ヤエムグラ:いとしきもの
2010/5/27
ヤエムグラ
小さなトゲがある蔓草。葎(むぐら)とは雑草の総称と辞書にあった。自分だけではなく、農業
には雑草との戦いが延々と続いている。従って、雑草への対処も際限なくある。雑草に名前
があると知っていたが、これがヤエムグラだと知ったのはいつの事であろうか。つい最近の
ようでもある。葎(むぐら)とは雑草の総称であると知ったのはたった今の辞書を引いての事
だ。雑草というコトバに比べるとなんとなく親しみを感じる。百人一首に「八重むぐら しげれる
宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」という一首があるが、やはり、ここは雑草で
は歌の風情が伝わらない。葎はいやな物かもしれないがなるに任せているという一面が見え
る。ヤエムグラは小さい時はついつい見過ごしてしまうが、成長を始めると作物の上にはい
上がろうと急速に成長する。これが、蔓草のDNAなのかもしれない。普通、植物は日光に向
かって伸びるが蔓草は日陰に向かって伸びる時期がある。日陰を作るもの即ちはい上がれ
る土台を求める習性なのかも知れない。首尾良く土台にたどり着けるとようやく我が世の春と
なる。トゲがあるので軍手などにへばりついて始末が悪い。そういう時はゴム手袋が便利だ。
根本を探ってそこを引き抜くのが基本なのだが、ついつい上の方を相手にしてしまう。つる草
としては、トゲも葉も小さく、あまり強勢ではないので実害は少なく素性は良い方だ。一~二
年草で確実に駆除すれば絶滅する筈だが、そこまで手が回らない。最近は引き抜いた雑草
は他の雑草の上に敷いて雑草マルチに流用している。雑草は見方を変えれば有機資材でも
ある。雑草とも適当に共存しなければやりきれないのが実状だ。