラフがあった。それを以下に示す。
1f1_roatsu

「東京電力は6日、福島第一原子力発電所1号機の格納容器で水素爆発が起きるのを防ぐため、格納容器内への窒素ガス注入を同日中に始めると発表した。
(YOMIURI ONLINE:2011年4月6日22時02分  読売新聞:url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110406-OYT1T00986.htm)」この時点ではまだ東京電力のホームページには、この情報は掲載されていない。窒素ガス注入に関しては、既に4月1日に情報が流れている。数日にしろ、数時間にしろ、数分にしろ、情報を発信した時刻が発信側の意識を示すのではないか。東京電力は情報発信を報道機関に丸投げしているのであろうか。原子炉内では、強い放射線により、水(多分高温の水蒸気になっているのだろが)が分解して水素が発生する。原子力安全保安院が示した炉圧はそれを示しているのではないか。原子炉格納容器は強力な放射線物質の外部環境への拡散を防止する最後の砦である。ここまで、危機が及んできたのが現実ではないか。

既に炉心は損傷を受けている。炉心の抜本的な冷却は遅々として進んでいない。更に原子炉に海水を注入したのでその塩分の悪影響を懸念する海外情報もある。塩分が炉内に沈着して悪影響の原因になる可能性もあるようだ。最終的には塩分を除去することはもはや不可能な事態になるかも知れない。強レベルの放射能汚染水はいずれ溢れるだけしか保管容量はない。今こそ、次善の策としての発想転換が必要なのではないか。

福島第一原子力発電所の抜本的な危機突破策を考えてみた。福島第一原子力発電所の立地する地形を色々調べてみると(福島第一原子力発電所:「出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2011年4月6日 (水) 06:20 )」)、原発は海抜30m程度の高台にあるようだ。要は与えられた条件を最大限に使えないかという点。その結論は、日本中の重機を集め、原発のある緩斜面の土砂を掘り、残土で低地側に高台と同じ高さの堤防を築けば、巨大な貯水池兼冷却装置となる。ここに、貯水池が出来次第次々に放射能汚染水を貯水して時間稼ぎをしながら、原発の冷却をする。最終的には、貯水分を巡回式にして精製再利用して、放射能汚染水の総量を削減する。現存の原発プラント能力だけでは破局のシナリオしか見えない。

新しい、原発暴走阻止兼放射能汚染防止プラントを日本の産業界の総力で作らなければ日本の最大危機突破のシナリオは見えないであろう。当然貯水池は放射能漏れの対策を施す。時間との戦いであるが、これは壮大なコンカレントエンジニアリングの実験にもなる。ちなみに、コンカレントエンジニアリングは半導体集積回路の開発などでも行いつつあった。目的と司令塔と役割分担を明確にしてプロジェクトを管理すれば不可能な事ではない。

波志江沼環ふれあい公園の沼の貯水量を推定してみた事があったが、数万トンから十数万トンと思われる(06A_波志江沼環境ふれあい公園:http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/HASHIE_NUMA.html)。水深が深くとれれば貯水池は小さくできる。要は貯水池の面積と深さである。素人の発想で、バカを承知で考えてみた。

二宮尊徳が、家を川に流して堰を作ったという逸話を思いだした(「二宮尊徳」(岩波新書:奈良本辰也著))。また、読みかじりの記:二宮尊徳の仕法と仕分(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/11/post-37c9.html)で仕法と仕分けについて書いたが、制御理論的に考えると仕分けはフィードバック系、仕法はフィードフォワード系になるのではないか。フィードバック系はシステムのアウトプットをインプットにして制御するので制御に遅れが生じる欠点がある。その適例が乱調や発振現象である。なにか今日の事態に似ている気もする。フィードフォワード系は先を見越して制御をかける。フィードバック系では能力が決定的に欠ける場面でいくら努力しても結果は見えている。うまく行くのは偶然の天恵や奇跡を待つ以外にない。フィードフォワード系ではその能力の限界を見越して制御をかけるという事になる。最大の課題は破局か破局の回避かだ。目的は破局の回避しかない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:赤きまたたき

歌題=赤きまたたき:

■真夜の海に 語りゐるがに 原発の 赤きまたたき 闇に浮きをり 34 木村 あい子

原子炉の中を直接覗く事は出来ないが、それを想像で見てしまう迫力。

追記:この、「赤きまたたき」の項は以前の書きためで、上記の技術断想の項とは別に書いたが、偶然に「原発」という主題が一致した。原発が放射能を出さずにエネルギーだけを生んでくれる金の卵なら文芸と科学と技術は共存できたように思われるが、放射能とエネルギーは表裏一体でもある。福島第一原子力発電所の炉心が溶解して一瞬でも赤きまたたきを放たないよう願うばかりだ。

2011年4月 6日 (水)

東北の海よ:大量の放射能汚染水を公海へ投棄するに大義はありや

2011/4/6
昨日は寒暖の差が大きく、スギ花粉の飛散は非常に多いとの予報であった。外出ついでに幾つかの店をまわった。乾電池は店により並べている数量が違うが、不便をしない程度に供給されている。開店・閉店時間を変えたり、照明を間引いたりと色々節電対策を工夫して実施している。電気店をまわると、LED電球の値段もこなれてきているので、試しに60W型を1個購入した。白熱電球の場合は大体定格が決まっているので選択の余地が余り無いが、LED電球の場合(かっこ内は買ったLED電球の定格 )は明るさのルーメン値(350lm)、消費電力(4.6W)、光色(昼白色)等微妙に異なるので選択に困った。節電が目的なので、そこそこ明るく、消費電力が小さいのを選んだ。寿命が40000時間とある。当分電球交換はしなくても済みそうだ。福島第一原子力発電所のピットからの放射能汚染水漏れは、水ガラスという物質を使って海への流出防止効果があったようだ。一方、放射能汚染水の海洋への拡散で、小女子から放射能が検出され販売不能になり、漁民への影響が一挙に拡大した。残念ながら、抜本的な対策はまだ無い。

昨日の天気

TAVE= 9.3
TMAX= 18.2
TMIN= -0.4
DIFF= 18.6
WMAX= 2.6
SUNS= 12.3
RAIN= 0

東北の海よ:大量の放射能汚染水を公海へ投棄するに大義はありや

福島第一原子力発電所のピットから漏れ出る放射能汚染水の流出防止対策が失敗に終わった直後に、今後高濃度の放射能汚染水保管場所がないからという理由で、東京電力は今まで専用施設で保管されていた低濃度の放射能汚染水を公海に大量投棄を始めた。ピットからの流出は目先は原因不明で不可避の部分がある。しかし、管理された危険物容器からの投棄は確信犯に近く、その落差は限りなく大きい。直前までの対策が、後続の行動を正当化する煙幕のように見えてしまう。しかし、これは二度と帰れない道に踏み出した事でもあろう。今日は高度の情報化社会である。日本で進んでいる事態は世界がリアルタイムで見ている。おなじ事をやるのにもやり方があるだろう。太平洋戦争・真珠湾攻撃に関しては宣戦布告無き開戦として日本は永久的な不名誉を背負うことになった。闇討ちを潔しとする国も国民もいないだろう。東京電力が先行して投棄をした事にして、政府はそれを追認するだけでは、日本という国家の国際社会での信用は得られないのではないか。公海への放射能汚染水の投棄を開始する前に政府が自己の責任の元でその事実を公表し、その大義を明らかにして、国際社会の理解を得るべきではなかったか。それは、島国、海洋国日本の最低の義務ではないのか。政府がそういう行動をとれば、漁民もギリギリ納得せざるを得ないだろう。今の状況では漁民の怒りは募るばかりであろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:春の息吹き

歌題=春の息吹き:

■奥津城を 払えば漢詩の 浮きたちて うるむ彼方に 夫立ちまする 5 朝倉 紀子

色々な事を思い出させる漢詩を通し情感を抑え、挽歌として一層深みを増している。

2011年4月 5日 (火)

東北の海よ:海に漏れた放射能は拡散するので問題ないと言ったのは誰だ

2011/4/5
苗に灌水。庭の一株だけのユキヤナギに白い花が咲いている。あちこちに植えたユキヤナギの株はこの株から根分けした物だ。この株がルーツだ。この株だけは最後まで残しておこうと思っている。東京電力は昨日、低濃度の放射能汚染水を大量に海洋投棄すると発表した。即日実施された筈である。東京電力のホームページにはその旨の情報があったが、原子力安全保安院のホームページには関連情報はなかった。こんな重要な情報を即刻開示しないのは極めて悪質である。ニュースが流す情報と当局が公表する公知は責任の所在が根本的に異なる筈だ。気になる4/4 の3号機の状況:7立米/H、燃領域A=-1800mm、燃領域B=-2250mm。

昨日の天気

TAVE= 6.8
TMAX= 11.6
TMIN= 1.8
DIFF= 9.8
WMAX= 9
SUNS= 12.2
RAIN= 0

東北の海よ:海に漏れた放射能は拡散するので問題ないと言ったのは誰だ

東北関東大震災により、広範囲の農地も津波で海水を被り、塩害で農作物の栽培が不可能になっている。これから、稲作の準備も始まる頃だがもう当分無理であろう。一方、海は平常の姿に戻っているようだ。津波で多くの船を失ったが、漁業が受ける打撃は、海さえあれば取り返せるというような話がラジオに流れていた。しかし、そのためには放射能がなくきれいで安全な海が必要なのだ。3月末頃か、福島第一原子力発電所のトレンチという地下抗から放射能を含んだ水が海へ流出している事が発覚した。その時の当局のコメントは、放射能が海に拡散すればその濃度も薄くなり危険でないというような内容だと記憶している。

今度は、ピットというコンクリート抗の亀裂から高濃度の放射能が直接海に流出していることが明らかになった。

YOMIURI ONLINE(2011年4月4日03時36分  読売新聞 url=http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110404-OYT1T00091.htm)によると、

「同原発を中心とした太平洋岸沖合約30キロ・メートルの5地点で今月1日に採取した海水の表層」だけでなく「水深113~160メートルからの採取」した海水からも検出されているので、相当広範囲に放射能が拡散している実態が暴かれたことになる。しかも、それを応急的に止めることも出来ていない。

一方、YOMIURI ONLINE(2011年4月4日03時08分  読売新聞 url=http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110404-OYT1T00076.htm?from=main1)によると、

「電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず:
東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。」という記事もあった。いわば、今回の原発事故は予め問題点が指摘されていてその対策が為されていなかったという人災でもあることが示された。

しかし、隠し事をしてもはや責任がとれなくなった時点になって、尻まくりして玉砕するというパターンがいつまで続くのか。日本の将来をそういう無責任体制が握っているとなると国民の失望は尽きない。

ところで、ピットから高濃度の放射能を帯びた水が海に流れ出すのも基本はサイフォンの原理と同じで、流出源の水位がピットの水位と同じになるまで続くのではないか。ピットからの流出を止めれば、どこか他に注入した分の汚染水がたまるか流出する。まさにジレンマそのものである。しかし、海という世界の人々につながる海水に放射能を垂れ流すとこは絶対に避けなければならないだろう。ともかく、目先の対策としては原子炉からピットに至る経路のどこかで汚染水を遮断しなければならない。以前コンクリート桶の水漏れを考えたとき、薄いビニールシートで亀裂部をカバーすると水圧で不十分ながらある程度は止水はできた。ゆっくり硬化するヘドロ状の物質を流し亀裂に目詰まりを起こさせるというような方法も可能ではないかとも考えてみた。速効ではないが大きい粒子から小さい粒子へと変えて目詰まりを促進するとか。ともかく、どこに亀裂があるのか不明ならば、水圧の差を利用しない手はないだろう。報道された新聞紙とおがくづと高分子ポリマーはどういう物性を持ち、どういう物理的条件の元に使われたのかについてはその理由が見えない。何か、やぶ蛇的な対策に見えてしまう。

追記:自然には保存則という大原則がある。物の出入りの収支は常にゼロである。原子炉に注入した水も、入れた分からどこかに溜まった分を引いた物が出た分になる。物を貯める容器には限界がある。従って、放射能に汚染された水があふれ出すのも当局者は先刻承知していた筈である。抜本的でない先延ばし対策の連鎖を源流に向けて辿って行くと、結局初動対策の不手際に突き当たる。後手後手の対策は抜本対策をする貴重な時間を次々に食いつぶして来たのが実態ではないか。最悪こうなるというシナリオが公知されていれば、それに対する覚悟は定まるが、土壇場で、寝耳に水のような扱いをされると当局への不信感は爆発してしまうだろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:別れとは

歌題=別れとは:

■別れとは つね流れいる 時なかの 我のみにある 一つの区切り 23 大石 敏子

幾つもの別れにあい、それを自分なりに鎮魂の歌として詠った。

2011年4月 4日 (月)

東北の海よ:哲学者・梅原猛さんの思い

2011/4/4
寒暖の差が大きい。しかし、周囲を見渡すと色々な花が咲き出している。白い花が咲く高木がハクモクレン(6弁)と思っていたが、朴(9弁)の花だったようだ。

原子力安全保安院の福島第一原子力発電所3号機の4/3の水位(流量=8立米/h):燃領域A=-1850mm、燃領域B=-2250mm。4/2の水位と同じだ。淡水注入中なので水位が安定しているのか。水位計が故障しているような事はあってはならない筈だが、mm単位でぴったり1日間一定に制御出来るのだろうか。ちなみに3/31のデータは(流量=116l/min=6960l/h)燃領域A=-1900mm、燃領域B=-2300mm。流量単位を変更している。このデータを見ると、原子炉内の水はほぼ一定なので、注入した水とほぼ同量が、湯か水蒸気になって原子炉外に漏れている事にならないだろうか。ただデータを並べるだけでなく、そのデータが何を語っているか解説して頂きたい。

昨日の天気

TAVE= 7.5
TMAX= 13
TMIN= 4
DIFF= 9
WMAX= 9
SUNS= 5.3
RAIN= 0

東北の海よ:哲学者・梅原猛さんの思い

『特集ワイド:巨大地震の衝撃・日本よ! 哲学者・梅原猛さん

 ◇1000年先を見なければ--梅原猛さん(86)
 「ちょうど新幹線が青森まで延びて、東北に光が当たりだした、まさにそんなときでしたからなあ……」。梅原猛さんの顔は憂いを帯びていた。この3月20日で86歳になったばかり。京都の「哲学の道」近くの自宅は祝いの花かごであふれながらも、マグニチュード9・0の巨大地震は遠く離れた古都の哲学者の心を大きく揺さぶっていた。』云々という記事(url=http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110401dde018040091000c.html)をWEBで読んだ。

梅原猛は異色な哲学者で、観念より情念で対象に迫るようなので、つい引き込まれて読んでしまう作品が多い。時には、迫る対象になりきっているように感じる時もある。やはり、それほど真剣に対象に迫らない限り、対象が訴えようとするかすかな声は聞こえて来ないのではないかと思った。以前、幼少にして実母と死別し、養父母に育てられたという生い立ちを知った。上記の記事で、その実母の出身地が宮城県石巻市で、網元であったと述べている。本文を読むと、梅原猛の水脈のなかに母親を通した東北の血が流れているような感じがする。文末の「一段落したら行きたいね。ぜひ。たとえ無残な姿をさらしていても、わが母なる東北だから。そう、菅直人首相にも会いたい。利他の心を持った文化国家・日本にせよ、と」いう言葉が印象に残る。これは、【鈴木琢磨】の署名記事である。文中には、「もっときっぱり「反原発」の旗を高く掲げるべきだったと苦渋の告白が続く。」という部分もある。きっと、被災者への励ましを込めて書いた記事に違いない。話す人、聞く人の位相がうまく合っていると思う。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:いのちと言うを

歌題=いのちと言うを:

■又の世の ありなば吾は 吾なるや 吾が身抱きしめ 今宵ねむらん 16 石坂 國子

何か自己を照射するようなユニークで哲学的な歌だが、現実的でもある。

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    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
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    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
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