06C_読みかじりの記

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2012年12月27日 (木)

読みかじりの記:超「超」整理法 野口悠雄 著 (2008年 株式会社講談社)

2012年12月27日木曜日
昨日は晴れ。最高気温(℃) 5.1 00:02。最低気温(℃) -1.9 23:54 。寒い一日だった。ざっそう句:捻れても 計算通り 出る総理。厚着して物置兼車庫の周辺整理。何とか終了。宅内退散して国会中継を見る。野田内閣が総辞職して第二次安倍内閣が発足した。似たもの同士は相嫌悪し合う傾向が強いとか。「日本国憲法」の中で「政党」や「党」を検索しても、該当部分がなかった。「日本国憲法」は良識ある議員を想定しているのか。国政は難問山積みである。国会議員は党派を超えてこの難問解決に立ち向かって貰いたい。

2012年12月26日の天気(AMEDAS)

TAVE= 2.0
TMAX= 4.9 最高気温(℃) 5.1 00:02
TMIN= -1.5 最低気温(℃) -1.9 23:54
DIFF= 6.4
WMAX= 8.9 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 16.5(北北西) 12:15
SUNS= 9.2
RAIN= 0

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「日本国憲法(昭和二十一年十一月三日憲法)(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html)」の規定。

第四十三条  両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
○2  両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

第四十四条  両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

第六十六条  内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
○2  内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
○3  内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

第六十七条  内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
○2  衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

第七十条  内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
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読みかじりの記:超「超」整理法 野口悠雄 著 (2008年 株式会社講談社)

著者には、「超」整理法」という本もあるようだ。念のため、WIKIPEDIA「野口悠紀雄(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E5%8F%A3%E6%82%A0%E7%B4%80%E9%9B%84)」を見ると、類似の「超XXX」という著書がずらり。マーケッティングの本に「柳の下に二匹目のドジョウ」がいるという名言があったが、その好例を見るような感じだ。見方によれば、専門分野を一般人向けに解説して商売できるのはそれだけの能力・努力・ノウハウが必要なような事を示しているようだ。ざっと著書数を数えると50冊以上あった。「超」売れっ子のようだ。

自分が「整理」に興味があるのは、万人に共通で究極的な整理法などないだろうと否定的な見方をしつつ、著者の蘊蓄から何かを得たいという気持ちがあるためだろう。読書は、余り期待はせずに、参考になる所は試してみる程度でよいのではないかと思う。逆に、予想外のヒントに出会うと得した感じになれる。著者の、「ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)」という著者の本を読んだ時は、ITが輝いた時代の作品で、HPの活用法は参考になると思った。再度、著者のホームページを覗いたが新鮮さは感じなかった。

本書も、メール、PDF、検索等々IT技術の活用法が述べられており、あえて「整理法」と名乗る必要もなかったのではないかと感じさせられた。要は、IT技術もあくまで、ある目的のための手段に過ぎないが、その発展が早すぎて、あれもこれもと手を出す必要はなさそうだ。時流に乗っているつもりが、いつの間にか時流に押し流されてきたというのが自分のつまらないIT物語だ。

著者は「Gメール革命」の章で、Gメールの活用法を述べている。Googleのビジネススタイルについても述べている。自分は、なぜ無料のサービスが可能なのか完全に理解できないでいる。世間知としては「タダより高いものはない」という金言もあるのだが。どうも、ただ乗りの怖さを気にしつつ、無料サービスを使っているのが実状だ。どんなメールシステムでも、少なくともメールサーバー管理者の立場なら、完全に読み放題ではないかという悪夢がある。2012年のGoogleの大改革は、Googleの各種サービス契約(プライバシーと利用規約)を一本化した事ではないか。こうなると、裸で公道を歩くような勇気が必要になるのではと危機感を覚える。著者は、本書出版時点で、Gメールで失う物より得る物がはるかに大きいので、Gメールを利用しているようだ。コンピュータはWEB接続で何をしているかを考えると、WEB検索さえも心配になってしまう。

「第Ⅱ部 IT時代の知の技法」、「第Ⅲ部 知の産業革命」は、『超「超」整理法』という本書の題名から想像する以上の内容を含んでいた。現代は情報化社会となり、新しいビジネスも生まれた。膨大な情報が生産され、消費されている。その情報の鮮度も極短い。後書きに、IT技術の進歩の早さが述べられている。

最近、コンピュータは当たり前の道具になった。情報蓄積装置であるメモリーやHDD、光学ディスクの価格も低下した。1TバイトのHDDの価格が数千円程度のものもある。個人が使うコンピュータもGoogleが使うコンピュータも基本は同じ。個人は、コンピュータの能力を使いきれなくなっている。「知」とは頭脳の働きの体系化だと思うが、コンピュータが一番苦手の分野かもしれない。

かつて、今となっては大昔だが、コンピュータに問題を入れれば、答えが自動的に出てくるのかと聞かれた事があった。単純だが、本質的な問題を秘めている質問だろう。Google検索をすると、基本的なキーワードの場合、億単位のヒット件数を示す。試しにGoogleで「愛」を検索すると「約 164,000,000 件 (0.17 秒) 」と表示された(2012年12月26日)。しかし、リンク先が示されるのはその上位に過ぎない。足切りされている情報が多い。この件数自体が不可解な数字だ。ともかく、整理という仕事は扱う物事が多くなりすぎて、管理の限界が心配になる頃現れる現象のようだ。本書では著者の信条か、手頃な索引が付いている。「検索」に関しては、多くの項目がリストアップされていて読み直すのには便利そうだ。一方、情報を関連づける「ハイパーリンク」という概念もIT技術としては重要ではないか。「ハイパーリンク」という技術こそ検索を支えているのではないか。索引を見ると「リンク」や「ハイパーリンク」はなかった。リンクは自分の頭脳を使って張るべしなのかも知れない。

2012年12月12日 (水)

読みかじりの記:「漱石山房の冬」芥川龍之介作

2012年12月12日水曜日
昨日は晴れ。最低気温(℃) 1.4 06:43 。ざっそう句:写真帳 白い記憶の 冬安吾。我が家のトイレには新聞店が配る薄い暦がある。徒然なるままに見ると、12月9日が漱石忌であった。大正5年50歳で入滅。

2012年12月11日の天気(AMEDAS)

TAVE= 5.4
TMAX= 10.5 最高気温(℃) 11.0 13:56 
TMIN= 1.6 最低気温(℃) 1.4 06:43 
DIFF= 8.9
WMAX= 4.7 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 8.1(西) 15:42 
SUNS= 9.1
RAIN= 0

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読みかじりの記:「漱石山房の冬」芥川龍之介作

「写真帳」といくつかのキーワードで検索すると、「漱石山房の冬 芥川龍之介(http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/2321_13452.html)」という、芥川龍之介の作品が青空文庫にあった。その一節に、「最後にもとの茶の間との境、更紗の唐紙のあつた所も、今は先生の写真のある仏壇に形を変へてゐた。」とある。インターネットは、この一節にある「写真」も検出していた。不思議な縁だ。この作品から、夏目漱石と芥川龍之介の交流、夏目漱石の生前と没後の様子もうかがえる。

更に、「又十月の或夜である。わたしはひとりこの書斎に、先生と膝をつき合せてゐた。話題はわたしの身の上だつた。文を売つて口を餬(こ)するのも好(よ)い。しかし買ふ方は商売である。それを一々註文通り、引き受けてゐてはたまるものではない。貧の為ならば兎(と)に角(かく)も、慎(つつし)むべきものは濫作である。先生はそんな話をした後(のち)、「君はまだ年が若いから、さう云ふ危険などは考へてゐまい。それを僕が君の代りに考へて見るとすればだね」と云つた。わたしは今でもその時の先生の微笑を覚えてゐる。」という部分があった。

漱石山房の冬は寒かったようだ。漱石がその寒さに立ち向かい仕事をした様も描かれている。書斎は寒いが、その書斎での漱石と芥川龍之介の交流にはなにか暖かいものを感じる。この作品の日付が「大正十一年十二月」となっている。WIKIPEDIA「夏目漱石(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E7%9B%AE%E6%BC%B1%E7%9F%B3)」によれば、「夏目 漱石(なつめ そうせき、1867年2月9日(慶応3年1月5日) - 1916年(大正5年)12月9日)」である。本文の中に「先生の歿後七年の今でも……」とさらりと書かれているが、漱石の七回忌を念頭に書かれているようでもある。

2012年9月11日 (火)

読みかじりの記:農薬の話 ウソホント?! あなたの理解は間違っていないか? 化学工業日報農薬取材班 編(1989年 化学工業日報社)

2012年9月11日火曜日
昨日は晴れ。雑木の歌:ネコジャラシ 自慢じゃないが 良い穂だぞ タネを数えりゃ 千五百もある。最高気温(℃) 33.1 13:57 。真夏日。灌水。朝一回では不十分のようだが。少しだけ元気を取り戻したサトイモがまた弱りだした。雑木の剪定、ツル払いと下草刈り。レモン樹に這い上がったカナムグラを退治。葉からレモンの香りがする。しっかり手入れをしないと実を付けそうにない。沼田真(編)の「雑草の科学(研成社1979)」によると、エノコログサ種子数は数百程度。畑で立派な?エノコログサを見つけたので、気休めに種子の数を推定してみた。穂の長さが15㎝ほど。目の子算で1㎝程度を切り出し、種子数を数えて15倍すると大体1500粒。前書によれば、アカザ等はその十倍以上。数える気もしない。現在、畑に生え始めている主要雑草はカヤツリグサ。除草剤を使いたいところだが手で引き抜いている。

2012年9月10日の天気(AMEDAS)

TAVE= 27.9
TMAX= 32.5 最高気温(℃) 33.1 13:57
TMIN= 23.7 最低気温(℃) 23.5 05:08
DIFF= 8.8
WMAX= 2.7 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 6.6(南南西) 13:37
SUNS= 9.1
RAIN= 0

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読みかじりの記:農薬の話 ウソホント?! あなたの理解は間違っていないか? 化学工業日報農薬取材班 編(1989年 化学工業日報社)

以前、「大丸とうがん:おおまる~」という野菜を作った(冬瓜:いとしきもの:2010年9月26日 (日)。http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/09/post-6151.html。)マイナーな品種なので、身近な店には種子がない。通販で種子を買ったと思う。。野口のタネだったようだ(http://noguchiseed.com/)。久しぶりにそのサイトを訪問した。そこで、目に付いたのが以下の記事である。

以下野口のタネのHPからの引用。
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2/1付『日本農業新聞』によると、農水省は「有機野菜は有機栽培されたタネに限る」と決めたようです。もともと「有機JAS法」の規定はそうなっているのですが、「有機栽培種子」が流通していない日本では、「入手困難な場合は慣行栽培のタネでもしかたない」という便法で見逃されてきました。それが4月から法の規定を厳格に適用する結果、ほとんどの市販種子は「有機野菜のタネ」としては失格となります。(当店で販売している固定種のタネも、ほとんどが慣行栽培で採種されているので、同様に認められません)今後は「有機認証を受けた農家が自家採種したタネ」か、外国から輸入した「有機栽培種子」を使って国内外の有機認証農家が有機栽培した野菜しか「有機野菜」と表示して販売できなくなるのです。しばらくの間「有機野菜業界」は大混乱に陥るでしょう。さて「種苗業界」の動向やいかに?[2012.2.3]
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以上引用終わり。

この記事によれば、有機野菜の定義が種子まで遡る事になるので、有機のハードルが非常に高くなるのではないかと思われる。厳しい規制が消費者と生産者が納得できるように科学的・合理的に決められ、公正・公平、経済合理性の範囲で適用されれば、結構な事だろう。ところが、その規制を運用・管理する機関にお役人が天下りして、役人と業界の利益を優先する恣意的な運用がされたらどうなるか。心胆を寒からしむる事態になるように感じた。

本書は、農薬を基本的には容認する立場で書かれているように感じる。しかし、「あなたの理解は間違っていないか?」と、やや脅迫的な表現を使ってその主張に迫ろうとしているようにみえるが、、それ以上切り込めない弱みも表しているようにも見える。確かに、現時点で農薬の使用を根絶することは不可能だろう。百姓の真似事をしていると、雑草対策がいかに大変か分かる。害虫、病気対策も薬剤無しにはほとんど不可能のようだ。本書でも、本当の「有機作物」は極わずかだろうと述べている。本書は、ほぼ20年前の農薬事情を知る参考になる本ではあろう。

本書によると、殺菌剤のトプジンMは1973年に特許登録されたと紹介されている。その構造式も示されている。特許の存続期間は20年なので、すでにトプジンMの特許は終了している筈だ。商品としては、まだ店頭では健在だ。後発品があるのか興味がある。ともかく、農薬開発の事例も紹介されており参考になる。農薬だけでなく医薬も高価である。農薬の登録は対象栽培作物毎に行われる。登録対象を増やそうとするとその分試験をしてデータ余分なデータと経費が必要になると聞いたことがある。医薬も同じように見える。これは、日本だけの事情なのか。農薬も医薬も出来れば使いたくないのが人情だが、それを実現するためには、相当なパラダイムシフトが必要なようだ。農薬・医薬も日本の場合、問題が起きてから後追いで対策しているのが実状のようで、農薬・医薬への不信が行政への不信から生じている割合も大きいのではないかと思ったりする。本書からは、こういう視点は読みとれない。

先日、電車の車窓から、田畑を眺めていたら、除草剤が散布され、枯れ草が広がっている農地が結構目に付いた。日頃、除草剤の使用量が気になっていたが、農薬工業会のサイトに概略のデータがあった。そのデータを引用すると以下の通り。量は重量換算されている。
平成19農薬年度生産・出荷表(単位:トンまたはkL、百万円)
    生産:トン  百万円 出荷:トン  百万円
殺虫剤   99,581  128,391  100,361 129,172
除草剤   73,883  121,330   68,787 112,265
(農薬要覧2008より)

以上のデータは生産、出荷のみのデータだが、除草剤が量・金額とも殺虫剤に迫っているのが分かる。問題は輸入量や使用量が不明なこと。耕作地で使用する薬剤が農薬で、非耕作地で使う場合は、同じ薬剤でも農薬扱いにはならないという事は、まさにダブルスタンダード、役所の論理そのままの実態が現在もまかり通っているのが実態のようだ。現実には、非耕作地用輸入除草剤が大量に使われているのではないか。

農薬工業会のホームページには、本書の現代版に相当するような記事が掲載されている(教えて!農薬Q&A。http://www.jcpa.or.jp/qa/。)。その最初の記事に「1.農薬がついた野菜などを食べると、癌(がん)になるのではないですか。」という質問があり、「食品に残留した農薬が原因でがんになるということはありません。 その安全性は現在もっとも信頼できる試験方法が組み合わされ確認されています。 がん死亡要因に関する疫学調査や疫学者に対する調査でも、農薬はがんの主たる原因とはされていません。」と回答されている。これはまさに、シカをウマと言いくるめる論法そのものの好例のように見えてしまう。目的のため手段を選ばない倫理・論理・科学的精神欠如の見本そのもののようだ。その例を原発事故の放射能汚染でいやというほど見せつけられてきたのだが。「食品に残留した農薬が原因でがんになるということはありません。」と結論していながら、「がん死亡要因に関する疫学調査や疫学者に対する調査でも、農薬はがんの主たる原因とはされていません。」と巧みにすり替えてしまっている。本書では、開発した農薬に発ガン性があり、その農薬が開発中止になった事例も紹介している。「2.農薬には、どのような種類があるのでしょうか。」農薬の種類を羅列しているが、「防除」云々ときれいな言葉しか使っていない。その生理メカニズムの説明・解説がない。農薬も放射能も、まさに生体系の要素である分子に作用してその効果を実現しているのだが、その科学的部分をブラックボックスにしている。科学の冒涜・科学的知識の独善的利用とは言えないか。

FOOCOM.NETは、「遺伝子組換え種子の特許切れ 自由利用を阻む再審査制度。http://www.foocom.net/column/shirai/7174/。(2012年7月4日)」というタイトルで、「モンサントの除草剤耐性ダイズ 2014年に特許切れ: 現在、世界でもっとも多く栽培されている組換え品種はモンサント社が開発した除草剤(グリホサート)耐性ダイズだ(商品名はラウンドアップ・レディ、系統名はMON40-3-2)。1996年から商業栽培がはじまり、現在、世界各地で毎年約6000万ヘクタール栽培される大ヒット商品となった。 このヒット商品の特許が米国では2014年に切れる。2015年から他の種子会社もグリホサート耐性ダイズを自由に販売できるし、生産者も収穫物から自家採種して翌年栽培用のタネを確保できるようになる。 ただし、これには条件がつく。開発者が特許延長を申請しないことと、新たにジェネリック種子を製造・販売するメーカーが、生産者に自家採種禁止の制限をつけないことだ。」と報じた。

日本人にとって、豆腐や納豆は日常食品の筆頭に来るのではないかと思う。その原料大豆も輸入比率が高い。「モンサント社が開発した除草剤(グリホサート)耐性ダイズだ(商品名はラウンドアップ・レディ、系統名はMON40-3-2)」を知らず知らずのうちに食べている可能性がある。安全と言えども、無条件の安全はない。医薬は、医師と患者と医薬服用に関して何らかの了解があるだろうが、農薬に関しては、無意識の内に、摂取してしまうのが実状だろう。本書が出版されてから既に、20年以上経過している。ともかく、農薬に関しては、本書出版当時から、旧態依然であまり進歩がないようだ。むしろ、見えないところで、大量に使われ、その影響もますます、見えにくくなっているようだ。今後、少子高齢化、食品の安全強化の消費者ニーズ等で農薬問題も見直しを迫られる可能性もある。農産物だけでなく、一般の工業製品も、人工的な化学材料と密接な関係を持つようになったのが現代だ。その最終製品・生産物が消費者に届くわけだが、その長い行程の中で、意識的に、無意識に、健康や安全を害する副作用、副産物が生じる。今後は、利便性の享受とリスク、コスト等をどのように負担するか等に関して国内の合意形成が必要になるだろう。これは、原発廃止論議と類似した問題になるだろうが、マクロ的な環境と考えると避けて通れないように思われる。

2012年8月27日 (月)

読みかじりの記:「日の丸 半導体は 死なず 黄金の80年代の復活か?」 泉谷 渉 著(2007年 株式会社 光文社)

2012年8月27日月曜日
昨日は晴れ。雑木の歌:電気料 防災の日が 値上げ日だ 死に体東電 腹黒反撃。最高気温(℃) 36.5 14:30 。相変わらずの猛暑日。苗に灌水。背が高いヒユや雑草を刈る。昼は宅内。スーパークールビズで扇風機無しで過ごす。先日も、そんなスタイルで古本を流し読み。読むと言うより、何か救いになる言葉を探しているが如きありさま。大企業の業績不振も社名を代えたり、リストラをすれば良いという風な、経営者の安直な行動に無性に腹が立つ。大企業と言えども、その創業時点は、創業者も従業員も出資者も同志的な理想で結ばれていたから、その後の成長が可能になったのではないか。創業の原点を見直せ。

2012年8月26日の天気(AMEDAS)

TAVE= 29.8
TMAX= 35.5 最高気温(℃) 36.5 14:30
TMIN= 24.7 最低気温(℃) 24.4 05:21
DIFF= 10.8
WMAX= 4.9 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 8.6(東南東) 19:01
SUNS= 11.7
RAIN= 0

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「防災の日。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E7%81%BD%E3%81%AE%E6%97%A5(最終更新 2012年3月10日 (土) 17:23)」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「「防災の日」は、1960年(昭和35年)に、内閣の閣議了解により制定された。9月1日の日付は、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんだものである。」とある。いよいよ、東京電力の電気料金の値上げが実施される。その実施日が何となく意味深長だ。値上げなど、きれいな言葉で取り繕うだけで良いのだ。東京電力には値上げの権利がある。そんな声が復活するような恐ろしさを予言する値上げだ。今後は消費税も値上げとなる。年金生活者には厳しくつらい未来しか見えない。

読みかじりの記:「日の丸 半導体は 死なず 黄金の80年代の復活か?」 泉谷 渉 著(2007年 株式会社 光文社)

本書が出版されてから既に5年経過している。この間の日本の状況を振り返ると、日本の基礎構造が音を立てて崩れて行く過程にあると痛感する。終戦後の十数年を除く、ここに至るまでの、昭和後半と平成前半の半世紀余が、「昭平元禄」時代のように思えてしまう。竜宮城へ行って、遊び惚けて、腹一杯うまい物を食べ、それではと、生まれ故郷へ帰ろうかとした時は、時既に遅かった。引き返すべき所を失っていたのではないか。

本書出版の年の出来事は、「2007年の日本。http://ja.wikipedia.org/wiki/2007%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC=。」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事を参照。

共同通信は、「2007年10大ニュース。http://www.kyodonews.jp/feature/top10/2007topnews.html
」として、「国内ニュース:【1位】参院選で自民党が歴史的惨敗、【2位】安倍首相が突然退陣。後任に福田氏、【3位】「消えた年金」で社保庁に怒り沸騰、【4位】防衛装備疑惑で守屋前防衛次官を逮捕、【5位】止まらぬ食品偽装 「食」の安全・信頼大きく揺らぐ、【6位】「政治とカネ」問題。松岡農相が自殺、【7位】能登、中越沖地震で原発の安全性に疑問、【8位】テロ特措法期限切れ。海自が撤収、【9位】憲法改正手続きを定めた国民投票法成立、【10位】伊藤一長長崎市長が射殺される」と報じた。

著者は、当時半導体の現場に30年という、キャリアをベースに、上記のような状況の中で、本書を出版したが、日本の半導体よ、「黄金の80年代の復活」も夢ではないぞと意気込み、エールを込めて本書を書いたように感じる。しかし、没落しつつある、日本の半導体産業に、幾重もの不安を抱いているのもよく分かる。言い換えれば、問題点は大筋分かるが、打つ手が見えないのだ。そういう点からは、著者が法学部政治学部出身という部分を表に出して、現実に切り込んでいたらと思う所もある。政治の無為無策も甚だしい。半導体ほど浮沈の激しい業界は、政治家にとって利権の対象にならないというような発想をうち砕いて貰いたいものだ。利権どころか、国家の存亡を左右する産業なのだ。原発のセールスマンよりトランジスタのセールスマンの方がよっぽど日本の精神を世界に高揚するのではないか。

振り返ると、半導体事業は、利益も大きいがリスクも更に大きいという、経営者にとっては、安心して御しがたい事業なのだ。それも、終戦後急激に立ち上がって来た、科学技術に立脚している事業分野だ。半導体という個体電子素子の重要性に気づいたのは米国である。戦前までは、電圧の増幅作用等を実現する能動素子は真空管が主力であり、真空管は機械的構造で、その能動機能を実現していた。また、金属を加熱して、熱電子を放出させるため、ヒーターが必要だった。構造が複雑で、信頼性が乏しかった。機械的な振動が大きいと使えないという事は、移動機器には致命的だ。動作をさせるための大型の電源や電池が必要になる。ノーベル賞に輝いたトランジスタの発明も、個体電子素子が必要だという背景を理解しないとその展開が見えてこない。

日本の半導体事業は、基本的には企業内の部品調達機能から大きく脱皮できず、世界を相手にした部品供給事業という経営視点が最初から無かったに等しい。一方、世界の半導体供給業者は、世界戦略を視野に入れ、事業展開をはかった。ほとんどが、半導体専業メーカーだから、その事業一本に全てを賭けた。そこに、経営判断や経営行動に差が出ない方がおかしいのだろう。半導体の設計、製造、販売も、色々な形態がとられ、リスク分散、利益確保のビジネススタイルも激変しつつ進歩した。日本の半導体がその流れに乗れなかった事を著者も指摘している。

今日の、携帯、スマホ等は移動用電子機器で、歴史的に見ると、まさに真空管の欠点を克服できたという技術的背景の上に成り立っている。また、米国では、トランジスタを民生用に使うという発想は少なく、先ず軍事用が優先したようだ。日本は、まだアメリカで、トランジスタの民生利用の重要さに気づかない時に、アメリカからトランジスタの技術導入できた所に、今日の半導体産業の原点があるだろう。

日本の大企業は、かなり広い分野の事業を抱えている。そういう、経営者の人材も、たたき上げ、調整型が多く、経営層まで上り詰めても、その地位に要求される職能を十分発揮できる保証もない。経営層に、具体的な職能すら定義されていない企業も多かったのではないか。既存の仕事を、得意な順や地位の順に分け合った程度ではないか。結局、リスクの大きい半導体事業に真剣に取り組む組織・体制づくりで日本は後発組に負けたのではないか。本書でも述べているように、経営者としては、いくつかの選択枝を持つわけだから、当面利益が出たり、問題がなさそうな事業を推進すると宣言するだけ、無事退職して、役員報酬を間違いなく貰う方が優先してしまうのではないか。当今の日本の経営者は、常に逃げの一手を考えている。背水の陣等は無関係なのだ。そのような、疫病は、日本のあらゆる組織に蔓延している。

半導体部門でいくら頑張っても、所詮総合企業の本流ではない。そんな体制で何ができるのだろうか。一時でも、企業の業績を引っ張った半導体部門の経営者が、企業のトップまで上り詰めた例が日本にはあっただろうか。失敗して、放り出された例は枚挙できないほどあるだろうが。そうう点では、アメリカ流の企業売却、分離独立等により、経営陣と経営環境を一新して、事業に挑戦させた方がより大きな成果がでるように思われる。

本書の出版以来、5年を経て、状況が大きく代わった。WEBで著者を検索したら、セミコンポータルに記事を見つけた。同サイトの「泉谷渉の視点 」は、「エルピーダ破綻に盛者必衰の理~88年「DRAM戦線は日本圧勝、世界シェア9割」
https://www.semiconportal.com/archive/blog/insiders/izumiya/120807-investment.html(2012年3月 5日)」というタイトルで、「~圧勝に圧勝を重ねたニッポン半導体の旗印であったDRAMは、23年の歳月を経てついにエルピーダ破綻というところに行き着いてしまった。~」と感慨深く述べている。

更に、同サイトで「日本の電機再編は意味あるか~ルネサス/NECエレの経営統合がもたらすもの~https://www.semiconportal.com/archive/blog/insiders/izumiya/nec-1.html?print
(2009年4月20日)」の記事に、「ところで、今回の経営統合劇を見て感じさせられたのは、日本の業界再編において、東芝と日立が組むと言うことは絶対にないということだ。同じくNECと富士通が組むこともあり得ない。さらに言えばソニーとパナソニックが連合軍を組むことは100年たってもないだろう。このことを前提に考えれば、日本の電機業界の再編は、すごく簡単な図式だと思えてならない。」と述べている。

半導体ビジネスで独走するためには、最先端技術、シェア、供給力、コストで第二位以下を寄せ付けなければよい。世界需要といえども、生産能力が上がれば、数社だけで間に合うのが現代だ。DRAMのような汎用品市場で生き残りを賭けて熾烈な勝負をするというモデルはすでに日本では破綻した。著者が提唱しているのは、その後の日本半導体ビジネスのあり方は、弱者連合のニッチビジネスのように見える。

日本経済新聞は、「ソニーとパナソニック、有機ELパネル共同開発で合意。http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL250D6_V20C12A6000000/。;url=(2012/6/25 16:04 )」というタイトルで、「ソニーとパナソニックは25日、テレビや大型ディスプレー向けの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルとモジュールを共同で開発する契約を結んだと発表した。両社がそれぞれ得意とする技術を持ち寄り、開発期間を短縮しコストを削減する。高性能で安価な製品を開発し、有機ELで先行する韓国勢を追撃する構えだ。2013年末までに量産技術の確立を目指す。」と報じた。

歴史を振り返ると、マルチメディア、インターネット、パソコン云々と次々に新しい技術や企業が生まれてきたように見えるが、所詮テレビと電話と電卓の延長に過ぎなかった。スマートフォン云々と世間で騒がれているが、自分には電子手帳や携帯のあいの子程度にしか見えない。その分野を得意とした日本のメーカーが、ガラパゴス時代にあらゆる関連特許を押さえていたら、今左うちわだったのではないか。事業で真剣勝負する場面は、そのような便利で、使って楽しい現場にしかないのではないか。本書は、出版当時に日本の半導体に寄せる著者渾身のエールともとれる。

その数年後に、著者が、ほとんどあり得ない(ソニーとパナソニックが連合軍を組むこと)と述べた事態が、現実に起こっている。それも、永遠の映像商品のキーデバイスとなる表示デバイスの分野だ。この分野は、絶対に他社の傘下になるまいと面子をかけて開発し、その品質を守る努力もしてきた分野だ。万一、これが、苦し紛れに行われた見せかけだけの敗者連合で、さしたる成果が出ない結果に終われば、まさに日本に蔓延している疫病の深刻さをまざまざと見せつけてくれる事になるだろう。更に、両社にとって致命的な評価を受けかねない結果も招く可能性もある。もう後がない。水と油のような性格という両社の長所を生かし、日の丸会社PANYが生まれても少しもおかしくない段階まで来ているのか。

2012年8月18日 (土)

読みかじりの記:検索エンジンからのリンクがどんどん増える! ホームページ アクセスアップ 完全計画  水野 貴明 著 (2003年 株式会社ソーテック社)

2012年8月18日土曜日
昨日は晴れ。夜雷雨。ざっそう句:この夏の 思い出込めて ROMを焼く。最高気温(℃) 37.3 14:37 。またも、猛暑日。灌水。その後は宅内でデジカメデータ整理等々。大きなスイカをもらったが、一度に食べ切れない。半分はそのまま冷蔵庫に。残りはサク切りにして冷蔵庫に保管。水分を含む内皮部分を切り出して塩漬けにした。昔は、スイカの皮も塩漬けで食べたのを思い出して試す気になった。16時頃、急に東風が吹き初めた。雷雨の気配。日射があるのに雨が降る、天気雨となった。その後本格雷雨。落雷対策。

2012年8月17日の天気

TAVE= 29.1
TMAX= 36.5 最高気温(℃) 37.3 14:37 
TMIN= 24.2 最低気温(℃) 24.0 22:41 
DIFF= 12.3
WMAX= 7 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 13.8(東南東) 15:55 
SUNS= 7.1
RAIN= 12

Q
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読みかじりの記:検索エンジンからのリンクがどんどん増える! ホームページ アクセスアップ 完全計画  水野 貴明 著 (2003年 株式会社ソーテック社)

会社時代、HDDがクラシュして色々なデータを失ってがっかりした記憶がある。完全なバックアップというのは所詮無理。振り返ればバックアップ機能は至る所にあり、その必要性も重要性も明らかだ。業務に支障が出たのが、「お気に入り」データの消失。会社関係や業務に関係する情報を集めるにもインターネットがかなり役立った。「お気に入り」にurlデータをため込んでいたという事は、まだ今日ほど検索エンジンを使っていなかったのではないかと思う。

「Google。http://ja.wikipedia.org/wiki/Googleurl=。(最終更新 2012年7月17日 (火) 17:50 )」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「設立 1998年9月7日 、~従業員数 32,467人 full-time employees(2011年12月31日)」とある。

本書の出版が2003年であるが、その当時ではGoogleも設立後5年目という生まれたてに近い企業だったので、自分の記憶とも合っている。インターネットとそれに関わるビジネスは最早語り尽くす事は不可能な巨大な存在になってしまったようだ。英語版Google(Google.com)で「Google」を検索すると「約 13,920,000,000 件 (0.11 秒) 」と出た。同様に、「Yahoo!」を検索すると「約 872,000,000 件 (0.16 秒)」と出た。その比ははおよそ16:1でGoogleが圧倒している。「アジアの検索エンジンシェアhttp://www.globalmarketingchannel.com/information/search_share.html」を見ると、国毎に検索エンジンのシェアが異なるようだ。

本書の中に「Google八分の刑」というコラム記事がある。「Google八分」の扱いを受けたという人が書いた本もあったと思う。検索エンジンの影響力がはかり知れず大きくなった結果であろう。「お気に入り」全盛の前には、インターネットのアドレス集等分厚い本も出版されていた記憶もある。改めて時代の変化の早さを感じる。本書は検索エンジンを利用する立場から書かれており、参考になる。突き詰めると、インターネットも、子供がもしもしと話す糸電話と基本的には同じ構造ではないかと思った。通信回線という電話線(それが今は光や電波になったが)が無ければインターネットもあり得ない。

20~30年前頃は海外との業務通信はTELEXを使用していた。下書きを書いて、オペレーターに渡すとオペレータがタイプを打った。その内容を、先方のタイプが打ち出した。急ぎの時は、海外電話で直接話すが、時差があるので、通話相手が両方出勤時間範囲になるよう通話時刻を合わせた。その後はFAXの時代となり、海外とのやりとりも自分でできるようになった。その次がパソコンによる電子メールの時代。この時代までは、通信相手も限定され、ほぼ相手が特定できた。通信料金が高いのも制約条件だったろう。インターネット時代になると、情報伝達のスピードが上がり、コストが下がった。そういう条件ができたので、不特定多数との通信が可能になったのだろう。安くて、早くて、便利というコンビニスタイルができあがった。その裏には巨大なブラックホールが潜んでいたのだが。

2012年8月 8日 (水)

読みかじりの記:星降る夜のパソコン情話 中村正三郎 著 (1996年 株式会社ビレッジセンター出版局)

2012年8月8日水曜日
昨日は晴れ。最高気温(℃) 35.7 13:43 。またも猛暑日。かみさんから高温注意報が出ているからと禁足令が出る。雨が降ったから水くれも不要だろうと言う。宅内で残務整理。廃品回収業者が古い農機を目当てにやってくる。昔の農機は、個人で買うには余りにも高価だったので、同じ作物を作る者数人が出資して共同購入をした。ゴボウを掘るトレンチャーという機械がもう2~30年ほど前から休眠している。ゴボウ栽培は長続きせずに、いつの間にか全員撤退。健在の出資者やその後継者から処分を任されているが、捨てきれない。

2012年8月7日の天気

TAVE= 29.3
TMAX= 35.3 最高気温(℃) 35.7 13:43
TMIN= 23.9 最低気温(℃) 23.6 01:31
DIFF= 11.4
WMAX= 5.8 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 10.8(北) 16:56
SUNS= 12.9
RAIN= 0




読みかじりの記:星降る夜のパソコン情話 中村正三郎 著 (1996年 株式会社ビレッジセンター出版局)

日本のパソコン普及の前史として、コンピュータキットの販売があった。その後、コンピュータキットを箱に入れたようなマイコン時代になったが、価格も高く各社各様の仕様で、ガラパゴス状態となった。ゲーム器メーカーもコンピュータに参入。国内家電メーカーが相乗りしたMSXも、一時のブームの後収束した。パソコンもゲーム用、汎用、ビジネス用と分化。

本書が扱うテーマは、パソコンがようやく一般に普及を始めた頃のパソコン事情である。MAC OSの他社ライセンスの話題なども出てくる。豊富な話題がてんこ盛りの本で、当時の事情を懐かしむには最適な本だろう。パソコンの可能性にチャレンジして、いろいろな試みが行われたが、結局ユーザーの支持が得られなかった試みは消えていったようだ。そういう点で、本書は何が消え、何が残ったかをひっそり楽しむには最適だ。

かつて、DOS時代はIBM互換機に近いと言われた東芝のノートPCダイナブック等を主に使っていた。文書作成は、VZエディターを使用。その流れで、ウィンドウ版のWZエディターを今も使っている。追記:VZエディターにはファイル操作が出来るファイラー機能があったのでこれを便利に使用していた。

「VZ Editor。http://ja.wikipedia.org/wiki/VZ_Editor。(最終更新 2012年5月26日 (土) 12:35 )」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「[編集] 概要:愛知県の名古屋工業大学出身のプログラマ、兵藤 嘉彦(ひょうどう よしひこ、c.mos)がアセンブラで記述し、1989年5月に株式会社ビレッジセンターから発売した。兵藤が設計したエディタ「EZ98(EZ Editor)」を基に[1]、兵藤が自ら改良・機能強化を施し、改称して出荷した。フロッピーディスクには、実行プログラムの他、アセンブラのソースコードも同梱されていた。 当時、ビレッジセンターは、アメリカフリーソフトウェア、シェアウェアの店を営業しており[2]、英語ソフトウェアの日本の機種への移植製品や、GNUなどのフリーソフトウェア関連製品の販売をしていた。そう言った経緯があり、開発者である兵藤の名が前面に出るといったユニークな販売スタイルとなった[3]。 1992年頃のVer.1.5の対応機種はPC-9801シリーズとその互換機用に東芝のJ-3100シリーズ、AXマシン用が添付、そのほかにDOS/Vマシン、日本IBMのPS/55シリーズ用を別途用意していた[4]。」

本書が、株式会社ビレッジセンターから出版されたのも、当時の雰囲気を反映しているのではないかと思う。この記事もWZ エディターで書いているが、そのバージョンを調べると、3.00Dと出た。著作権表示は1995-1997、株式会社ビレッジセンターとあり、本書の出版時期に重なる。思えば、WZ エディターも長寿ソフトの部類だろう。

「WZ EDITOR。http://ja.wikipedia.org/wiki/WZ_EDITOR(最終更新 2012年2月10日 (金) 13:05 )」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「WZ EDITOR(ダブルゼット エディタ)は、山口 敏郎(やまぐち としろう、TY)が開発し、株式会社WZソフトウェアが販売するWindows用テキストエディタである。 1995年6月、株式会社ビレッジセンターよりバージョン1.0が発売された。 C言語の文法によく似たTX-Cと呼ばれるマクロ言語を実装しており、柔軟なカスタマイズが可能である。 通常のテキストファイルの編集だけでなく、C言語のプログラムファイル、HTMLファイル、縦書きや体裁文書など、様々な文書ファイルを作成できる。また、カスタマイズをすることにより、独自のファイルフォーマットのファイルの編集を行うことが可能である。 1988年発売のMS-DOS用テキストエディタ「VZ Editor」から2003年10月発売の「WZ EDITOR 5.0」までを販売してきた株式会社ビレッジセンターは、2008年4月に株式会社WZソフトウェアに対して「WZ EDITOR」関連事業を移譲し、2008年11月末に会社を解散した。「WZ EDITOR 5.0」はバージョン5.03が最終版となった。」

パソコンも基本的には、機械語の命令で動く機械に過ぎない。その命令書がソフトになるわけだが、命令書はアルファベット文字と数字等のわずかな字数で構成される。このわずかな文字でコンピュータという機械を、更にはインターネットというヴァーチャルな世界を支配しようという意欲は何か日本人に不足している才能のように見える。

2012年7月 9日 (月)

読みかじりの記:「農で起業する! 脱サラ農業のススメ」 杉山経昌 著 (2005年 築地書株式会社)。20120709。

2012年7月9日月曜日
昨日は朝まで雨。昼過ぎより晴れ時々曇り。キキョウ?の苗をポットに移植。トロ箱苗の除草。カナムグラの退治。PDFをコンビニコピー。今回はOKとなった。A4原稿を袋とじA3原稿で印刷する。袋とじ機能はワードにあるのだが、初めて使った。コピー代節約が目的。最近、@5/枚コピーを某百均店で見つけた。大量コピーの場合は出向いてもメリットがありそうだ。移植した花の苗は「キキョウ」の苗か定かではない。本葉4~5葉。

沼田市の沼田城址公園(沼田城址)を見学した時、観光ボランティアの方が市の花「キキョウ」ですと言って見学者に種子を配ってくれた物。粋な計らいではないか。沼田市ホームページによると、「市の花 ききょう(昭和54年10月10日制定)」とある。公園の一角に「旧土岐邸洋館」があり、沼田市の歴史を見学出きる。WIKIPEDIA「土岐氏」によると、その家紋が「桔梗」とある。見たことがない苗なので「多分キキョウ」ということで作業。もう一種類、花の種をまいてあるが、こちらは発芽が良くない。どちらがキキョウか咲くまでの楽しみだ。

朝方は雨なので、「農で起業する! 脱サラ農業のススメ」を再読。追記:「キキョウ」で思い出すのが「帰郷」。前東京都知事の美濃部亮吉氏の引退の辞に唐淵明の「帰去来の辞」:「帰りなんいざ 田園まさに荒れなんとす」があったのを思い出す。現都知事はもう一期と意欲を見せているようだが、その意欲で本業の作家に戻れば、歴史に残る大作家も夢ではない?「帰りなんいざ 田園すでに荒れ 日々ヤブガラシを抜く」

2012年7月8日の天気

TAVE= 22.3  
TMAX= 27.5 最高気温(℃) 28.0 14:59 
TMIN= 19.6 最低気温(℃) 19.5 06:11 
DIFF= 7.9  
WMAX= 3.2 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 6.7(東北東) 16:49 
SUNS= 3.1  
RAIN= 15.5  

Q
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読みかじりの記:「農で起業する! 脱サラ農業のススメ」 杉山経昌 著 (2005年 築地書株式会社)

ほぼ150年前は、士農工商という身分がほぼ固定していた時代。職業が社会の身分でもあった。士農工商という階層の人口比率はどうだったかと思う。江戸時代は会社組織は未熟であったので、農工商の基本は個人事業だったろう。武士は、お上にお勤めというサラリーマン。たまたま、本書を書棚から取り出したのが昨日。2006/7/7の書き込みがあった。丁度、購入から6年後に再読した。

同じ半導体業界で飯を食い、潔く脱サラ就農した事をまぶしく感じた事があった。すまじき事は宮仕えと現役時代には毎日と言っていいほど思っていたのだが、いざ農業をしようとしても無い無い尽くしというのが現実であった。しかし、よくよく考えると、農業も理工から文理、はては倫理、美学まで、その気になれば、深遠な所業ではある。十人十色どころではなく、十人百色とも言える。外資系の半導体会社にいたらどこまで持ったかと今になって思う。再読して、著者のまぶしも再度感じた。

本書の中で、「ワラ一本の革命」の著者福岡正信氏の奥様から、「有機農業をめざすのは、まず普通の農業で食べられるよう努力しそのメドがついてからにしなさい」と諭された事がさらりと述べられている。「ワラ一本の革命」は未だツンドクで、あるが是非読んでみたいと思っている本だ。現役時代は開発という仕事で、日々試行錯誤の連続。その面白さは農業でも少しは役立っていると思う。世紀の発明である半導体の機能も、異なる物質成分が重なる接合部分で起こる。その点は、接木とも共通する。接木が面白いのも、半導体の接合と共通する点があるからだろうと思っている。

七月七日は七夕祭りで、子供の頃は、短冊に願い事を書いて祝い、その後はその竹竿を田んぼの隅に立てた。これも、農事と関係しているのかも知れない。農作業の繁忙期をマクロ的に見れば、田植えと刈り取りが大きな山場だ。その中間に、骨休みのように夏の祭りがある。かつて著者のホームページがあり、その多芸多才ぶりを興味を持って読ませてもらった事がある。そのホームページは今はない。本書出版社のサイトに「2007年元旦から「葡萄園スギヤマのホームページ」は閉鎖いたしました。」とあった。

二昔以上前は、日本の半導体の圧倒的な強さで、米国半導体メーカーは苦戦して、ついに米政府が日本の半導体市場開放を迫ってきた。半導体市場アクセス問題になった。日本の半導体メーカーも米国半導体メーカーから自社と競合しない半導体を購入して、売りさばくお手伝いのような事をしていた頃があった。CMOSロジックICがその対象の一例。互換性がある半導体はそういう技が使える。その日本の半導体業界も今は見る影もない。日本の基本産業として国がテコ入れをする様子も見えない。日本という国はなんとお人好しの国なのかと思ったりもする。

農業は脱サラで気楽にできる仕事でもないだろう。著者夫婦が、農業を始めた頃、除草に1000時間以上も費やした努力には脱帽する。ヒトは時に怠惰、病気等々で休むが、山川草木は、時々刻々と動き、休むことがない。自然とどのように向き合うかそれも農業の楽しみ・生き甲斐にに通じるのではないか。本書の、お金、効率、生産性云々というビジネスライクでない話題の部分で一息ついた。農業を産業と言うのもおかしな感じだが、本当の「産」業のルーツは農業にあるのかも知れない。「産み」育てるのが生き物の原点だ。農業にはその原点がある。

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追記(2023/05/06):タイトル末尾に投稿日を追加。現在ランキング2位。自分のアクセスもカウントしているようだが、当ブログにもまだ読者がいるようだ。読者に感謝。本書続編が出版されたようだ:「83歳、脱サラ農家の終農術 ; 杉山経昌[著]1,800円+税 四六判 200頁+口絵3ページ 2022年7月刊行 ISBN978-4-8067-1638-9」。

2012年7月 2日 (月)

読みかじりの記:「ドキュメント 東京電力 福島原発誕生の内幕」 田原総一朗 著 (2011年 株式会社 文藝春秋)

2012年7月2日月曜日
昨日は曇り15時頃から雨。百日草(ジニア)の苗植え付け全部終了。小豆大納言の苗を定植。密蒔きにして管理。定植場所の雑草を除去後に植える。本葉2~3葉。草丈15~20㎝ほど。播種後3週間程度。灌水の手抜きのため雨がパラパラ降りだしてから始めた。民主党は分裂含みでゴタゴタしている。関西電力大飯原発は定期検査で停止していたが、運転再開に異論がある中、総理大臣の判断で起動のSWが入った。本日、夕方に臨界に達すると報道されている。原発は利権の宝庫なのか。

NHK NEWSWEBは、「小沢氏 約50人と離党届提出へ;url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120702/t10013252791000.html(2012年(平成24年)7月2日[月曜日]7月2日 4時0分)」というタイトルで、「民主党の小沢元代表は、野田総理大臣がいまの国会で消費税率引き上げ法案の成立を目指す方針を変えないとしていることから、2日、離党を表明する見通しです。そして、みずからに近い衆参両院の国会議員およそ50人と共に速やかに離党届を提出する方向です。」と報じた。この記事は文体が「です」なので目を引いた。視聴者をナメテバカ丁寧にならないように願いたいところだ。メディアが使う文体は報道姿勢を現すのではないか。

毎日.jpはその報道写真の説明で、「大飯原発:3号機を起動 「稼働原発ゼロ」2カ月で終了;url=http://mainichi.jp/graph/2012/07/02/20120702k0000m010077000c/001.html」というタイトルで、「大飯原発3号機再稼働 中止申し入れ書の受け取りを求め機動隊員に詰め寄る参加者=福井県おおい町で2012年7月1日午前8時36分、松野和生撮影」と報じた。この写真の機動隊員の視線はカメラをそれている。マスクをしている機動隊員もいる。前総理も歴史に名前を残そうと突っ走ったような記憶が残る。現総理もやけっぱちになって同じ道を歩むのか。

2012年7月1日の天気

TAVE= 20.6
TMAX= 22.8 最高気温(℃) 23.3 11:38
TMIN= 19.1 最低気温(℃) 19.0 23:23
DIFF= 3.7
WMAX= 2.1 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 4.1(南東) 11:48
SUNS= 0
RAIN= 18

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読みかじりの記:「ドキュメント 東京電力 福島原発誕生の内幕」 田原総一朗 著 (2011年 株式会社 文藝春秋)

本書の「はじめに」に本書は「ドキュメント東京電力企画室」を改題復刊したものと書かれている。その日付が2011年5月。あとがきの日付が1980年12月である。本書に添えられた「はじめに」と「あとがき」に、著者のジャーナリストとしての視点が記されて、本書の読みかじりの参考になる。約32年前に本書を世に出した著者のジャーナリストとしての慧眼の鋭さを知ったのも読みかじりの効用であった。東京電力は技術会社より企画会社、生まれから国策会社という性格が色濃い。それを、本書では国家(官僚)と電力会社という対立軸を通して描いている。その先は自分で考えろと言っているように感じた。東京電力を運営してきた経営者も企画畑の人材だ。その体制が、東京電力本年実質国営化するまで続いてきた。「企画」とは、良くも悪くも企みを画にして、そこに立ち向かう事だろう。未開拓の事業が見える経営者、本書に登場する東電会長木川田一隆もその意味では企画の人材であったのか。しかし、ハード的な未開拓の事業がおおむね完成してしまうと、経営は守りの姿勢に転じてしまう。志を失う。日本の将来も見えなくなる。その昔の体質を改善もせずに続けてきた東京電力はまさに、色々な意味で破綻したのではないか。国家(官僚)は、幸運にも、敵失に乗じて、本丸をハイジャックしたが、本業をまともにできない連中が、厄介者をどこまで介抱できるか国民も懐疑心が募るだろう。本書に、電力王(翁)松永安左エ門が吐き捨てたという「浮かれ革新」という台詞が登場する。浮かれている現象の底流を見よとのメッセージに読めた。

「木川田一隆。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E5%B7%9D%E7%94%B0%E4%B8%80%E9%9A%86。(最終更新 2012年5月23日 (水) 14:50 )」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「木川田 一隆(きがわだ かずたか、男性、明治32年(1899年)8月23日 ? 昭和52年(1977年)3月4日)は、昭和期の経営者・財界人。元経済同友会代表幹事(1960年~1962年(複数代表幹事制)、1963年~1975年)。「企業の社会的責任」を唱導した、哲人的財界人として名を残している。
来歴・人物 [編集]:福島県伊達郡梁川町(現伊達市梁川町)生まれ。旧制角田中学(現・宮城県角田高等学校)、旧制山形高校(現・山形大学)を経て、1926年東京帝国大学経済学部を卒業、東京電燈に入社する。東大時代は河合栄治郎の講義を最前列で聴き、河合の唱える理想主義的自由主義に傾倒した。社会に出てからは「電力の鬼」松永安左ヱ門に師事し、民間企業人としての闘魂を学ぶ。戦後の1951年、電力業界再編で誕生した東京電力で常務、1954年副社長となるが、部下の汚職事件の責任を取って1958年常務に降格する。ほどなくして1959年副社長に返り咲き、1961年青木均一の後を継いで社長に就任した。」

本書でも、木川田一隆と福島県への原発設置の関係が述べられていた。木川田一隆にとって福島県は生まれ故郷になる。郷土の発展は誰もが願うことだろう。改めて都市と地方の格差も痛感する。原発が来たことにより、県内最貧村が最富村になるという仕掛けがあった。それも企みなのか。

2012年6月15日 (金)

読みかじりの記:マメな豆の話し ~世界の豆食文化をたずねて~ 吉田よし子 著 (2000年 株式会社 平凡社)

2012年6月15日金曜日
昨日は曇り一時晴れ。葬儀。つるなしインゲンの播種。お手伝いが来た、というより、そのインゲンの種を何粒かくれてお手伝いをしてもらった。老爺心で種まきから育てる事を体験してもらいたいと思っている。今年は豆の種をたくさん播いた。豆、マメ、まめな云々という本を読んだ記憶を思い出した。

2012年6月14日の天気

TAVE= 18.3
TMAX= 22.9 最高気温(℃) 23.1 14:01 最高気温(℃) 23.1 14:01 
TMIN= 15.2 最低気温(℃) 15.1 04:27 v
DIFF= 7.7
WMAX= 3.6 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 7.1(東南東) 15:31 
SUNS= 1.6
RAIN= 0

Q
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読みかじりの記:マメな豆の話し ~世界の豆食文化をたずねて~ 吉田よし子 著 (2000年 株式会社 平凡社)

ここまで書いて、何か音の繰り返しに、リズムのようなものを感じた。マメな仕事が苦手な爺さんが、マメに、豆をまける筈もない。この本も、豆作りのきっかけを与えてくれた本ではあった。ひょっとしたら、最近お土産にもらった豆の謎が解けるかもと期待して再度読みかじった。豆が、穀物種子より大きいと言う点も指摘している。仮に球形として、直径1㎜の種子と1㎝の種子ではその比は10倍となり、体積はその3乗だから、体積比(重量)は千倍となる。豆は、扱いも原始的で老人向きの作物かもしれない。

現役時代、ロッキード事件という政界を揺るがした大事件があった。その賄賂の金額がピーナツ何個という暗号で取り交わされていた事を思い出す。やはり、米粒が何ツブでは事件が余りにも貧弱に見えてしまう。ピーナツは米国の農産物としても著名だ。米国に設立された半導体販売子会社のキモイリで、現地の会社と集積回路を開発する事になった。相手の会社の技術者が打合せのために、何回か来社した。そのとき、次回来社時のおみやげの話がでた。これも冗談半分の話だが、JELLY BEANSが良いねーと話した。JELLY BEANSも、米国のどこかの州と関係があったように記憶しているが思い出せない(調べてみるとアメリカ・カリフォルニア州らしい)。何と、次回の打合せの時、営業担当者がそのJELLY BEANSをお土産にもってきてくれて、打合せは和やかに進んだ。相手の技術者も若かったし、こちらも若かった。しかし、開発アイテムの噂を聞いたとき、自社で本当に出来るのかと心配した。その担当のおはちが自分に廻ってくるとはまさか予想もしなかった。

豆といえば大豆が圧倒的に多いようだ。日本では納豆、豆腐がもっとも普通の食材になっている。しかし、それ以外となると、アジアやインドの豆食文化ほど厚みがないようだ。ともかく、従来農法は豆の特性を上手に取り入れている事が本書で理解できる。豆の植物学的な特性として、種子が大きいので、害虫・外敵からの保護のために、豆に毒性成分を含む場合もあるとの指摘も参考になった。

著者の母のふるさと群馬県吾妻郡では、紫花豆の中に、白花豆を混植して、大きな種子ができるように栽培が工夫されていると書かれており、余り知られていな栽培技術の紹介もある。豆の花も食べられるとの事なので、これも面白い豆の活用法かもしれない。モヤシ価格は比較的安く安定している。スーパーに出かけたついでに、モヤシや油揚げは良く買う。何かと便利な食材だ。最近はトウミョウも見る。これは意識的に買って食べた記憶がないが、冬場の野菜としては重宝出来そうだ。豆も、家庭菜園で作ると面白そうだが、そのためにはマメでなければならない。
Maem_omiyage_hatuga
DSC=2011/6/11

2012年5月18日 (金)

読みかじりの記:「捨てるな、うまいタネ」 藤田 正矢 著 (2003年 WAVE出版)

2012/5/18(金)
昨日は晴れたり曇ったりの天気。朝夕作物に灌水。昼は外出。5/17のコヨミデータは、:
年月日 出 方位[°] 南中 高度[°] 入り 方位[°]
2011/5/17 4時36分 65.3 11:39:36 72.9 18時44分 294.9
昼間の時間は約14Hある。
この日の昼間の時間の日照時間は、AMEDASによると、
4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時
0 0 0 0 0 0.7 0.8 0.5 0 0.1 0.7 1 1 0.9 0.2 0
その日の空模様を一行程度で正確に表現するのはなかなか難しい。雨もなく、暑すぎず外出日和であった。カボチャのポットの土が盛り上がってきた。播種から11日目位か。畑土に鶏糞を入れて用土としたのだが、発芽の気配が無く、肥料分が多すぎて種まき失敗と心配していた。苗がうまく育てば、畑で雑草と格闘してもらう。直売所で買った、最も赤色が綺麗に出ていた唐辛子のタネを採種して播いて見たが、発芽の気配はない。その辛みの成分が目に入り、涙を流して飛び上がったが、それも楽しい失敗になりそうだ。

2012/5/17(木)の天気

TAVE= 19.5
TMAX= 25.6 最高気温(℃)  26.0  15:26
TMIN= 13.1 最低気温(℃)  12.3  04:06
DIFF= 12.5
WMAX= 3.8 最大瞬間風速(m/s)  8.1(東南東)  15:27
SUNS= 5.9
RAIN= 0


Q

読みかじりの記:「捨てるな、うまいタネ」 藤田 正矢 著 (2003年 WAVE出版)

本書の表紙に、著者は「某研究所に勤務し、植物の品種改良を行うかたわら、執筆活動を行う」とある。種から育てる楽しさを教えてくれる。教えてくれるだけならそれまでだが、その気にさせ、種を播かせたら、著者冥利を味わえるのではないか。辞書でF1を引いたら、自動車のグランプリレースが出てきて育種のF1は載っていない。種から入って、生物のライフサイクルを知ることができれば、どれほど人生の理解に役立つことか。その気になれば種は身近なところにある。いざ種をまこう。ところで、育種でのF1のFとはFilialの略で親から数えて○世代の意味だそうだ。遺伝的に新しい品種は品種登録で育成者に権利が与えられる。F1には、そのような育種上の特許の独占的権利は与えられない。いわば、交配というノウハウがビジネスの基本になっているのだろう。F1から次世代、次次世代と育てて行くと、F1を作る固定種が現れてくるのだろうか。固定種はいわばパブリックドメインに属するDNAといえるのではないか。文化や歴史を考えるとどうしても、何代も世代を遡りたくなる。そこに系統という考えが出てくるが、その系統をささえるのも、雑多ないわば雑種なのかも知れない。

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  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

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  • 項目のタイトル2
    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
  • TYPE LIST事始め
    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)