老人の寝言:日本のTPP参加はOBAMAさんを助けるだけなのか
2011/11/15
昨日も穏やかな晴天。ポット苗手入れ。種子採取。落果していた渋柿を食べてみた。中が黄色で水分が多いものは渋みは抜けていてが、甘みが少なかった。中が茶色でゴマが入ったようなものは、ねっとりとしており甘みも抜群であった。やはり渋柿も種が入った方がうまいのか。そこまで注意してみなかった。カキの種も、人間や動物を介して種の拡散・子孫繁栄を実現している。そうなると、種子が沢山出来ている方をより美味くする事は目的にかなっていると思う。柿の木がそう思って養分の分配を行っているのかは分からないが、何か違いがあるとき、その違にはどういう理由があるのだろうと考えてみるのも面白い。カキの本を読んでいたら、猿蟹合戦に出てくる柿木は渋柿だろうと述べていた。柿の専門家はやはり、柿ならば色々な事に興味を持つのかなと思った。
2011/11/14の天気
TAVE= | 15.5 |
TMAX= | 20.6 |
TMIN= | 11.7 |
DIFF= | 8.9 |
WMAX= | 4.7 |
SUNS= | 7.5 |
RAIN= | 0 |
老人の寝言:日本のTPP参加はOBAMAさんを助けるだけなのか
TPP交渉は既に始まっている。日本はその交渉に途中乗車しようとしている。その乗り物の性格が分からないのに交渉に飛び乗ってしまった。最初からの交渉なら色々条件は出せるだろう。交渉の筋道も理解できる。ところが途中から乗せて下さいでは立場が弱くなるのは世界の常識だろう。国論が真っ二つに割れているのに、途中下車も出来るとも言う人物が政権の要職についている。政権内の意志を統一・決定できないで、まだ腰が定まっていないのだ。米国内にも、そんなトラブルメーカーになりそうな国は交渉が決着してから入れた方が良いという意見もあるようだ。そうなれば、日本は交渉権を行使できないのは自明だ。要するに途中乗車という不完全な交渉権、外交に弱いという政権の特徴、外交実績に乏し首相いというトリプル不安要件が揃っているのが日本が参加しようとするTPP交渉なのだ。以下は日本の動きをアメリカがどう見ているか気になって覗いてみたワシントンポストの記事の頭と尻の部分。
Washingtonpost.comは、「Japan will take part in trade talks, PM Noda says;url=http://www.washingtonpost.com/world/japan-will-take-part-in-trade-talks-pm-noda-says/2011/11/11/gIQANw63BN_story.html(By Chico Harlan, Published: November 11)
というタイトルで、「TOKYO ― Prime Minister Yoshihiko Noda announced Friday that Japan will participate in talks on a broad, U.S.-backed Asia-Pacific free trade agreement, a divisive move that could both aid an ailing economy and fracture the government’s ruling party.
By joining negotiations on the Trans-Pacific Partnership (TPP), Japan would clear the way for potentially major changes to its economy, the world’s third-largest, such as slashing tariffs, allowing cheaper imports and lowering prices for consumers.
But the pact also threatens to level Japan’s farming industry, whose many powerful advocates say that Noda is threatening national unity ― and ultimately eroding his base of support ― by making big decisions on his own. Japan’s involvement in the talks marks a boost for President Obama, who set a goal of doubling U.S. exports over five years, and helps Washington strengthen its ties to Asia. Noda and Obama will discuss the pact when they meet Saturday during the Asia-Pacific summit in Hawaii.」と報じた。そうして最後を「“As for TPP, I am fully aware of both great benefits and numerous concerns,” he said, adding: “I love Japan from the bottom of my heart. My mother’s family are farmers. . . . I still remember the smell of the soil.”Special correspondent Ayako Mie contributed to this report.」と締めくくっている。
YOMIURI ONLINEは、「TPP合意目標時期は2012年7月?;url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111114-00000610-yom-int(最終更新:11月14日(月)15時11分)」というタイトルで、「【ホノルル=岡田章裕】シンガポールのリー・シェンロン首相は12日、大枠合意に達した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、ホノルルで一部記者団と会見した。 TPP交渉の合意目標時期について、米大統領選が本格化する前の2012年7月との見方が各国内で出ていることに対し「交渉を早め、長引かせない圧力になる。早期に合意するための一つの手法だ。野心的だが、強い意志があれば可能だ」と積極的に評価した。」と報じた。」【ホノルル=岡田章裕】シンガポールのリー・シェンロン首相は12日、大枠合意に達した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、ホノルルで一部記者団と会見した。 TPP交渉の合意目標時期について、米大統領選が本格化する前の2012年7月との見方が各国内で出ていることに対し「交渉を早め、長引かせない圧力になる。早期に合意するための一つの手法だ。野心的だが、強い意志があれば可能だ」と積極的に評価した。
WEB情報によると大統領選挙は2012年11月6日らしい。すでに大統領選挙の前哨戦が始まっている。Washingtonpostの言っている、「Japan’s involvement in the talks marks a boost for President Obama, who set a goal of doubling U.S. exports over five years, and helps Washington strengthen its ties to Asia. 」という言葉は、日本のTPP交渉参加表明はオバマさんの政策翼賛になるのだ。オバマさんが再選されれば、オバマさんに恩を売って置いた事が役立つ。俺の政権寿命もいつまで持つか分からない。野田内閣は2011年(平成23年)9月2日発足。菅内閣は2010年6月8日~2011年(平成23年)9月2日。せめて菅さん並の寿命をと次元が低い覚悟をされては泣くにも泣けない。負け戦を承知で戦場に向かうのか。Washingtonpostの締めくくりは「My mother’s family are farmers. . . . I still remember the smell of the soil.」という一節だ。いまだ土の香りを思い出すだけでは、農業など苦もなく切り捨てられそうだ。
TPP交渉で完全な盲点になっているのが知的所有権やサービスだ。すでに遺伝子特許等については読みかじりの記で書いた。特許に関税は無関係かもしれないが、特許が通商の障壁となる可能性は避けられない。攻める側では特許は障壁であるが、守る側ではまさに自国産業保護の生命線になる。アメリカは、たとえばビジネス特許等を国内でどんどん成立させ、それを武器に乗り込んでくる可能性も大きい。ビジネスモデル特許はアメリカが最も得意だ。IT関連のビジネス特許で攻められたら日本のIT産業は崩壊しないだろうか。当然、アメリカの弁護士や弁理士、会計士もどんどん乗り込んでくる。日本は弁護士が多すぎて失業云々と言っているが、弁護士業界などはTPPに対して何の対応も出来ていないだろう。言語障壁を作るな等と言って、アメリカの弁護士が膨大な英語文書を突きつけて乗り込んできてたら、弁護士は失業するし、裁判所はパンクするしで、日本のサービス分野の業種もアメリカに席巻される心配もある。かつて、半導体業界ではテキサス・インスツルメントが保有するキルビー特許に怯えた事があった。喧嘩をしても勝ち目はない、それよりも、物を作って稼いだ金で特許料を払えば良いと安直に考えたのだと思う。大半の日本の半導体メーカーはTIにキルビー特許の特許料を払ったと思う。現在、その日本の半導体メーカーは、青色吐息の状態で半導体部門は事業の足枷になっている。
「キルビー特許;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%BC%E7%89%B9%E8%A8%B1;(最終更新 2011年6月20日 (月) 02:17 )」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「キルビー特許(キルビーとっきょ、Kilby patents)とは、テキサス・インスツルメンツ (TI) のジャック・キルビーが発明した半導体集積回路の基本特許。キルビー特許と言うときは、半導体集積回路の重要な基礎技術として捉える側面のほかに、日本では特許の成立が遅くなり、普及した技術を用いる製品に対して多額のライセンス料が課せられた、言うなればサブマリン特許に近いイメージで捉える側面がある。」
キルビー特許でアメリカは濡れ手に粟の如くに膨大な特許収入を手に入れた成功体験を持っている。日本はその時を黒船として眺めているだけでどれだけの対応をしているのだろうか。つまらない特許侵害ででも、中小企業を訴えれば、中小企業はたちまちお手上げになるだろう。特許と裁判が連携すると、とんでもない影響力を発揮するのだ。アメリカの裁判事情は色々伝えられているが、ビジネスとなれば、禿げたかの如く、奪える物は尽く奪われてしまうのではないか。日本では製造や技術云々と大企業から中小企業までTPPに賛成のようだが、製造や技術云々の稼ぎより、その上を行く、特許料や知的所有権に基づくサービス料が今後は圧倒的に増大するのである。口先でお題目を唱え、無策、無思想で政権延命を図るだけでは、日本の将来に希望が持てないのだ。