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2011年3月

2011年3月31日 (木)

かみつけ女流歌人 雅:竹似草咲くみち

2011/3/31
昼は晴天。苗を植えた。ランニング中のオジサンが話しかけてきた。道路沿いの水仙が良く咲いているが、うちのは丈だけ伸びて咲かないと言う。肥料が多すぎて成長モードに入り花芽がつかないのでは等話が始まる。見知らぬ人だが長話になった。マスターの中距離選手だという。夜になり雷鳴がしたが雨はわずか。降雨に期待した苗植だったが残念。今朝、早朝のNHKニュースで福島第一原子力発電所の現場体制が変わると報じられた。WEB検索をしたら、以下のようなニュースがあった。

「東電 作業員の環境改善進める(NHK NEWS)
3月30日 21時52分 
福島第一原子力発電所の復旧作業に当たっている作業員が厳しい環境に置かれていることについて、東京電力は、これまでおよそ600人が寝泊りしていた態勢から、200人ほどに絞り込んで、第二原発などに移動させ、環境の改善を進めていると説明しました。」

このニュースを聞いてふと疑問がわいた。「復旧作業に当たっている作業員が厳しい環境に置かれている」のは今分かった事ではないだろう。実際は600人どころでもないのではないか。今まで、何の気遣いもなく多くの作業員を酷使してきたことを言い直すとこういう美辞麗句になるのだろうか。政府、東京電力は外国や各種機関の支援を受け入れつつある。当然、表向きは支援というミッションを持っての入国、原発現場入りとなるだろう。支援を受ける立場からは、特別な理由が無い限り、視察や調査に条件を付ける事は難しいだろ。結局、福島第一原子力発電所は丸裸になり調査される。そうして、政府、東京電力が言ってきた事の虚実をしっかり掴んでしまう。それは当然、外交やビジネスにフィードバックされて行く。太平洋戦争時に大本営が撤退を転進と称したことが思い出される。「600人が寝泊りしていた態勢から、200人ほどに絞り込んで」という事は撤退ではないのか。今更嘘を言っても通らなくなる。WEB記事には、原発を石棺に入れるという、コンクリート詰め対策も出初めている。東北の地に何十年、何百年も立入の出来ない廃墟を作ろうとするのか。もしそうなれば、百年後にはまた大地震、大津波が発生する可能性も大きい。その時、この廃墟が崩壊して再び放射能を吐き出し、その放射能は地球規模で拡散する危険が残る。日本は、世界の孤児どころか、世界一の危険国になってしまう。

昨日の天気

TAVE= 9.8
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TMIN= 3.8
DIFF= 13
WMAX= 5
SUNS= 10.2
RAIN= 0.5

読みかじりの記:証言・私の昭和史 ②戦争への道 きき手・三國一朗 テレビ東京編(文春文庫)

自分にとって未だしっくり理解できない事がある。日本はなぜ無謀な戦争に突入し、悲惨な破局に至ったかという疑問であり、問いかけである。この本は、敗戦30年余後に、その戦争や戦争に至る現場にいた人々の証言をラジオ放送の録音から編集して出版された物である。この本を読んで、歴史の歯車は着実に戦争に向かって回転してしまったように感じた。記事の中に「斎藤隆夫の反戦演説」という項がある。昭和15年の第75帝国議会の民生党斎藤隆夫の代表質問に関する記事だ。当時の社会情勢から言いたくも言いにくい事を、勇気を持ってずばりと直言した2時間ほどの大演説で、その反響も大きかった。しかし、歴史は戦争へと回転を続ける。「ノモンハン敗戦の真実 - 一連隊長の証言 -」の項は父の従軍体験と重ねて読んだ。詳細は本書に譲るが、ノモンハン敗戦と同じパターを太平洋戦争全体で繰り返して、日本の敗戦という終局を迎えた。今、真相を振り返る事ができるなら、軍人も政治家も国民も何か足らない物があったのではないかと思える。その何かとは何か。島国という人為的な危機の少ない環境で、未だ比較的大きな変化に対応するという訓練・習性が育っていないのか。ともかく日本では大事を為すに船頭が多すぎる。責任は分散どころか霧散してしまう。日本軍は転進という名目でじりじりと戦場から追いつめられてきた。最後は玉砕だと叫ぶが、誰が戦争責任をとったのだろうか。「人間近衛文麿 - その登場と死 -」の項では自決にいたる経緯が述べられている。戦争への道は容易に突き進んでしまう。本当に難しいのは名誉ある撤退であろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:竹似草咲くみち

歌題=竹似草咲くみち:

■新緑の 山へ行きたし 木の芽摘み 足萎え我を 山が誘ふ  25 岡田 艶子

体力は低下しても、気力と春の生命力を感じさせる一首。

2011年3月30日 (水)

かみつけ女流歌人 雅:女人の作務衣

2011/3/30
春らしいのどかな晴天。畑の隅に土筆が数本出ていた。蕗の薹は白い花が咲きそうだ。米国の環境団体が福島第一原子力発電の放射能漏れを評価して、排出された放射能はスリーマイルアイランドをはるかに越えていると試算、危険度は6に相当とする上毛新聞の記事を見て愕然とする。

昨日の天気

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DIFF= 15
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SUNS= 11.2
RAIN= 0

身辺雑記:第二次計画停電はどうなるか

東京電力の計画停電が、実施され大きな不満が巻き上がっている。東北電力は計画停電を実施すると表明しているが、まだそれが必要とうするほど電力が逼迫していないようでまだ実施していない。計画停電も見方によれば、プラスの効果もあるだろう。最大の効果は電力の重要性を身を以て知らしめた事であろう。次ぎに、不要不急の電力消費を控え、突発的な停電を避けようとする予防意識が高まった事。これを裏返して見ると、電気配線は各家庭毎に接続されており、自分だけ良ければという個人主義を抑圧し、個人の連帯を意識させた事であろう。自分の節電は電気を必要とする誰かの役に立っているという意識が停電の不満を抑える働きをしている。見方によっては、避けようのない計画停電により、自ら危機管理行動をしたという、危機管理対応訓練が何百万世帯で実施できた事が最大の効果であるとも考えられる。

ところが、東京23区は計画停電から除外された。その理由や弁解は現在聞きたくもない。しかし、東京23区に及ぶ大地震が発生したとき、東京23区の住民は大規模停電に対する貴重な危機管理対応訓練をしなかった。出来なかったというべきか。従って、今後の停電に対する備えが甘くなるのではないかという予想が浮かぶ。

電力10社は、北海道電力、 東北電力 、東京電力 、中部電力 、北陸電力、関西電力 、中国電力 、四国電力 、九州電力、沖縄電力 である。何と、道州制のように地方毎に分割されている。名称が特異なのが関東地方をテリトリーとする東京電力だけだ。東京電力は関東電力と言った方が現実の電力供給体制に相応しいはずだ。首都東京という意識が反映された会社名なのか。東京23区はまさに電力界の将軍の城下町に相当するだろう。それだから計画停電からお目こぼしされているのだろうか。ともかく、東京23区が電気供給約款に基づく正当な理由もなく、計画停電から除外されている事に対して、東大法学部出身の多い東京電力経営幹部は、自分の法意識と東京電力の企業理念と照合して適切な対応をとるべきではないか。

最初の計画停電は整合性が大きく欠如し、利用者の不満が高まり、それが小幅な手直しされて実施されているのが現状であり、骨格は変わっていない。この第一次計画停電というべき計画停電は4月末で終了するとされている。問題はそれ以後の、年間で電力消費が最大となる夏の、いわば第二次計画停電をどうするかである。もしも、東京23区除外の計画停電を続行すれば、東京電力の法令コンプライアンスの是非にまで問題が拡大するだろう。東京23区は高層ビルが林立し、ヒートアイランド現象も際立つ。しかし、それは隣接都市でも全く同じである。そんな状況のなかで不公平が際立つ。東京23区を除外できる法律的根拠があるのだろうか。非常に厳しい状況であるが、東京23区の住民はそれを乗り越える力を持っているだろう。しかし、唐突に東京23区を含める第二次計画停電を実施すれば、その反対論と不満は爆発するかもしれない。が、憶測かもしれない。実際はどの地域も、その地域相当の計画停電は受け入れるだろう。第一次計画停電で市民は多くの学習をしただろう。そうなってこそ、計画停電の不便さと危機管理対応訓練という前代未聞の経験を共有できるのではないか。少しでも、その共通体験があれば、それが次なる大天災時に、身についたマニュアルとなり、混乱を和らげ、人々が連帯できる基礎となるのではないか。終戦前後、配給物資など気にせず優雅な生活ができた人々もいたという。東京23区がそんな特区でない事を望みたい。大天災時は、不公平は連帯の阻害要因であり、不便も危機もその意識と行動を共有することによって連帯が生じ、問題解決への行動つながるのではないか。

追記:夏期の電力ピークは昼間に生じる。気温が最高になるのは15時頃。冷房も停電直後は室温は急激に上昇しない、我慢の限界等を考慮して、1時間程度の都会での計画停電は不可能なのか。ともかく、順番停電はその停電時間を確認するだけでも大変だ。電力消費を分散化する地区別定時停電等は不可能なのか。定時停電にすれば、予定も組みやすいだろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:女人の作務衣

歌題=女人の作務衣:

■貂二匹 重みの違ふ 足の跡 冬耕済みし 畑をよこぎる 15 石井 テル子

仕事の歌だが、貂という動物の足跡の違いを歌にできる観察眼が素晴らしい。

2011年3月29日 (火)

かみつけ女流歌人 雅:百歳の姑逝けり

2011/3/29
穏やかな天気だったが、仕事途中に雑用で外出。耕耘機やトラクターから燃料を抜いて車に使った人もいたようだが、ガソリンもかなり出回ってきた。軽油のみのスタンドもあった。行きつけのGSでは無かったが、給油に入ると、カードはあるかと聞かれた。無いと言うと、今度はうちに来たことはあるかと聞くので、何回か来たと答えると通してくれたが、セルフの店であった。勝手が分からないので聞いたら教えてくれた。ようやく、安心して車に乗れる。本日、福島原発2号機だったか、建屋の屋外に抜けるダクトから高濃度の放射能が検出されたというニュースがあった。予想通り事態は更に悪化してきた。

追記:福島第一原子力発電敷地内でプルトニウムが検出されたというニュースが流れたので、東京電力のホームページで確認。概要は以下の通り。

以下東京電力発表の冒頭。
*******************************************
福島第一原子力発電所構内における土壌中の放射性物質の検出状況について

                             平成23年3月28日
                             東京電力株式会社

 周辺環境のモニタリングの一環として、東北地方太平洋沖地震で被災した福島第
一原子力発電所の敷地内(5地点)において、平成23年3月21日および22日に採取
した土壌中に含まれるプルトニウムの分析を行った結果、この度、別紙の通り、プ
ルトニウム238、239、240が検出されましたので、お知らせいたします。
*******************************************

自然界のものではなく、原発のものも含まれるとしている。ついに、隠し通せぬ事態になったように感じる。今後、数値はエスカレートするのか。それにしても、サンプル採取から1週間も遅れて発表するのは意図的な情報操作を疑われても仕方ないのでは。別紙はpdfで読めず。

昨日の天気

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身辺雑記:エネルギー多消費文明とツケを後世に残すごみ処理

東北関東大震災で日本の各地電力会社は原発の津波対策の見直しをしているとの事。原発の一番怖いことは、核燃料を燃やした後の廃棄物の処理。一般の家庭や業務用の廃棄物同様に、焼却・埋め立て・投棄等の最終処分が非常に困難なことが大きな問題である。群馬県は地震に対して比較的安全であると言われている。

関東大震災にからんで調べてみた。「関東地震」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)によると、関東大震災を起こした関東地震は「200年以上の周期で繰り返し発生していると考えられている。」と述べている。

その脚注1に「 福和伸夫. “繰り返しやってくる巨大地震” (HTML). 2008年8月1日閲覧。」という記事があり、「東南海地震の発生確率は、今後30 年で50%、50年で90%、南海地震はそれぞれ40%、80%とされている。ちなみに、2003年に発生した十勝沖地震は30年発生確率60%、1995 年兵庫県南部地震の場合は最大でも8%の発生確率だったと言われる。今、最も地震発生確率が高いのは宮城県沖地震の99%である。宮城県沖では、30年程度の時間間隔で地震が発生しており、前回の1978年宮城県沖地震から26年が経とうとしている。これらの地震の切迫性が理解できる。」と述べている。何と、「今、最も地震発生確率が高いのは宮城県沖地震の99%である。」述べており、その予想が的中したように東北地方太平洋沖地震が起きてしまった。

また、脚注5に「早川由紀夫ほか. “『類聚国史』に書かれた818年の地震被害と赤城山の南斜面に残る9世紀の地変跡 (PDF)” 1ページ. 2008年10月29日閲覧。」という記事があり、群馬県の赤城山の南斜面に相当巨大な地震が起きたことがあると述べられている。歴史的に見ると、群馬県でも大地震があり、かなりの被害が出ている(最近の新潟県中越地震(2004.10.23
(平成16 年)では、負傷者6 人、家屋一部損壊1,055 戸)等。

群馬県は内陸で原発も無いので、東北関東大震災と比較すると、津波、原発の被害は無いと思うが、山間部の土砂崩れ、河川の氾濫等の可能性はあるだろう。当然、道路、建物の損壊も起こる。東北関東大震災で特に目立った点は、ライフラインの中でもエネルギーの確保の重要性。特に電力とガソリン。何をするにも人力のみでは地震後の仕事がほとんど進まない。しかも、一般家庭では両方備蓄が困難だ。地震・津波多発地域では、それを想定した防災計画が立てられ、訓練も行われていたようだが、群馬県では地震対策はまだまだ改善の余地があるのかもしれない。行政組織も、合併等で集中化が行われているが、いざ地震の時、末端地域情報を確実に収集でき適切な対応がとれるようになっているのか等は検証が必要だろう。

東北関東大地震が発生した3月11日は、厳冬、猛暑の時期ではなく、何とかしのげる時期であったと思う。そのため、インフルエンザ、食中毒等二次的災害は比較的少なく抑えられたのではないかと思う。もし、夏期に地震が起きて、停電となり、冷蔵庫が働かなくなると腐敗・食中毒の発生等の食糧問題が拡大すると思われる。また、地震では損壊により多くの廃棄物が発生する。

MSN産経ニュース - 2011/03/25(http:/sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032517580063-n1.htm)は、「ごみ急増に悲鳴、焼却工場ダウン間近 仙台市:東日本大震災以降、仙台市のごみの量が急増している。家庭からの燃えるごみは焼却能力の1・5倍を超え、限界間近。これとは別に震災に伴う大型ごみも大量に出ており、市の担当者は「今後は桁違いのごみが予想される。国レベルで対応を検討してほしい」と訴えている。」と伝えている。前橋市は市内の廃棄物処理工場を集約して、新工場を作る計画らしいが、最近の報道では「 前橋市の高木政夫市長は25日の定例記者会見で、東日本巨大地震で生じた材木などの廃棄物5万トン分を被災地から受け入れる方針を明らかにした。計画停電などの影響でごみの焼却が進んでいない県内市町村からも3万トンのごみを引き受けて処理するとしている。((2011年3月26日  読売新聞))」とまだ処理能力に余力があるように見える。

廃棄物処理工場を一つに集約した後、地震等の被害でその工場が稼働できない場合の被害は相当広範囲に及ぶだろう。東北関東大地震で茨城・千葉で生じた液状化現象も気になる所である。原子力発電所も大艦巨砲主義で大きい方が効率が良いからと大型に向かってきたようだ。しかし、安全性を考えると小型化の考え方もあるようだ。その場合、数を多く作る必要がある。事故の場合発電能力がゼロにならず、事故時の対応も小型なので容易になるものと推測する。数を多くして保険の役をさせるのは生物も行っている。前橋市も当然今回の東北関東大震災を契機に防災計画等の再点検をするものと思う。新設廃棄物焼却工場の小型化、分散化と大型集約化のメリット、デメリットを再評価するよう期待したい。今回の福島第一原子力発電所事故は原発が単に電力の生産工場だけでなく廃棄物貯蔵所でもあると教えてくれた。原発が一般ゴミのように廃棄物を最終処理が出来ないことを知るのも勉強になる。廃棄物は次世代へ永久に残す危険物というつけ・負の遺産でもある。原発のおいしいところだけ先食いしているのが現状だ。

廃棄物焼却工場も見方によればゴミ発電機である。しかし、ゴミで発電するのが主目的ではないだろう。ゴミは再利用すれば相当の削減が出来る。というより、今後はゴミを出さないような生産と消費の仕組みを作らなければ資源小国の日本は生き残れないと思う。今回の東北関東大震災で日本の国力は確実に低下すると考えられるので、輸入する石油価格の高騰も経済や家庭の負担になる事は見逃せない。エネルギーも多様化して保険をかける必要があるだろう。ゴミ運搬車が消費するガソリンだけでもかなりの量になるだろう。もし、家庭でゴミを処理できるような燃焼器兼発電機のようなものが出来れば、焼却用ゴミ運搬車は無用になる。これは、価値観を変えれば現在の日本の技術で可能だろう。大艦巨砲主義の大型ゴミ焼却工場はダイオキシン等の有害物質の発生を減らすだけで万能ではないと思われる。焼却でCO2は発生を続ける。それを無視して、地球温暖化対策云々を行っている。ともかく、東北関東大震災は一般ゴミも核のゴミも大量に出す現代文明に対して大きな教訓を与えているように思われる。持続可能な社会という綺麗な言葉が流行っているが、このままでは先が危ないという意識の裏返しのように感じてしまう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:百歳の姑逝けり

歌題=百歳の姑逝けり:

■遠からず 天に召さるる 姑なるか 看護れるわれに 両の手合す 8 荒木 みよ子

百歳で惚けても、尚介護する嫁に両の手を合わせる姑の姿に神々しさを感じたようだ。

2011年3月28日 (月)

かみつけ女流歌人 雅:折りをりに

2011/3/28
昨日はおだやかな晴天となり、外で土仕事。トカゲが一匹出てきた。冬眠から目覚めた直後のようで、動きはノロノロであった。昔は、きらきら光るカナヘビも見たが最近はお目に掛かっていない。周辺では絶滅してしまったのか。カキ菜を頂いた。もう年だから、放射能に当たっても良いだろうと冗談を交えつつお礼を言うが、やはり見えない危険は恐怖を招く。万一、放射能が、中国、ロシア、韓国、北朝鮮等隣国で検出されたらどうなるか。農薬入りギョーザ所ではない。原発が放射能を出し続け、春~夏に風向きが変わるとそのおそれが高まる。日本は一転して国際的な危険国になってしまう。お茶の雑談も余り盛り上がらない。

昨日の天気

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身辺雑記:原発事故敗戦のシナリオは要らない

「東京電力は27日、電源復旧作業が進められている福島第一原子力発電所2号機のタービン建屋地下1階にたまった水の表面や周囲の空気から、毎時1000ミリ・シーベルトを超える高い放射線量を計測したと発表した。(YOMIURI ONLINE :2011年3月28日02時16分  読売新聞)」東京電力のホームページに飛んでみたが、内容がPDFなので読めない。ソフトが対応していないので、自分のパソコンのOSを変えなければならないがそのゆとりがない。パソコンだけでも引っ越しが大変だ。

東北関東大地震発生から二週間余経て、被災地以外では平常を取り戻しつつあるが、それと共に東北関東大震災の情報も少なくなっている。異常に高い放射能が検出されても、周辺住民は待避しているから直接的に危険ではない、海洋では漁場もないから拡散して濃度が下がるから危険でないというようなメッセージが繰り返し発せられるだけだ。心配なのは、そのような情報に隠されて、事態は刻々と悪化しているのではないかという点。

事故後数日は、核燃料プールらしい画像がTVで放映されていたり、核燃料棒が水面上に出ている長さが報道されていたが、それもいまどうなっているのか分からない。このような情報を国民の目から断ち、努力しているという姿だけ際立たせようとしているかのようだ。情報を知りたい国民の全てに開示すれば、国民は常識的な判断はできる。原子炉の核燃料棒が水面上に出ている長さを刻々と知れれば、それが安全安心の尺度にもなる。

現在、遠隔操作できるWEBカメラ等は広範囲に使われている。100万円もかければ1システム位導入できるのではなかろうか。各建屋に監視カメラを設置してその映像を24時間公開するならば、最高の情報公開になるだろう。NHK、民放連等に運用して貰い、リレー式であっても、切れ目無く現場映像を放映してもらいたい。日本赤軍の浅間山荘事件では長時間中継があった事を思い出した。事態が最悪に向かった場合を想定すると、福島第一原子力発電の情報開示を意識的に断つことにより、これだけやったがだめだったという、弁解・尻まくりが可能なるが、それは元々失敗のシナリオではないか。

米国では、原発事故現場で働く人々を、戦場の勇士と重ねて見ている人も多いようだ。原発事故現場で働く人々の姿が見えただけでも、国民に多くの勇気と希望を与えるのではないか。家族にとっては尚更だ。真実をありのままに報道することが結果の善し悪しにかかわらず、後世への最大の贈り物になるのではないか。東北関東大震災の可視化こそ日本の・日本人のすばらしさを自分自身確信しかつ世界に伝える基本ではないか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:折りをりに

歌題=折りをりに:

■木枯らしの 荒るれば訪ひ くる人もなし 日当る縁に  編めばはかどる 32 神成 のぶ子

ゆったりと、時の流れに身を任せて手仕事がはかどった風景を詠んだ。木枯らしが吹き荒れたからできた折りをりの歌。

2011年3月27日 (日)

かみつけ女流歌人 雅:韓国の旅

2011/3/27
昨日は気温も低く、強風が吹き荒れた。AMEDASの最大瞬間風速(m/s)は18.9(北西)(10:22)を記録した。幸い、計画停電は無かったので家にこもり東北関東大震災の新聞各社記事等を調べた。福島第一原子力発電所事故に関しては明るいニュースが少ない。放射線強度は日増しに高まっているような気配だ。当局の発表はその漏れた現場を直接的にとらえていないから、原子炉から水が漏れている可能性があると、事実を依然ぼかしたような内容しか発表していない。危険レベルは5から上がっているのではないか。それなら、5と6の中間でもよいから5.4とか小数点ででも連続値で公表してもらいたい所だ。事態がどの方向に向かっているのかが皆目わからない。事態がどちらに向かっているのかだけでも教えてくれというのが被災者の悲鳴ではないか。その悲鳴に答えないのは被災者を人質にとっているようで本当に情けない。

東京電力のホームページのトップページを見るとタイトルの無い社長のメッセージと東京電力からのお願い、プレスリリースとかしか眼に付かない。タイトルのない社長メッセージがどんな意味で発信されているか理解に苦しむ。電力の使用状況グラフという情報が開示されたのはちょっとした前進かもしれない。しかし、そのトップページから本来の広報的なコンテンツに張られたリンクがみえない。小さな「サイトマップ」からしか、元のホームページに入れない。これが東電流情報隠蔽術なのか。PDFの資料はVERSIONが高いのかACROBAT READERのVER6では読めない。広報的な文書にSECURITYは無用ではないか。貧弱なパソコンにも配慮を願いたい。

昨日の天気

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SUNS= 11.3
RAIN= 0


歴史の転換:東京電力の復活は人間復活から

たまたま、「電気事業起業家と九電力体制」という志村嘉一郎氏の記事に出会った(https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/kshimura30.pdf)。この記事の著者は元朝日新聞社の経済記者としてエネルギー業界を担当していたと本文中に述べている。戦前から戦後までの電力業界の動きが、そこで活躍した人物と共に活写されており大変参考になった。PDFで155Pまである労作である。日本の電力事業再編に白州次郎が大きな貢献をしていた事も知った。東北電力に白州次郎のDNAがまだ伝わっているのではという予感もした。精読するにも大変だが、電力業界の人々にも読んで貰いたい程だ。

東京電力にも、木川田、平岩等日本の産業界の指導者たる人物がいた。これらの社長は、自分が20~30才台に活躍したので名前だけは知っていたが、『昭和36 年7 月、東電の4 代目社長に就任した木川田一隆は、「人間尊重の経営」を旗印に掲げた。』とその経営に関して詳しく述べている。『東京電力6 代目の社長の平岩外四は、戦前に東京電燈に入社、東京電力時代には木川田一隆の薫陶を受け、東電社長、電気事業連合会会長、経団連会長として、電気事業だけでなくわが国の経済界をもリードしてきた。業界・財界人としてはもちろん、陽明学に通じ万巻の書を読んだ読書家としての評価も高い。』等の記事を読むとやはり、産業界のリーダーとして、日本を導いて行くという自覚・責任感があったように思えてくる。

自分の記憶では、電力業界が政治献金を止めるまでは電力に関心があったが、政治献金の再開後に関心が薄くなったように記憶している。志村氏は、『「電気料金は政府の認可で決まる。費目には政治献金は計上されていないが、認可料金にはたしかに政治献金も含まれている。消費者からすれば、電力は地域独占企業で電力会社を選択できない。政党の支持は消費者の自由であり、政治献金を電気料金の原価に含めるのは、たしかにおかしい」というのが木川田の結論だった。』と書いている。木川田一隆は経営者として東京電力の存在基盤を確認し、政治献金に決着をつけた。その後の東京電力の経営者はこの木川田一隆のDNAをどのように引き継いだのか、それが今回の福島第一原子力発電の放射能漏れという大事故を検証する手がかりになるのではないかと思った。東京電力は東北関東大震災による福島第一原子力発電の放射能漏れの事故とそれに伴う停電に関する人身・経済的損失の賠償責任で存亡の危機にあると言われている。その解決策は、先人経営者達が築いた路線に安住する慢心の中には無いだろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:韓国の旅

歌題=韓国の旅:

■煩悩を 断ちて功徳を 備へしとふ  同じ文化の 羅漢に出会ふ  97 茂木 全子

隣国を理解するにも、旅に出て身近で共通する文化を知るのが良いと教えている。

2011年3月26日 (土)

かみつけ女流歌人 雅:夫逝きて

2011/3/26
ツルハシで、ユキヤナギ、ベニカシワの根を掘る。花や葉が綺麗な時に根を掘るのは未練が残る。今後手入れが難しくなりそうなので省力化の為である。既に後手にまわりそうだが。ユキヤナギは青い芽を出し、花が咲き始めようとしている。樹高が低く、花が咲くと春になったと感じる花木であるが、植え場所が不適切であった。小枝が横に広がりやすい。ベニカシワは繁殖力旺盛で放置すると後で手が着けられなくなりそうなので根絶しようとしている。午後になり曇って、雨がぽつりぽつりと降る。福島原発の放射能が気になり早々に切り上げた。まだ、朝晩は寒い日が続いている。東北関東大震災、原発被災者の苦労がしのばれる。

昨日は、原発内部で仕事中の作業員が放射能被曝を受けて入院するという放射線人身事故が発生した。かつて、東西冷戦が厳しかった頃輸出管理令で放射線対策をした半導体の輸出が制限されていた。放射(α)線が半導体の動作に悪影響を及ぼすことが、メモリーのソフトエラーという現象が自然界に存在するα線によって生じることがはっきりしてから、半導体にも放射線対策が施されるようになったと思う。素人的には、情報を蓄えるメモリーセルにα粒子が激突すると、記憶を蓄えている電子が飛び散ってしまい、0か1かを誤って読みとってしまうと理解している。重粒子線を癌治療に使う核医学も同じ線上にあるだろう。生体細胞にとって放射線が弱ければ、細胞は傷つき、強すぎれば死滅する。DNAの一つの分子の配列が狂っても細胞の癌化は起こる。放射線レベルが安全か危険かはあくまで確率問題にすぎない。放射線を被曝しても癌が発症するまでには時間がかかる。対策を怠り問題を先送りして被害を増大させた事例は数多くある。また、同じ愚を繰り返すのか。その被害者になるのはいつも弱い人々なのか。

昨日の天気

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DIFF= 10.4
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SUNS= 6.3
RAIN= 0

身辺雑記:歴史は繰り返すのか

外部電源が導通して、ようやく原発暴走の危機に明るさが見えてきたところで、原子力発電所各号機の状況がどうなっているのかの報道も少なくなった。朝ドラも復活している。しかし、放射線物質の汚染はどんどん拡大している。一体どうなっているのか。悪いニュースは少しずつ小出しに出されて、それがなんとなく既成事実化されてゆくようで戦前のような感じを受ける。今時、露地のキュウリはないと思う。市場に出ているのはハウスキュウリだろう。それが安心だと知事が食べて見せるのも大本営発表のようで白々しく見える。どうせ食べるならば露地栽培のチジミホウレンソウを食べてみせて欲しかった。

3号機はMOX燃料を使うらしい。WIKIPEDIA:MOX燃料(http://ja.wikipedia.org/wiki/MOX%E7%87%83%E6%96%99:最終更新 2011年3月21日 (月) 10:46 )によると「MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、使用済み燃料中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4~9%に高めたものである[1]。

主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用燃料ペレットと同一の形状に加工し、核設計を行ったうえで適正な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ。

MOXとは(Mixed OXide)の頭文字を採ったものである。

」とあり、その危険度は

「問題点 [編集]
ウラン新燃料に比べ放射能が高い(特に中性子が著しく高い)ため、燃料の製造については遠隔操作化を行い、作業員の不要な被曝に十分配慮して行う必要がある。
ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる。
核分裂生成物が貴金属側により、またプルトニウム自体もウランよりも硝酸に溶解しにくいため、再処理が難しい。
FPガスとアルファ線(ヘリウム、ガス状)の放出が多いため、燃料棒内の圧力が高くなる。
性質の違うウランとプルトニウムをできる限り均一に混ぜるべきであるが、どうしてもプルトニウムの塊(プルトニウムスポット)が生じてしまう(国は基準を設けて制限しているが、使用するペレット自体を検査して確認することはできない)。 」とある。

福島第一原子力発電の原発燃料は依然完全に制御された状態になく、まだまだ危険な状況にある筈ではないかと思う。余り楽観的情報を流されると最後に裏切られたという結果にならないか心配である。

数日前、東京電力のホームページを覗いていたらようやく社長名のメッセージが掲載されていた。事故の重大性を考えると遅きに失していると思わざるを得ない。そこで、東京電力が送った電力利用者に対するメッセージらしい部分は、「 加えて、当社の原子力発電所、火力発電所、および、流通設備等が大きな被害を受けたことにより、安定した電気の供給を行うことが困難になったため、計画的に停電を実施させていただくことになり、当社供給区域の皆さまには大変なご迷惑をお掛けしますことを、重ねて深くお詫び申し上げます。」とあり、まだ「迷惑をお掛けします」という程度の認識なのかと失望した。

東京電力は電気事業法で国の許可を得て電力事業を行っている。どのような内容で事業を行うかを国に承認された電気供給約款で取り決めている。ようやく、WEB上で探し出した東京電力の電気供給約款の一部のを「供給の中止または使用の制限もしくは中止」を参考に以下に引用する。PDFで最終が108ページの膨大な契約書である。「40 供給の中止または使用の制限もしくは中止」と「41 制限または中止の料金割引」を読むと、今回の地震という「ニ 非常変災の場合」でも割引料金を適用すると読める。東京電力が計画停電当初、JR等にも一律に計画停電を求めたのも、この電気供給約款を遵守するという意味だったように見えた。それほどに、電気供給約款は東京電力の事業運営の基幹部分にあると言えるのではないか。電力の安定供給の基礎は、日々の生活で電力を使用する各家庭への供給が基本であり、それが不可能ならば、企業活動も、公共事業も意味をなさない事は自明であろう。東京電力が生活者として社会の基本的な構成要因である家庭に対してどのような態度をとるのか、今回の東北関東大震災への対応リトマス試験紙になるのではないか。しかし、依然「よらしむべししらしむべからず」が罷り通っているのが日本の現実のようだ。末端の人々が見えない電力事業運営は末端の人々が見えない国家運営と同じで、その行き着く先には、日本の敗戦というような破局しか見えない。

以下電気事業法の一部:
************************************************

「40 供給の中止または使用の制限もしくは中止
(1) 当社は,次の場合には,供給時間中に電気の供給を中止し,またはお客
さまに電気の使用を制限し,もしくは中止していただくことがあります。
イ 異常渇水等により電気の需給上やむをえない場合
ロ 当社の電気工作物に故障が生じ,または故障が生ずるおそれがある場

ハ 当社の電気工作物の修繕,変更その他の工事上やむをえない場合
ニ 非常変災の場合
ホ その他保安上必要がある場合
(2) (1)の場合には,当社は,あらかじめその旨を広告その他によってお客
さまにお知らせいたします。ただし,緊急やむをえない場合は,この限り
ではありません。
41 制限または中止の料金割引
(1) 当社は40 供給の中止または使用の制限もしくは中止(1)によって
定額電灯,従量電灯および低圧電力に対する電気の供給を中止し,または
電気の使用を制限し,もしくは中止した場合には,次の割引を行ない料金
を算定いたします。ただし,その原因がお客さまの責めとなる理由による
場合は,そのお客さまについては割引いたしません。
イ 割引の対象
定額電灯については需要家料金,電灯料金および小型機器料金の合計
とし,その他については基本料金(力率割引または割増しの適用を受け
る場合はその適用後の基本料金とし従量電灯Aの場合は最低料金とし
また,従量電灯Bで最低月額料金の適用を受ける場合は最低月額料金と
いたします)といたします。ただし,26(料金の算定)(1)イ,ロまた。
はハの場合は,制限または中止の日における契約内容に応じて算定され
る1 月の金額といたします。
ロ 割引率
1 月中の制限し,または中止した延べ日数1 日ごとに4 パーセントと
いたします。
ハ 制限または中止延べ日数の計算
延べ日数は1 日のうち延べ1 時間以上制限しまたは中止した日を1
日として計算いたします。
(2) (1)による延べ日数を計算する場合には,電気工作物の保守または増強
のための工事の必要上当社がお客さまに3 日前までにお知らせして行なう
制限または中止は, 1 月につき1 日を限って計算に入れません。この場合
の1 月につき1 日とは,料金の算定期間の1 暦日における1 回の工事によ
る制限または中止の時間といたします。
(3) 臨時電灯,公衆街路灯,臨時電力および農事用電力に対する供給の中止
または使用の制限もしくは中止についても(1)および(2)に準じて割引を行
ない料金を算定いたします。」

************************************************

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:夫逝きて

歌題=夫逝きて:

■逝きて後 柿の根方へ  かけやりぬ  咳出る夫に  作りしカリン酒  81 橋本 泰子

少しでも良くなって欲しいと作って飲ませたカリン酒の残りをかけてやるのも供養の気持そのもの。

2011年3月25日 (金)

かみつけ女流歌人 雅:生活の中から

2011/3/25
昨日は所用で外出。東北関東大地震以前に給油した残り少ないガソリンでマイカーの軽トラを走らせた。用事が終わり、書店で週刊誌の立ち読み。在職中原発の設計に関与した元技術者の話等が実名で出ていた。そういう話は墓場まで持って行くのではと思っていたので予想外にうれしかった。文庫本1冊。退職後、元の職場や仕事の不具合や、自分の職歴や失敗談を話すのは大変勇気の要る事だ。そういう行為は、東北関東大地震が自分が関与した原発開発の歴史や設計上の問題点を是非多くの人に伝えるべき唯一の機会ではないかという悲壮感も込めたメッセージでもあるように感じた。原発は本当の所は専門でなければ分からない事がほとんどだ。新しい技術は専門さえ分からない部分が多い。そういう事を考えると元技術者には頭が下がる。自分の失敗談も具体的には話し難いので、アナログいろはカルタ等という形で書いている程度である。これは、自分の退職を機会に何かの役にたつかも知れないとまとめてみた。電気店、DIY店も廻ってみた。電池の棚は、特殊な物を除いて大方空であった。行きつけのGS店も閉店で給油できず。しかし、朝のラッシュ時は平常と同じ程度の車の数。夕方は少し少ない感じ。計画停電で5PM頃閉店した店があった。

昨日の天気

TAVE= 4.3
TMAX= 9.1
TMIN= -0.4
DIFF= 9.5
WMAX= 4.5
SUNS= 5.4
RAIN= 0

AMEDASで最高最低値も出るようになっていた。このデータは瞬間値のようだ。

                 データ        時刻
最低気温(℃)    -0.7          05:57
最高気温(℃)     9.9          14:27
最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位))
                 9.4(北西)    00:15

読みかじりの記:法窓夜話(穂積陳重 著 岩波文庫)

本の表カバーに、「日本近代法の制定にあずかった著者(1855-1926)の、人生が無味乾燥でないならその大法則である法律の話とて無味乾燥であるはずがない、それを人々に伝えたい、という熱意からまとめられた100話。」とある。

母は何かの時か、技術者になっても良いところは法律家が持って行くというような事を言っていた。要は理工系は下働き、組織の上層は法文系が占めているというような意味で言っていたのではないかと思っていた。事実、法律がどんなものか理工系の人間は余り興味を示さない。しかし、この法窓夜話を拾い読みするとそのカバーする範囲が広く、現代ではこのような本を書ける法学者は少なそうだと勝手に思ってしまう。法律も専門化しすぎてよそ見していたら埋没の危機に陥る。でも人間や社会を理解できなければ法も空しい物になってしまうだろう。著者自身がこのような本を出そうと心がけて話題を集めたようでもあり、興味研究の幅がそれだけ広かったようでもある。WEB資料によると東京電力の現社長以前の社長は東大法経が3名、東北大工1名で、現社長は私大経であった。現内閣総理大臣は国立大理工で、東京電力も政府もそのトップは異例のようだ。そう言う意味では、学閥・学歴にとらわれない流れも生まれてきているのか。その点では、頑張ってとも言いたくなる。

興味を覚えたのは、明治維新以後西洋の法律体系を日本に導入しようとした先人達の努力に付いてであった。医学に関しては解体新書等でおぼろげな姿は教えられるが、法律に関しては一般人は余り縁が無いだろう。西洋の法律用語を日本語に移すだけでも大変だったようだ。以前、和魂洋才について考えてみたが、どうも法律分野でも西洋学問の輸入という部分があったようだ。原発も同じで米国から日本に導入する初期の頃は教えてもらえないブラックボックスがあったようだ。自分が開発担当をしたTV用の集積回路も米国メーカー品のデッドコピー、よく言えばリバースエンジニアリング技術で開発した。試行錯誤の勉強の時期があった。法律も一つの論理体系と見ると曖昧さを排して整合性を求めて進化するのではないか。思うに、日本で法律を徹底できる物心両面で十分な素地が出来ているのかという疑問がある。時と場合で、俺が言った事が法律だというような場面があるのではないか。

東北関東大地震が未曾有の国難であるという認識は国民に共通だと思う。災害対策基本法に「災害緊急事態の布告」という条項があり、内閣総理大臣はこれを布告することなく、事態の対応を行っている。災害対策基本法が何のためにあるのか疑問になってしまう。というより、国民が法律として内閣総理大臣に委任した法の執行を内閣総理大臣が無視した事に対して法治国家の威厳が保てるのか不安になる。NET上には「災害緊急事態の布告」すべしという意見も多く見られる。何故ならば、災害対策基本法なので、この法律に基づき執行すれば、関連法規が整備されているので事後の対策をスムーズに行えるためだろう。現内閣総理大臣は理工系出身だから、原発は俺に任せろというのは筋違いではなかろうか。

以下災害対策基本法の一部:「第八章 災害緊急事態
(災害緊急事態の布告)
第百五条  非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
 2  前項の布告には、その区域、布告を必要とする事態の概要及び布告の効力を発する日時を明示しなければならない。」

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:生活の中から

歌題=生活の中から:

■戦中に 松根堀りにし  松山が ログハウス村に 変わりてゐたり 58 瀬沼 仁子

戦時中航空機燃料の代用にした松の根と戦後のログハウスとなった松を対比して歴史の変化を教えてくれる歌。

2011年3月24日 (木)

かみつけ女流歌人 雅:ひとりの世界

2011/3/24
放射性ヨウ素が各地の農産物、東京都の水道水から検出されて大問題になっている。放射性ヨウ素は半減期が1W余りだから少し辛抱しろという事なのだろうか。セシウムの半減期は数十年と長い。放射性セシウムが原発から拡散すると、検出された地域の今生きている人は生涯その影響を受け続ける事になるだろう。測定したデータは全て公開すべきではないか。原発がばらまいた放射性物質が野菜農家、販売店、消費者に与える悪影響は計り知れない。誰もがヨウ素だけがばらまかれていると考えていないだろう。隠している事がたくさんあるのではと疑っているからパニックが起こる。安全のためと気楽に摂取禁止を発令してするだけで、その影響を考えないのだろうか。安全と言うなら自ら現地に行って自らその野菜を食べてその正しさを証明して貰いたいと誰もが思っているだろう。それが、過去の流儀ではなかったか。トップの姿が見えない。政府も東電も。謝罪訪問を拒否されているのも現実だ。許せない、許せない、許せないという声が聞こえてくるように感じている。

昨日の天気

TAVE= 6.2
TMAX= 9.4
TMIN= 2.2
DIFF= 7.2
WMAX= 7.9
SUNS= 10.1
RAIN= 0

身辺雑記:東北電力と東京電力の比較

東北関東大震災で電力供給の二次的被害が発生している。東京電力は原発が停止してその供給力が逼迫して計画停電の実施を余儀なくされている。それでは、被害が最も集中している東北電力の状況はどうかと気になった。東北電力が計画停電を始めた直後だったか、雨天で水力発電の発電量が上がったので予定の計画停電は中止するというニュースを聞いた事がある。東北電力の場合、地震の被害で電力を使えないという事情もあるかもしれないが東京電力ほどの逼迫はなさそうな印象を受けている。当然東北電力の原発も停止しているが、原発の比率が低いのだろうか。

東北電力のホームページを覗いて見ると、平均需要、想定需要、実績需要(速報)として、計画停電の根拠となるデータをホームページで開示している。東京電力のホームページの作成姿勢は出来るだけ見せたくないという雰囲気が漂っているが、東北電力のホームページはできるだけ見やすいように心がけているとそのホームページ作成コンセプトを述べている。情報開示も進んでいるように見受けた。また、風力発電、太陽光発電等環境面にも配慮した取り組みをしている事が窺えた。(リンクは控える:東北電力 ホームページでGoogle検索)

原発冷却装置のバックアップ電源で大問題を起こした東京電力であるが、東北電力の送電線が福島第一原子力発電の近くを通っているにも拘わらず、それを利用しなかったのは単にお殿様の面子だけだったのだろうかと今になって感じる。原発事故の初動対応は寸刻を争う。放射能が拡散してからでは、被曝を考慮するため作業効率は落ちる。東北電力の送電線からバックアップ電源を引いておく事も可能であったのではないか。

朝日新聞のNET記事によると、東京電力の供給電力の逼迫は今年の夏だけでなく来夏まで及ぶと報じている。公平という美名の本、当初輪番停電と呼ばれていたが、それはすでに死語になったのか。東京23区は計画停電から除外されているのも、計画停電の恣意的な性格を示している。地区割りによる停電時間の不均等も指摘されている。長期的な停電が続くと想定されているのだから、その基礎データを開示して、利用者が納得できる停電を実施すべきである。

風の男 白州次郎(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2011/02/2000-114b.html)は公職を退いてから、東北電力の会長も務めたようだ。白州次郎に関しては山口増海氏のblog
http://www.iax.co.jp/subscriptions/impressions.htmlに記事があった。企業のDNAについても参考になる記事があった。東北電力は白州次郎のDNAを引き継いでいるのだろうか。ともかく電力会社は国家の基幹産業だ。その存在理由、社会的責任は自ら厳しく受け止めその実現に全力投入すべきである。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:ひとりの世界

歌題=ひとりの世界:

■点訳を 修羅の如くに 打ちつぎて 浮かび来る執念(しゅうね)き 棟方志功 52 菅井 しも

高齢でも人には負けじと点訳に執念を燃やすと、極度に視力の乏しい板画家棟方志功の仕事の姿が目に浮かんでくる。

追記:WIKIPEDIAで調べたら棟方志功は青森県の生まれ。

2011年3月23日 (水)

かみつけ女流歌人 雅:陶の鉢

2011/3/23
昨日は雨後曇りで寒い一日。夜は計画停電。福島第一原子力発電も外部電源の接続が終わり、少しだけ明るさが見えてきた。現場で放射能の被曝覚悟で必死に復活作業する多数の人々がいることを忘れまい。

昨日の天気

TAVE= 6.4
TMAX= 7.8
TMIN= 4.9
DIFF= 2.9
WMAX= 3
SUNS= 0
RAIN= 9

多くの批判を浴びて、ようやく福島県駐在を決めた東京電力の鼓副社長が、原発設計における地震・津波等に対する条件設定(追記参照)が甘かったと認める発言をしたと、本日早朝のNHKニュースが伝えた。計画停電で早々に寝てしまったので、この早朝のニュースが聞けた。NHKはこのニュースを誰もが聞く時間帯にも流すのだろうか。知りたい人が耳を傾ける時間帯にニュースを流すのが報道機関の責任だと思う。また、東京電力はほうれんそう、かき菜が規定以上の放射性物質を含むので出荷停止された件については損害補償をするとも報じられた。疑問なのは、なぜはほうれんそう、かき菜、牛乳等測定して規定値を超えた農産品だけなのかという事。スギ花粉と放射線物質はその飛散形態は非常に類似しているだろう。要するに発生源から物理的条件に従ってどこへでも飛散するのだ。政府が発表した食品を除外すれば安全かと言えば完全にNOだろう。政府が言わない部分で暗黙的に言っている事は、放射能で汚染された農産品を食べたかったら自分のリスクで勝手に食べろという程、国民や農民を侮辱した言い方ではないか。政府は責任をとらない、損害補償は東電にさせる、かっこうの良いとこだけは政府が頂くではだれも納得できないだろう。政府は先ず、日本中の放射線物質の汚染度データを収集して、それを汚染地図として日々公表すべきである。ピンポイントのデータではいくらでも言い逃れが出来るのだ。これがまず政府の行うべき責任である。放射線物質は食品として体内に入り体内被曝するだけではなく、屋外にいただけでも人だけでなく全てのDNAを持つ生物を被曝するのである。政府がしている事は国民を見殺しにして自分だけ助かるというような人倫にもとる行為ではないか。

身辺雑記:リフレシュ休暇の東北旅行

在職中、会社から永年勤続表彰としてリフレシュ休暇と旅行券を頂いた。夫婦で旅らしい旅をしたのは新婚旅行とリフレシュ休暇での東北旅行程度だ。なぜ東北方面に決めたのかはっきりした記憶はない。宮沢賢治や遠野のイメージが作用したのは確かなようだ。東北関東大震災が起き、今になって改めて東北地方の旅の記憶がよみがえってきた。

こんなメールがディスクに残っていた:「y2tmt。今晩は。○○のメールは読んだ。しっかりやれて安心。大学にもメールを送る。リフレシュ休暇の東北旅行は今日修了(終了)。21:30頃帰宅した。お婆さんも元気で、皆も無事で何よりだった。◎◎も一人で暮らせたのでいつか役に立つだろう。それでは。01/04/XX 22:16。」丁度今から10年ほど前のことであった。

朝7:30頃家を出て鉄路東北に向かい、新花巻で観光タクシーに乗り、宮沢賢治記念館、遠野博物館を見学し、陸中グランドホテルに着いたのが17時頃であった。ラジオ・テレビの今までの報道では釜石市の被害が大きくて行政機能も麻痺しているようであった。しかし、東北旅行の事は思い出さなかった。更に記憶を辿ると、チェックイン後町中を散歩、翌朝も魚河岸や山の中腹の神社等を廻った。四月の末でウグイスの声が聞こえた。東北地方太平洋沖地震の大津波で釜石市の市街がこれほど大きな被害を受けるとはゆめ思わなかった。WEBで調べると陸中グランドホテルは7階のビル。今、どうなっているのだろうか。

釜石をNET検索すると、「釜石市動く津波ハザードマップ公開サイト(http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/simulator/kamaishi/)」というのがあった。そこには、「釜石市動く津波ハザードマップは、群馬大学工学部 片田研究室(災害社会工学研究室)が開発を行っている 津波災害総合シナリオシミュレータを利用して作成されています。津波災害時の災害情報の伝達や住民の避難に関するシナリオを設定することで、 そのシナリオに基づく人的被害の発生状況をアニメーションによって見ることができます。様々なシナリオを実行することで、地震発生時の避難タイミングや災害情報の伝達タイミングが、 津波災害によって発生する人的な被害規模にどのように影響を与えるか分かりやすく把握することができます。」と述べられていた。

《釜石湾津波氾濫アニメーション》では、
「このアニメーションは、明治三陸地震と同規模の地震が発生した場合を想定した、釜石湾における津波の氾濫解析結果を立体的に表現したものです。津波が発生した際の状況をわかり易く把握することができます。このアニメーションは、岩手県より提供していただきました。」と述べていた。視点を湾の奥の高台に置いて、津波が襲ってくる様子を確認できる。
明治三陸地震については以下のWIKIPEDIAの記事参照:

********************************************
WIKIPEDIA:明治三陸地震(最終更新 2011年3月19日 (土) 15:11 )によると、
本震:
「発生日 1896年(明治29年)6月15日
発生時刻 19:32:30
震源の深さ km (記入無し)
規模    マグニチュード(M)8.2~8.5
最大震度    震度3程度:
津波 綾里湾(現・大船渡市):38.2m
地震の種類 海溝型地震

被害 :
死傷者数 死者:2万1915名
行方不明者:44名
負傷者:4398名
被害地域 北海道から宮城県までの太平洋沿岸 」
とある。
********************************************
ラジオで聞き流していたので記憶は確かではないが、釜石市動く津波ハザードマップ作成の関係者だったと思うが、今回の東北地方太平洋沖地震の規模が作成当時の想定規模を遙かに上回っていた述べていた。明治三陸地震は震度に比べて津波の被害が非常に大きかった地震のようだ。ともかく、地方自治体と大学がこのような地道な防災対策の研究を行っていた事実について記憶を新にすることも、今後の防災対策をより強固にする手がかりになると思う。天災の本当の怖さは被害を受けた本人が一番良く知っている。その体験を機会ある毎に語り継いで行く事が基本的な防災対策になるのだと思う。

追記:福島第一原子力発電設計時の津波の想定は土木学会の標準値を採用しているとする記事をWEBで読んだような気がする。それによると6~7m台だったろうか。東京電力は壁の痕跡から12mを記録していたと発表していたが、その後14mの記録もあったと修正した。実際の津波云々で責任問題を回避する事は不可能であろう。教科書的な設計は標準値で済むとおもうが、本設計はあらゆる場合は想定して設計しなければならないのが原発ではなかろうか。明治三陸地震の津波という歴史的事実は設計に反映されていたのだろうか。そこが知りたい。この東北関東大震災を客観的に見直しができる頃になったら、是非この辺のことを公表して頂きたい。福島第一原子力発電を設計した技術者も上からのコスト圧縮と自分の技術者としての判断とのジレンマと闘った結果が現在の姿だったかも知れない。それを密かに墓場まで持っていくのは余りにも勿体ない。

追記2:前記WIKIPEDIAの津波の部分に津波の高さの記事があった。:

*******************************************

明治三陸大津波

大津波の第一波は、地震発生から約30分後の午後8時2分に記録されている。到達した範囲は北海道から宮城県にわたった。

波高は、北海道襟裳岬では4m青森県三戸郡八戸町近辺(現・八戸市)で3m、宮城県牡鹿郡女川村(現・女川町)で3.1mであったが、岩手県三陸海岸では下閉伊郡田老村(現・宮古市)で14.6m、同郡船越村(現・山田町)で10.5m、同郡重茂村(現・宮古市)で18.9m、上閉伊郡釜石町(現・釜石市)で8.2m、気仙郡吉浜村(現・大船渡市)で22.4m、同郡綾里村(同)で21.9mと軒並み10mを超える高さを記録している。 

特に綾里湾の奥では入り組んだ谷状の部分を遡上して、日本本州で観測された津波では最も高い波高38.2mを記録した[2]。」歴史から学んでいれば今回の津波による原発事故は回避できた可能性もあったのか。
*******************************************

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:陶の鉢

歌題=陶の鉢:

■わが夫よ 楽しき第二の 人生に 発ちませ心の 糸をゆるませ 45 椎名 喜代子

楽しき第二の人生に発ちませと彼岸への安らかな旅を願っている挽歌。

2011年3月22日 (火)

かみつけ女流歌人 雅:小夜しぐれ

2011/3/22
雨の中を墓参した。福島原発の放射能がきにかかる。

昨日の天気

TAVE= 9.2
TMAX= 14.3
TMIN= 6.4
DIFF= 7.9
WMAX= 4
SUNS= 0
RAIN= 12

身辺雑記:石油と電気に呪縛された文明

停電の無い日がが3日も続くとホッとする。祖母の話によると、電灯が自宅に点灯した時、当時小さな子供だった父がぱっとついたぱっとついたと喜んではしゃいだとの事だ。その話から推定すると電灯が農家にまで普及したのは大正10年代ころかもしれない。当時の電気の用途はほとんど電灯だけだったのではないかと思う。丁度この頃、松下幸之助が二股ソケットを考案したようだ。当時電気料は電力計は多分無かったので、電灯の数等で決められた定額料金だったのだろう。電球の代わりに二股ソケットを付ければ二倍の電気が使えたのか。ともかく、電灯以外に電気を使う手段を二股ソケットが提供してくれたのは事実のようだ。戦時中は物資の欠乏時代。終戦直後は生活が安定すると電力の用途は広がった。終戦直後は米麦の脱穀は足踏み脱穀機を使った。これは各農家にあったようだ。その後動力脱穀機が導入された。モーターや脱穀機が高価なので最初は共同購入・共同利用であったようだ。風呂も一時共同風呂というのがあった。最近聞いた話では、風呂を沸かすのは電熱器という事であった。電気料はどうだったのか定かではないが月極だったかもしれない。受電はどうするかという点では導線をかぎ型に曲げて引っかけたようだ。これはスイッチを省略した暫定的な処置だったかもしれない。電気は動力、熱源等で使われるようになる。その後は真空管ラジオ等の電子機器も普及してくる。更にその後は、電子化が進み今日の電気万能時代を迎えた。オール電化もここ数年多く普及してきた。電気を使う立場では原子力発電まで気にする必要もなかったが、いざ原発事故の危険性を知ってしまうとその末が恐ろしい。

電気の良いところは発電部と負荷部を切り離し導線で結べば、瞬時にエネルギーを送れて、負荷を多数設置できる点だろう。欠点は電気エネルギーを簡単に貯蔵するのが非常に困難なことと導線が切れればエネルギーは電送できないこと。発電機が止まっても、導線が切れても電気設備は単なる箱になってしまう。今回の原発事故もこの電気の利点の裏返しの欠点が現れた。更に原子力発電はその燃料部を非常に制御しにくいウランやプルトニウムという核物質に頼っている。ウランやプルトニウムという核物質を安定に保つ為にも冷却装置等が必要になる。その冷却装置等も電気で動いている。

原子力発電を安全・安定に稼働させるためには核反応の監視と制御とその機能が働かなくなった時のバックアップが不可欠になる。安定に電力を供給するためには需要1に対して能力が1の発電機2台を50%の能力で動作させて、万一の事故の時能力を100%まで上げるような方式にすれば停電のリスクは相当低減するだろう。しかし、贅沢な使い方という見方もあるだろう。万一の事故の場合のバックアップシステムについては、常時使わないシステムに対してどれだけのコストをかけるかという問題になるのかも知れないが、何重かの安全対策がとられていたのだろうか。ハード的な対策は当然として、緊急事態に短時間で適切な処置をするという現場で作業する人間の教育・訓練等のソフト面の対策は必要十分だったのか。

原子力発電の場合、原子炉が停止しても、再度原子炉が稼働状態になる再臨界という危険が付きまとう。これを阻止するのがバックアップシステム体制なのだが、今回の原発事故でこのようなリスク低減対策の説明がほとんどされていないように感じる。また、臨界というJCOで起きた臨界事故の教訓もほとんど報道されていない。東京電力福島第一原子力発電の1~3号機事故の危険度がレベル5と評価されているが、現実の方が遙かに進んだ後になし崩し的にレベルが変更されただけのようで、このレベルには近隣住民だけでなく多くの人々が不安を持っていると思う。

東京電力の原発事故で計画停電という計画的でない停電が4月末まで続くと報道されている。この「4月末まで」に具体的な裏付けがあるのかまだ納得できる資料を見ていない。事故を起こした原発の早期稼働は絶望的だろう。夏期はエアコン等で電力需要が年間のピークを迎えるだろう。極めて原始的だが、夏の暑さをエアコンでなく、ゴーヤやヘチマで日照を遮る緑のカーテンで乗り切るのも良いだろう。東北関東大震災で被災地以外でもガソリンや灯油の不足が際立った。石油文明も地球温暖化というもう一つの世界的大異変の要因を日々積み増している。あれもない、これもないという情報があらゆる所に飛び交った。こんな状態で持続可能な社会は本当に可能なのか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:小夜しぐれ

歌題=小夜しぐれ :

■音も無く 心を濡らす 小夜しぐれ 世をへだてたる 人に逢うふべく 12 飯塚 アヤ

死別した夫や息子、親族等の事を詠った歌の総まとめのような一首で無常観の中にも一筋の希望をみる。

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    「日経サイエンス」とは:「日経サイエンス誌は,1845年に創刊された長い歴史と伝統を持つ米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版で,世界の最先端の科学技術動向を日本の読者に届けています。」
  • SCIENCE IS FUN in the Lab of Shakhashiri
    University of Wisconsin-Madison Chemistry Professor Bassam Z. Shakhashiri のサイト

みかん栽培関係情報

ISESAKI  有情2

ISESAKI  有情1

嗚呼 伊勢崎 非情

BOOKS

  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

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MEMO 海外の博物館・美術館

  • https://www.artic.edu/collection?place_ids=Japan&page=6
  • 項目のタイトル2
    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
  • TYPE LIST事始め
    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)