はさみ研ぎ
2008/10/17
はさみ研ぎ
はさみ研ぎ切れ味鈍る秋の暮れ 夢野照緑
大抵の刃物は研げば少しは切れ味が良くなる。ナイフや包丁の一枚刃はこの類である。しか
し、二枚刃の鋏の類は研ぐのが難しい。今時、仕立てなどあまり行うことが無いのでラシャ鋏
の出番はほとんどない。これを、紙切り等に転用しているのだが切れ味が良くない。日頃
から道具の使い勝手はメンテナンスで決まると思っているので、自己流で研いでみた。残念
ながら研ぐ前より切れ味が悪くなってしまった。しかし、刃物研ぎは仕事の合間の気分転換で
行う場合が多い。くだんのラシャ鋏研ぎは古い道具の機能復活の試みであったが、難しそう
なのであきらめた。長く使い込んでいる道具はそれがないと何となく仕事に集中しない。自分
の場合接木ナイフなどがそれである。これは気合いをいれてその都度研ぐ。しかし、ちょっと
した仕事には何はともあれ道具さえあれば何とか間に合う。道具が無ければ仕事にならな
い。結局100円ショップの鋏を使ってしまう。じっくり研いで往年の道具を復活させたいと思っ
ているがその時がいつになるか定かではない。道具としてまともに機能しないがそこにあるこ
とにより歴史をかたってくる。そういう道具があっても良いと思う。