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2009年2月

2009年2月 7日 (土)

実生きんかん

2009/2/7

実生きんかん

我が家の実生きんかんは成木になったので樹高の成長はほとんど止まっているようだ。既

に樹齢は30年前後ではないかと思う。いつ、どのようにして種をまいたか完全に忘れてい

る。しかし、樹木の種をまいて育てることに興味があり、細々とその趣味が続いている。花

が咲き実が生れば上々の成果である。この実生きんかんも完全に自分の地位が決まった。

一人前の成木になり、自分の存在を主張している。種が多いが果皮の甘酸っぱさに人気が

ある。このきんかんの実がきんかんの木から離れている所にあちこち落ちている。その理由

が分からないのであるが、どうも鳥が運んでいるのではないかと思っている。冬場に鳥の餌

が乏しくなるときんかんの実も食べているようだ。きんかんは実が小さい割に種もあり、みか

んのような食べ方ができない。新品種のプチマルという種無しきんかんが開発されている。苗

を植えてあるが、まだ実が生らない。どんな実が生り、どんな味がするか楽しみである。

2009年2月 5日 (木)

実生夏みかん

2009/2/5

実生夏みかん

ほぼ15年位前に夏みかんの種をまいた。3本が育ち、内1本を接木の実験で枯らしてしまっ

た。現在2本が残っている。しかし、一本の頂上まで蔓草(かなむぐら)がはい上がり樹勢が

衰えてしまった。最後の一本はたわわに実をつけた。柑橘類はユズの例で知られるように実

生から実が生るまでが長い。我が家の実生夏みかんも忘れかけて黄色い実を見て初めて結

実を確認した。播種期日がはっきりしないが7~8年位で結実したと思われる。桃栗三年柿

八年柚の馬鹿めが18年と言われているが予想より早く結実したように感じる。果樹に実が

生るという事は動物ならば繁殖期に達することと同じである。ともかく、幼若期は成長に全エ

ネルギーを傾ける。これは、動物のように動けない植物のしたたかな生き残り戦略かのよう

である。ようやく、樹体がもう安全だと思った時に花をつけて実を生らす。何か人間の生き様

に似ているところもある。

2009年2月 4日 (水)

DOS/Vパソコン

2009/2/4

DOS/Vパソコン

二つの予期せぬ出来事で豆まきを怠ってしまった。しかし、季節は着実に進んでいる。

杉花粉の飛散が何時頃から始まるか気になるところだ。

一般人にとってメインフレームコンピュータは雲の上の存在である。パソコンという形で市場

に流通して身近な存在になる。パソコンの歴史を振り返ると下克上の時代を経て天下が統一

されるような印象を受ける。8ビットCPUを使用したホビーパソコンがパソコンを一般人になじ

ませた功績は大きかった。しかし、実用的な仕事をさせるには8ビットCPUでは能力不足で、

16ビットCPUが普及してから真のパソコンの実用化時代が到来した。DOS/Vパソコンは日

本IBMが1990年に開発したPCである。IBM PC互換機ではPUBLIC DOMEINというフリーソ

フトが多くあり、それが使いたかった。パソコンの進歩は早いので最新機を追っていてはお金

がついて来ない。何世代か遅れた中古機種を使っていた。秋葉原を巡っていた時、型遅れ

だが新品の純正IBMPCが店頭に並んでいた。そこそこの値段だったのでつい買ってしまっ

た。

追記(2019/11/09):最近このパソコンと物置で面会して写真撮影したのでここに載せておく。FDDに蓋がない!ディスクは読めるか?ROM-BIOSだったので起動はするか?

Iob_2019_ibm_dos_v_20191103
原ファイル名=「IOB_2019_IBM_DOS_V_パソコン20191103.jpg」
IOB=IMAGES ON Beloved Ones

しかし、自宅までどうして運ぶか考えていなかった。重い段ボール箱を持って宅配業者を

捜した。OSは初期のIBM DOS J4.0/Vであった。本体はまだ物置の隅にある筈だ。ともかく、

IBMは関連のドキュメントを用意しており詳細情報を得たい時には重宝した。IBMがパソコン

部門をLENOVO社に売却した事でIBMとパソコンの関係は遠くなった。IBMの集中と選択と

いう戦略の中でパソコンがその主流から外れた事に間違いはないだろう。

2009年2月 3日 (火)

雑音指数

2009/2/3

雑音指数

高周波トランジスタの特性は主にPOWER GAIN(電力利得) とNOISE FIGURE(雑音指数)

で表される。チューナ用のVHFトランジスタの特性を保証するにはPGとNFを測定する必要

がある。測定周波数が300MHzと高いので測定用ジグの作成と調整が大変であった。回路

形式は分かるが、回路定数は大抵分からない。生産が控えていると理論より実際が優先さ

れざるを得ない。ジグの作成では金属加工の板金屋のような事も何回と行う。ジグが出来て

から調整。データをとってばらつきサンプルで相関を確認する。うまく行かない場合は同じ事

を繰り返してやる。試行錯誤の連続であった。実際の生産工程で選別を始めるとうまく行って

いるのか気になる。調子がおかしいと連絡があると直ぐに協力工場に向かう。生産が安定し

て、協力工場でも技術者が育ち引継ができたところで生産の立ち上げという仕事から解放さ

れる。自分が携わった仕事はデバイスの設計・試作では無かったが、出来たデバイスが使え

るのかの判断と生産、市場導入であった。おかげで、工場や顧客へ出向く機会が多かった。

場合によりクレームの対応もした。幅広い仕事が出来たのは組織が巨大化していなかったこ

ともあった。

2009年2月 2日 (月)

科学用電卓

2009/2/2

科学用電卓

たしか、科学計算用の関数計算機能のついたHPの電卓を買った覚えがあった。関連情報

は以下のURLにある。これを手がかりに振り返ってみる。

http://www.hp.com/hpinfo/abouthp/histnfacts/museum/personalsystems/0023/

最初のモデルはHP-35で1972年に発売されている。35個のキーがあり、計算尺の機能に挑

戦したようだ。このモデルは1975年に販売中止になるまで30万台売れたと述べられてい

る。自分が買ったモデルは磁気テープが付いていてプログラムの記憶が出来たと思う。もう

少し後のモデル化もしれない。ともかく安い商品ではなかった。しかし、技術者の購買意欲を

誘った商品であった。キーのクリック感覚がかなり固く弾力があった。1968年にデスクトップ

コンピュータのHP9100Aを開発して、これを小型化したのが科学用電卓であったようだ。多

分会社で仕事に使ったのがHP9100Aかその後続機ではないかと思う。今日HP社はコンピ

ュータ事業に集中して、測定器関係の事業はAGILENT TECHNOLOGY社に引き継がれて

いる。多分、コンピュータと測定器は売れる数が一桁か二桁は違うであろう。当然市場も異な

る。自分が入社初期に使用したHP 608Eという真空管式の信号発生器は大きく、重くがっし

りしていた。当時の測定器の発熱は並ではなかった。シールド室で数台の測定器に電源を入

れると夏は汗がしたたり、時にはうとうとが始まった。冬は適当な暖房になった。HP社の測定

器とコンピュータとのつき合いのあった技術者はかなり多かったのであろう。

2009年2月 1日 (日)

ベクトルボルトメーター(改題):会社生活断面記:技術 回顧と展望:測定器は技術の原点!090221&171221。

2009/2/1:元版
2017年12月21日(木):改版

ベクトルボルトメーター(改題):会社生活断面記:技術 回顧と展望:測定器は技術の原点!

最近、古い記事やランキングに入った記事の再読をしている。この記事にも読者がいるようで、読みにくさを感じていると思う。そこで、手入れをして読み易くすると共にもう少し中身を充実させたいと思う。

交流理論を学習すると電圧が振幅と位相で表現されるのが理解できる。一般の交流電圧計はこの信号の振幅部だけを測定する。しかし、ベクトルボルトメーターというのは位相も測定できる。従ってメーターが振幅用と位相用の2つあった。

以下は、現役時代、まだトランジスタの測定を、半分いやいやながらさせられていた頃の話である。

実はこういう物を買ったよと上司がにこにこしながらこの測定器の説明をしてくれた。このベクトルボルトメーターにSパラメータテストセットを接続するとSパラメータが測定できた。データの測定がメータで読みとれたのは大きな進歩であった。

当時の、高周波トランジスタのパラメータ測定には、ドイツのローデシュワルツ社のZ-Gダイアグラム?とか、米国G社の通称骸骨と呼んでいたGRブリッジ?これもうろ覚えだが、があり、これらの測定器の原理には、導波管や超短波に関する理論があったようだ。しかし、独特な操作を要し、全然馴染めなかった。トランジスタの足の長さが数ミリ違うだけで、バランスが崩れ、測定値の再現性が乏しかった。内心、こんな仕事は続けたくなかった。

ベクトルボルトメーターには、PLL(PHASE LOCK LOOP)という最新の技術が使われていたらしく、測定も安定して再現性も向上した。しかし、当時の回路設計にはSパラメータよりYパラメータ等が使用されていた。SパラメータからYパラメータへの変換はデスクトップのミニコンピュータを使用した。

今、考えると、会社の現場にベクトルボルトメーターが導入されたのは、小さい事ながら相当な技術革新と思える。

ベクトルボルトメーターとデスクトップコンピュータのメーカーはヒューレットパッカード社であった。下記URLでヒューレットパッカード社はデビッド・パッカードとビル・ヒューレットという二人の技術者が立ち上げたシリコンバレーの最も息の長いIT企業の1つであると紹介されている。http://diamond.jp/series/bizmanager/10036/(リンク切れ)

実験室で最初の頃からお世話になったのがHP社のバルボルとSGであった。S.Jobsの伝記に、HP社から便宜を受けて、コンピュータの世界に足を踏み入れたと知ったのも、まだ数年前の事だ。ソニーもその前進の時代にバルボルを作った事もあるようだ。

HP社には、米国企業の良い面が色々あったようだ。やはり、創業の精神が失われずに受け渡されているのだろう。測定器部門は、HP本体から分離したと思うが、測定器は産業の基礎であり、その基礎を忘れない事が、次なる産業の発展の基礎になるのだと思う。

上司のT氏はコンピュータ事業に移り、自分も集積回路の開発に移り、ディスクリートデバイスの開発から離れた。しかし、Sパラメータからトランジスタのパラメータを抽出するという技術は集積回路のCADで特性をシミュレーションする素子のモデリングに活用されていった。

ともかく、最初にまかれた小さな種もそれを大切に育て次のランナーに引き継ぐことにより大きな事業に成長することに例外は無いであろう。

最近になって、重力波の観測が脚光を浴びている。その原理は単純であるが、測定精度を究極レベルに高める事が必要なようだ。地味だが、測定するという基本の重要性は忘れまい。

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2009/2/1

ベクトルボルトメーター

交流理論を学習すると電圧が振幅と位相で表現されるのが理解できる。一般の交流電圧計

はこの信号の振幅部だけを測定する。しかし、ベクトルボルトメーターというのは位相も測定

できる。従ってメーターが振幅用と位相用の2つあった。実はこういう物を買ったよと上司が

にこにこしながらこの測定器の説明をしてくれた。このベクトルボルトメーターにSパラメータ

テストセットを接続するとSパラメータが測定できた。データの測定がメータで読みとれたのは

大きな進歩であった。PLL(PHASE LOCK LOOP)という最新の技術が使われていたらしく、

測定も安定して再現性も向上した。しかし、当時の回路設計にはSパラメータよりYパラメータ

等が使用されていた。SパラメータからYパラメータへの変換はデスクトップのミニコンピュー

タを使用した。ベクトルボルトメーターとデスクトップコンピュータのメーカーはヒューレットパッ

カード社であった。下記URLでヒューレットパッカード社はデビッド・パッカードとビル・ヒューレ

ットという二人の技術者が立ち上げたシリコンバレーの最も息の長いIT企業の1つであると紹

介されている。http://diamond.jp/series/bizmanager/10036/

実験室で最初の頃からお世話になったのがHP社のバルボルとSGであった。

上司はコンピュータ事業に移り、自分も集積回路の開発に移り、ディスクリートデバイスの開

発から離れた。しかし、Sパラメータからトランジスタのパラメータを抽出するという技術は集

積回路のCADで特性をシミュレーションする素子のモデリングに活用されていった。ともか

く、最初にまかれた小さな種もそれを大切に育て次のランナーに引き継ぐことにより大きな事

業に成長することに例外は無いであろう。

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    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

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