« 2011年1月 | メイン | 2011年3月 »

2011年2月

2011年2月28日 (月)

雑草句録:戦力外

2011/2/28
昨日はのどかな春のような天気。もう降霜も心配ないのか。昨年は3月9日に降雪があった。まだ油断できない。昨年の遅雪では、雪の重さで柑橘樹の枝が股裂きになってしまった。上部の枝は切り落とし軽くして枝同志を結束し、裂けた幹部は太い針金を巻き付けて固定した。その後約1年経過して、股裂き部分も癒合して何とか助かった。裂け目が乾燥しない内に処置したのがよかったのだと思う。図らずも、幹が1年でどの位生長するか、植物の生命力も実感できた。以下その写真。

Kaifuku_1_year

昨日の天気

TAVE= 8.2
TMAX= 15.1
TMIN= -0.9
DIFF= 16
WMAX= 3
SUNS= 9.4
RAIN= 0

雑草句録:戦力外

■春雪をじっとこらえる戦力外

もうこれ以上雪は降るまいと思えれば春雪も堪え忍べる。ところが、戦力外は人生の冬の始まりだ。

○難波津や田螺の蓋も冬ごもり     芭蕉

Google検索:約 100 件。この句に関しては伊藤 洋氏のホームページの芭蕉DBに興味ある記事があった。戦力外⇒冬というイメージの連鎖からこのホームページに来た。職業的俳諧師を志し大坂に進出した門弟の洒堂へ贈った句との事。幼少の頃はタニシをゆでて醤油で煮たりして食べた記憶がある。タニシは水田に棲息していたので、水のない冬はどうしているのかと何となく気になっていた。蓋をぴったりと閉めて寒さと乾燥に耐えたのだろう。芭蕉は冬の辛い時の戒めをこの句に込めたようだ。田舎の人物が都会に出て、そこで同門の人物と張り合う。芭蕉はその調停に大阪に向かいそこで客死したとはなんという因縁か。

■冬眠も死んだ真似さえ生きる知恵

2011年2月27日 (日)

雑草句録:花粉

2011/2/27
昨日の天気

TAVE= 6.1
TMAX= 12.2
TMIN= 1.9
DIFF= 10.3
WMAX= 8
SUNS= 10.5
RAIN= 0

以下本題。

雑草句録:花粉

■花粉飛ぶその記事読んで鼻ムズル

一種の条件反射?

○雲を根に富士は杉形の茂りかな     芭蕉

富士山の高さを杉の大木で表現した。

■杉不変人が変わって花粉症

2011年2月26日 (土)

読みかじりの記:風の男 白州次郎(2000年 青柳 恵介 著)

2011/2/26
気象庁は関東地方に春一番が吹いたと発表。昼間は気温が上がったが、夜は強い北西の風が吹いた。

昨日の天気

TAVE= 9.8
TMAX= 21.2
TMIN= 3.6
DIFF= 17.6
WMAX= 12
SUNS= 9.8
RAIN= 0

以下本題。

読みかじりの記:風の男 白州次郎(2000年 青柳 恵介 著)
最初は私家本として平成2年に出版された白州次郎の伝記のような本である。白州正子の「名人は危うきに遊ぶ」という新潮社の文庫本と一緒に買った。白州次郎という人物には余り馴染みがなかったが、白州正子の名前に惹かれてまとめ買いした。一読して、印象に残った部分は『次郎はトムソンの試験を受ける際、十分に勉強してのぞんだが、返ってきた答案の点数は低く、「きみの答案には、君自身の考えが一つもない。」と記してあった。そこで、次ぎの試験の際には存分に自分の意見を書いたら、評価が高かったという。』この部分は徳川家康の直系の子孫で白州次郎と交流のあった徳川家広からの伝聞らしい。ここで、トムソンとはイギリスのケンブリッジ大学教授で物理学者のJ.J.トムソンの事。白州次郎がケンブリッジ大学に留学したときの一こまである。J.J.トムソンは電子というものが存在することを証明してノーベル賞を受賞した。20世紀は電子技術が広範囲に実用化した時代でもあった。白州次郎がイギリスでJ.J.トムソンから講義を受けていたと知っただけでも白州次郎を理解しようとする興味を覚えた。自分独自のしっかりした考えを持つ、ケンブリッジ大学を卒業した紳士としての誇りを持つというような青年期の体験がその後の白州次郎のバックボーンになっているように感じた一節であった。白州次郎が活躍した終戦前後の場面に登場する人物も多彩であり、戦前・戦後にわたる昭和という時代を具体的にイメージするにも本書は参考になった。特に、日本国憲法の成立過程でGHQと日本政府の交渉の間で活動した白州次郎も歴史の理解で参考になった。この本は当時の上流階級についても記されているが、白州次郎はその上流階級のノブレス・オブリージュという側面を意識して行動できた人物なのかもしれない。

ジョゼフ・ジョン・トムソン:出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2011年2月13日 (日) 08:09 )によると「サー・ジョゼフ・ジョン・トムソン(Sir Joseph John Thomson, 1856年12月18日-1940年8月30日)は、イギリスの物理学者。しばしばJ.J.トムソンと呼ばれる。電子と同位体の発見者であり、質量分析器の発明者である。1906年に電子の発見と気体の電気伝導に関する研究でノーベル物理学賞を受賞した。」

2011年2月25日 (金)

雑草句録:花粉

2011/2/25
昨日の天気

TAVE= 8.1
TMAX= 13.6
TMIN= 3.2
DIFF= 10.4
WMAX= 2
SUNS= 4.7
RAIN= 0

以下本題。

雑草句録:花粉

■昼休み花粉気にして散歩する

会社の昼休み時間は短く、大抵は屋内で過ごしていた。そんな習慣を破って、昼休みに屋外に出て散歩した記憶が残っている。春が近くなってきた頃だ。

○松杉をほめてや風のかをる音     芭蕉

Google検索:約 172 件。花粉気にしてとは杉花粉の事。芭蕉の時代に花粉症は無かったろうと思いつつ、杉が出てくる句を検索したが余り多くない。松はさまになるが、杉は格が下がるのか。この句は、「藤原定家の歌「頼むかなその名も知らぬ深山木<みやまぎ>に知る人得たる松と杉とを」(『拾遺愚草』)を引いて作った句。」との事だ。死の年、元禄7年夏、京都嵯峨の落柿舎滞在中の作とされる。藤原定家のゆかりの地とも関係するようだ。こういう前提とする歌や故事を知る人も無くなると連想も働かなくなりそうだ。藤原定家の歌に戻って理解する必要がある。山奥に繁る木々の名前を知る人は少ない。しかし、それが松の木だ、杉の木だと名前を知っている人が、居て欲しい物だと、本当は誰かに知ってもらいたいと思っていたのだろうが、藤原定家が自分の心を松や杉に託したのだろうか。そいう故事を思い出すと、今、松杉に、かすかに吹き渡る風の音を感じる芭蕉自身が藤原定家になった気分のようになってこの句を作ったのではないかと思ってしまう。

■猛暑来て我が家の杉も花準備

たまたま我が家の杉の葉を取ると杉の実らしき物が着いていた。昔、杉鉄砲を作って飛ばしたのを杉の実と思っていたが、どうもそれは杉の雄花のようだ。これが花粉を飛ばすのか。取った杉の葉には、別に松かさを小さくしたような物が着いていた。本当に杉も実が出来るのはこの雌花の方だろう。杉が雌雄異花と知ったのはその時であり、年に合わないが発見にうきうきした。

追記:記憶は重複する事により強化されるのか。世の中の動きを記憶に焼き付ける意欲もかき立てられない現実。ともかくあちこちに渦が巻いている。その渦中の人が一首残すだけの余裕があれば少し事態が冷静に見られて、その一首にメッセージを託す事も可能なのではないかと思う。金にまみれて、知らぬ間に精神の貧困を招いている現実。振り返ると、会社の昼休みは30分余と短かった。その大きな理由は、昭和40年代としては珍しい週休二日制にあったと思う。総労働時間を確保しつつ労働日を週一日短縮した。始業時間も一般の会社より早かった。世間の動向で若干の変更はあったと思うが、基本的な勤務体制は変わらなかったと思う。後にフレックスタイム制も導入されたが、休み時間の枠組み等は大きな変更はなかったと思う。入社当時は、昼休みになると、数分で飯を食べ、その後早打ち将棋を一局指すという人もいて、そのバイタリティに感心した記憶がある。当時は、がつがつ食い一所懸命働けば何とかなるという楽観的な世相もあったようだ。

2011年2月24日 (木)

雑草句録:出勤

2011/2/24
昔は家の周辺に色々な樹木を植えていた。防風のため家の西側に樫の木の高い生け垣を作り、かしぐねと呼んでいた。このかしぐねも撤去された物が多いが、まだ一部残っている家もある。我が家には10本前後の杉の木が家の西側に多分暴風防風を兼ねて植えられており、この木になった杉の実で杉鉄砲を作って遊んだ記憶がある。しかし、この杉の木は昭和30年代に切られて、家を建てる木材にされてなくなってしまった。当時は用材として使う目的もあったようだ。その後、どこからか種子が飛んできたのか父が再度植えたのか定かではないが、裏庭に3本の杉の木が育っている。ほとんど無用の代物だが、杉の落ち葉は年一回の餅つきの時の竈のたき付けになっている。最近杉の木を眺めてみると葉の色が少し黄ばんでいる。葉が落ちて、新しい葉に更新するのだろうか。低いところの杉の枝を折って様子を見ると、なんと葉の先に沢山の雄花を付けていた。昨年の雌花はあったが落ちてしまい、今年の雌花は付いていなかった。陽が当たる条件が良い高所の枝についているのかも知れない。スギ花粉はどこから飛んでくるのかと思っていたが、自分の家にもその発生源があった。写真の様子からまだ花粉を飛ばしていないようだ。
追記:昨日よりマスク着用して外の仕事。少々眼の痒みと鼻水があるが花粉症の症状なのか?

Sugi_flwr

昨日の天気

TAVE= 6.8
TMAX= 11.7
TMIN= 0.4
DIFF= 11.3
WMAX= 3
SUNS= 9.6
RAIN= 0

以下本題。

雑草句録:出勤

■パリパリと氷を踏んで出勤す

凍結した氷を割りながら進む。

○瓶割るる夜の氷の寝覚め哉     芭蕉

氷の膨張で瓶が割れる音がして目が覚める。それ程の寒さ。厳冬と言えるだろう。

■熱湯を注ぎ動かす井戸ポンプ

2011年2月23日 (水)

雑草句録:エリマキ

2011/2/23
最高気温は上昇している。今年は天気の推移と花粉の飛散に注目してみたい。

昨日の天気

TAVE= 5.2
TMAX= 12.9
TMIN= -1.7
DIFF= 14.6
WMAX= 3
SUNS= 10.5
RAIN= 0

以下本題。

■100円のエリマキなれどありがたし

冬は外観より防寒。

○乾鮭も空也の痩も寒の中     芭蕉

音と語とその連結イメージで芭蕉最高傑作の一つとの事。基調は寒さ。

■幼き日足袋と半纏二本ばな

追記:百円ショップで先行したダイソーは、当初代金精算の時、点数だけでレジの計算をしていたと思う。最近は均一価格ではなく、高価な物も売っている。物によっては一般店の方が安い商品もある。経営戦略を高付加価値化に舵を切ったようだ。当然、レジシステムも変更になり、レシートには商品情報が細かく記載されるようになっている。昨年、山崎パンも扱い始めたとダイソーの店頭に張り紙が出ていた。コンビニショップに変身して行くのか。しかし、百均で頑張る店もある。消費者がどちらを選ぶかである。びっくりしたのはYAMADAデンキ。相当広いフロアに本を並べていた。店員に聞くと、5%のポイントが付くからお得ですよとの事。実質の値引き販売である。書籍の価格は再販制度に守られている。本の値段表示は、業界方針なのか本体価格と消費税額を分けて表記している。出版業界にとっては本の値段は聖域な筈だ。出版業界と家電業界と書店業界の関係は今後どうなるのか。結局、大店舗化で小さな店は消えてしまったのが現実である。人体に例えれば毛細管が切れてしまった状態だ。それでは血液の流通が止まり組織は壊死してしまう。消費者は大型店に行く必然性はない。必要な物が、適正・納得できる価格で買えればよいのではないか。小売業の将来を推測すると分散化した総合サービス業の姿が浮かんでくる。

2011年2月22日 (火)

読みかじりの記:花粉症 こんな撃退法があったのか(1991年 坂本吉朗 、増田 豊、越智 康仁 著)

2011/3/22
午前中は両毛三山も霞がかかったようで、春のようなうららかさが感じられた。

昨日の天気

TAVE= 6.9
TMAX= 11.5
TMIN= 1.8
DIFF= 9.7
WMAX= 3
SUNS= 7.4
RAIN= 0

以下本題。

読みかじりの記:花粉症 こんな撃退法があったのか(1991年 坂本吉朗 、増田 豊、越智 康仁 著)

いつか読もうかと買った古本のようだ。読まない本を書棚に返すときに目についてしまった。自分自身、花粉症の症状を持っているが、医者にも行かず、薬も飲まず専らその季節が過ぎるのをやり過ごしている。いわば、日和見対処法でその場をしのいでいる。本書では、三名の著者の医師が独自の方式を本書で紹介しているが、そんな方式もあるのかと感じた程度であった。再読して、花粉症に関する情報を拾い出して、自分の花粉症の理解の参考としたい。

裏表紙に、「スギ花粉でアレルギーを起こすことがわかったのは1964年でした。」とある。この年代にも色々な意味がありそうだ。プロローグには参考になる情報がある。昭和50年以降、輸入材が増加して、国産スギ材離れ即ちスギ林の手入れされなくなり、スギ花粉が産生増大した。花粉を盛んに振りまく樹齢が20~30年と丁度、スギ花粉症の増大と位相があう。人工杉林の樹齢分布から、「スギ花粉の飛散は今後15年間はつづくのではないかとみられています。」と述べている。スギも青年・成人期を過ぎれば花粉産生量が減少するという想定であったようだ。東京都のスギ花粉のデータが掲載されている。
S55:799、S56:534、S57:4565、S58:350、S59:1665、S60:2028、S61:1602、S62:499、S63:2560、H1:112、H2:1812。昭和57の飛散量が特に多かったようだ。何年か前にも、スギ花粉症は国民病に近いのだから、対策推進をすると格好の良い発言をした政治家もいたような記憶がある。スギ花粉の少ないスギの品種の育成も進んでいるようだ。スギ花粉症も一種の心身症にまでなると対処が複雑になる。

スギ花粉は30ミクロン程度の球体との事である。人の肉眼の分解能は0.1mmが限界との事なのでスギ花粉はとうてい肉眼では見えない。この30ミクロン程度のスギ花粉を完全に除去する事も体内に進入させない事も現実的には難しい。ともかく、病気の症状はその人の心身の状況を外部に示すシグナルでもある。花粉症が会話やコミュニケーションの媒体になったり、花粉症に逃げ込むのも社会心理学的現象の一つなのかもしれない。スギ花粉も外部から来るストレス要因の一つに過ぎない。この本の最後に「まず強靱な体力と精神力を磨け」という項目があり、ストレスに耐えられる心身を作る必要があるというのが結論でもあるようだ。花粉症は対処療法が基本療法になるのだが、負けてたまるかと前向きな心構えと対策が先ず必要であると感じた。

2011年2月21日 (月)

雑草句録:ロウバイ

2011/2/21
この十年来、机上中央に鎮座していてほとんど使用しなかったHPのインクジェットプリンターを片づけた。そこにCRTを据え直した。パソコン周辺はケーブル類でジャングル状態。実はこのプリンターは落雷でダウンしたパソコンに接続されていたが、ケーブルを引っ張った途端に、デスクサイドのパソコンが床に落下してしまった。一瞬、くたばったかと呆然となる。起動しても画面が出ない。調べるとモニターケーブルの片側が外れていた。固定ねじを締めていなかったのだ。ねじを締め直して再起動。動いた。これが潰れると予備機をP400Mのよぼよぼ機にダウングレードするしかない。思うに張り巡らせてあった、コードやケーブルが命綱になり、落下のショックが少なかったので助かったようだ。入社して仕事に慣れた頃、棚の上の疑似アンテナを足に落下させてしまった苦い経験がある。油断大敵。重量物が落下した時にかかる重力は非常に大きくなる。アンテナが落下して傷ついた指の爪は今でもデコボコして伸びてくる。過去の経験を今に語っている。爪を作る組織が変形したまま治癒したのが原因だろう。落下した時はそんな後遺症が残るとは思わず、自分の不手際で労災になるのも面目ないので自然治癒に任せた結果であった。裸体のパソコンが足の爪の上に落ちなかっただけでも幸いだ。最近はプリンターは黒のLBPのみ使用している。カラー印刷は必要な時だけメディアに入れたデータをコンビニに持って行き、コンビニプリントだ。

昨日の天気

TAVE= 6.3
TMAX= 11
TMIN= 1.3
DIFF= 9.7
WMAX= 3
SUNS= 1.4
RAIN= 0

以下本題。

雑草句録:ロウバイ

■ロウバイの花散らずしてへばりつく

実際の状況は忘れている。

○被き伏す蒲団や寒き夜やすごき     芭蕉

芭蕉の門人李下の妻の追善句との事。寒で結ばれたイメージ。李下は、芭蕉庵に芭蕉を贈ったことで有名とか。妻を失った李下の独り寝のつらさと寒さの重合。

■寒き床ヤマネの如く丸く寝る

2011年2月20日 (日)

雑草句録:あんか

2011/2/20
昨日の天気

TAVE= 5.4
TMAX= 10.5
TMIN= 1.3
DIFF= 9.2
WMAX= 8
SUNS= 10.4
RAIN= 0

以下本題。

雑草句録:あんか

■人肌のアンカ抱き寝のぜいたくさ

贅沢も色々。言い方により様々だ。

○暖簾の奥ものふかし北の梅     芭蕉

あんかからイメージする暖からこの句が出てきた。暖簾とは風を遮る一種の暖房器。転じて医家。その部屋の北に咲いている梅でその家の細君を象徴しているとなかなか解釈が難しい句。ともかく、芭蕉の時代の暖房器は囲炉裏、炬燵程度だったようだ。懐炉、行火等はあったのか。

■寒きほど昔の寒さ思わるる

2011年2月19日 (土)

読みかじりの記:環境ホルモン きちんと理解したい人のために(1698年 筏 義人 著)

2011/2/19
冬の天気と春の天気がせめぎ合い、雨と強風で嵐のような天気であった。東京ではスギ花粉の飛散が始まったというニュースもあった。花粉症対策に決定打はなさそうだ。なぜこれほど花粉症に悩む人が多くなったのか。花粉が増えたのも一因だろうが、それでけではなさそうだ。経済の高度成長で衣食住が変わり、それに伴い人間の体質や生活習慣が変わったという見方もあるようだ。ところで、花粉も以下の環境ホルモンも人間にとっては眼に見えない異物。花粉症は免疫反応でその異物に対抗して現れる症状だ。しかし、環境ホルモンは免疫系を素通りして人体に作用するとなると人体に防御機構がないだけ怖い。環境ホルモン以外にも人工的な有害物質は多いがその挙動は十分解明されていないようだ。この自然界においてあらゆる現象は物質の動きの連鎖でもある。ウイルスや細菌は自分を守るため変異したり、耐薬剤性を強めたりする。環境ホルモンは生物の食物連鎖で人間の口に入る時に濃縮されるという。人間が作り出した極微量な物質Xに対抗した成分をスギ花粉が集めたり合成したりしてまき散らしているような事はないのだろうかとつい変な連想してしまう。スギ花粉は動物的表現を使えば、スギの精子である。スギの枝を見たら、雌花と雄花が別々に着いていた。雌雄同株雌雄異花。雌花は小さな松ぼっくりのようであった。子供の頃スギ鉄砲の弾に使っていたのがスギの雄花であった。

昨日の天気

TAVE= 7.2
TMAX= 12.1
TMIN= 3.4
DIFF= 8.7
WMAX= 12
SUNS= 8.3
RAIN= 3.5

以下本題。

読みかじりの記:環境ホルモン きちんと理解したい人のために(1698年 筏 義人 著)

講談社のブルーバック双書の一冊である。出版当時は環境ホルモンが社会の関心を集めていた。この書物もそのような社会状況を背景に出版されたのではないかと思う。著者は今日の問題は多方面から解明する必要があるとして、高分子化学という自分の専門分野を基礎に据えて、環境ホルモンの理解を進めるべく本書を書いたようだ。十数年、書棚に隠れていたがひょっこり出てきた。一昔前と現在では状況はどう変わったのか。読み直しや過去のレビューは将来を考えるときの参考になる。

WIKIPEDIAでは「内分泌攪乱物質」(最終更新 2010年12月22日 (水) 13:34 )と学術的な記述になっている。WIKIPEDIAの研究の起源の項では「日本では1998年5月に環境庁(当時)が発表した「環境ホルモン戦略計画 SPEED '98」にて、「内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質」67物質をリストしたことにより、強い不安感が高まり、一気にメディアに「環境ホルモン」の言葉が登場するようになった。 ただし、その後に検証実験事実が蓄積されるに従い、ほとんどの物質は哺乳動物に対する有意の作用を示さないことが一部に報告されている。その知見等を踏まえ、環境省は上記リストを取り下げた。現在では、リストは単に調査研究の対象物質であり、このリストに掲載されていたことをもって環境ホルモン物質もしくは環境ホルモン疑惑物質などと言うことは根拠がなくなったとされている。定義をそのまま解釈すればホルモン類似物質である医薬品をも含むことになるが、実際には、より狭義に、環境中に意図せず存在する化学物質が体内へ取り込まれる危険性が予想される場合にのみこう呼ばれている(#環境ホルモン以外の内分泌攪乱物質を参照)。本来のホルモンと同様、非常に低濃度でも生体に悪影響を及ぼす可能性があるため、有害物質が高濃度に蓄積されて初めて問題になりうることを前提とした従来型の環境汚染の濃度基準では規制できないのではと危惧され、社会問題化した。」と述べている。

著者も色々な物質が生体に悪影響を及ぼす可能性を述べているが、まだ十分解明が為されていない事も率直に述べている。そのような執筆態度には好感が持てた。特に、第5章:環境ホルモンの発生源では、問題の大きいダイオキシンに関しては、家庭の一般ゴミと産業廃棄物の焼却が発生源であるとして、その発生メカニズムを推定している。また、ダイオキシンは高温での焼却により、完全分解させれば、発生を押さえられると高温焼却の重要性を述べている。

今日では、ゴミ焼却も高温焼却炉を使用するので、ダイオキシン等の有害物質の生成は問題ないというような議論もあるようだが、ダイオキシンが生成される条件やダイオキシンが生成される素材等の組み合わせ等が十分解明され、その条件に適合した処理が確実に行えるか断言できないのが実状と思う。技術的にも高温焼却は、炉の高温損傷も激しく、焼却炉の維持経費や安全確保体制もより高度・高コストになるであろう。従って、焼却処理が万能であるとという判断は難しいのではないか。

WIKIPEDIAの「内分泌攪乱物質」の項にはダイオキシンは関連項目に記載されているだけである。出版当時は環境ホルモンという時代を反映したキーワードで、ダイオキシンの発ガン性等も
視野に入れて本書が書かれていると思う。また、生物の雌性化という本来的な微量化学物質が生体に与える効果に関しては、この十余年でどれほど科学的に解明されたのだろうか。対象物質が微量で容易にその作用機序が解明できないからその不安を放置して良いかという点も改めて考えさせられた。特に、少子化という問題が、男性の精子の減少、ホルモン作用による男性の女性化等と関係するのか、極論すると国家存亡の人口問題にまで環境ホルモンが関係するのかは、疑問はかえって増大した。環境ホルモン云々と議論する気力も失い、草食系男性とかが流行語になる時代の行く末をつい考えてしまう。人間の知識もどんどん細分化して科学的な証拠があるものだけが真実だとう事になるととんでもないしっぺ返しが待っている事もありうる。

ともかく、あらゆる生産物は、その機能が発揮されているうちは、資源・資産として各家庭や社会・産業施設内に留まっているが、その機能が不要・無用になれば廃棄物として環境に排出される運命にある。その廃棄物の処理は、リサイクル・リユースと焼却・埋め立て等のに分類されるが、焼却・埋め立てで問題が大きい。要するに、生産物でその関係者が利益を得ても、その最終処分は後世の負担として先送りしているのが現状である。著者は、第7章環境ホルモン問題解決への提言の中の⑥大量消費型から資源循環型へ社会が移行していることを確認することが重要であると本書を締めくくっている。①~⑤までは公的機関等が重たい腰を上げるよう促した課題で、本書の未解明・未解決な部分に相当する。赤字国債等は数値で負の遺産としての大きさを感じる事が出来るが、日々の快適な生活の見えないつけが廃棄物の処理量・蓄積量とともに増大し、それが知らぬ間に自分たちの生命にまで及んでくるとなると、多少の贅沢は控えようとも思う気になる。

検索サイト

NANDA?⇒物臭検索

  • ラベル(タイトル):最初は何も分からない
    なんだこりゃ?作成当時の記憶

エネルギー関係

ウェブページ

更新ブログ

PHOTO2(写真集)

  • Iob_fujijyuukouentotu
    たまたま出会ったもの2

PHOTO4(写真集)

  • Iob_minitomatodaruma
    果樹・野菜・花等

PHOTO5(写真集)

  • Iob_senteihasami_funsitu_sabi
    現在使われなくなった機器、農具、ガラクタ等。

PHOTO6(樹木等)

  • Iob_sendan_kiru_2013
    樹木の縮伐カット&トライetc

PHOTO7(写真集)

  • Iob_kaiko_ga_gazou
    BLOG関連写真2
フォトアルバム

MIKAN KUN

  • 赤城連山MAP
  • Fight_Fukushima
  • ISESAKI_PIGEON
  • MIKANKUN

Copyrighit

  • © Copyright 2006-2023  af06.kazelog.jp  All rights reserved.

健康関係:リンク&検索等

Favorites2

Favorites

Favorites3

Favorites4

やさしい科学・SCIENCE

  • 日経サイエンスのウェブページ
    「日経サイエンス」とは:「日経サイエンス誌は,1845年に創刊された長い歴史と伝統を持つ米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版で,世界の最先端の科学技術動向を日本の読者に届けています。」
  • SCIENCE IS FUN in the Lab of Shakhashiri
    University of Wisconsin-Madison Chemistry Professor Bassam Z. Shakhashiri のサイト

みかん栽培関係情報

ISESAKI  有情2

ISESAKI  有情1

嗚呼 伊勢崎 非情

BOOKS

  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

外国の博物館・美術館 外国語・国際関係(リンク)

TOOLS

地域産業・機関

地域興し関連情報

MEMO_TL_TEST

  • TOP PAGEの 「アクセスランキング(2015/6/8より表示再開)」へ飛ぶためのラベル
  • TEST END
    TEST_H23/10

アクセスランキング

リンク:ページ先頭へ飛ぶ

写真集へのリンク

MEMO 海外の博物館・美術館

  • https://www.artic.edu/collection?place_ids=Japan&page=6
  • 項目のタイトル2
    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
  • TYPE LIST事始め
    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)