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2016年1月30日 (土)

半端道楽:老人の寝言:猿もサルもの芭蕉の猿の句を鑑賞;猿猿と 泣いてたまげる 猿芝居。1601。

2016年1月30日(土)
昨日は曇り後雪。ざっそう句;猿猿と 泣いてたまげる 猿芝居。朝、玄関から外を眺めると今年三度目の雪。一面の雪化粧となっている。宅内閑居。夕方来客。ビデオ一巻鑑賞。テレビで、金融緩和策として、日銀が史上初のマイナス金利を決行するというニュースが流れた。ギョ、株もこの唐突な情報で乱高下した模様。ひょっとしたら、サルにも出きる史上最高の無策にならないか。

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半端道楽:老人の寝言:猿もサルもの芭蕉の猿の句を鑑賞

今年は申年だが、年初から怪しい雰囲気の猿芝居が流行っている。丙申だから、猿も暴れたいらしい。

昨日、日銀がデフレ対策・金融緩和対策として、アベノミクスの終焉を告げるような世紀的大猿芝居を打ったようだ。

金融機関が日銀に預ける当座預金にマイナス金利導入を決定したのだ。その詳細は素人には理解できない。日銀に預金している金融機関は金利を受け取れず、逆に金利を日銀に支払う事になるらしい。いわば、日銀で眠っている資金を市中に転流させ、経済を活性化させようとする政策のようだ。でも、この貯金は、金融機関への預金者の支払いの求めに応じて即座に支払えるような安全弁の役割を与えられているのではないか。金融不安で、銀行の取り付け問題が生じた例は過去にあった筈。そのような事態に対応する安全装置ではないのか。金融危機が起こり、貯金が引き出せなければ、昨年のギリシャのような事態にならないか心配だ。

今回の日銀の決定は、日本では、史上初めて実施される政策のようだが、アベノミミクス失敗の尻拭い、イタチの最後っ屁に近いのではないか。この政策は賛成5、反対4というきわどい差で決定されたようだ。経済を順調・安定化させる責務がある日銀がアベノミミクスのために大博打を打ったと見る以外にないように感じる。

ここで、申年にちなんで芭蕉の猿の句に目を転じる。

■初時雨猿も小蓑を欲しげなり

この句からは、長閑な雨の正月の風景が目に浮かぶ。芭蕉も猿になりきっているような雰囲気だ。正月早々、シトシトと雨が降り出したが、猿公ヨ、オレはこれから旅に出るぜ。何かトラさん風でもある。

■年々や猿に着せたる猿の面

最初に、「年々」を「ねんねん」と読んだ。「ねんねんヤ~」と子守歌ではないか。猿公に猿のお面を付けさせて、ねんねんヤ~では、きっと眠くなる筈だ。この俳句には季語がないぞと喜ぶと、「年々」を、「としどし」と読み、元旦に超訳するらしい。そうなると猿は猿回しの猿に決定だ。猿に猿の面を着けさせても、何も変わり映えがしないネ。それで芸になるのかネ。「何も変わり映えがしない」事を毎年繰り返して歳を取ってしまう。駄作のようで傑作。さすが芭蕉翁だ。猿が自分で猿の面を被る芸をすれば、猿芝居を超越して、その風刺・インパクト性は芭蕉翁を唸らせるだろう。

■猿引は猿の小袖を砧哉

今度は、猿回しを題材にした作品だ。猿引とは現代の猿回しのようだ。芭蕉の時代では、猿を引き回して、ちょっとした芸を見せて見物料をもらう、冬場の出稼ぎ程度のものだったのか。季語は砧で秋の風景を詠んでいる。秋の夜長、耳を澄ませるとトントンと砧を打つ音が聞こえてくる。古来、糸偏の仕事は女が中心の仕事だったようだ。一方、かあさんの歌にあるよう、おとうは、土間で藁打ち仕事を夜なべでした事だろう。こんな風景は昔なら、どこの農家でも同じだったろう。芭蕉はこのような情景を思い浮かべて、それじゃあ男衆の一人の猿回しは何をしているのかと想像したのではないか。冬場だけで、半分素人の猿回しでは大した芸も仕込めない。猿に人目を引く衣装でも着せて、できるだけ多く観客を集めようと考えるのではないか。それなら、猿回しに、女の手仕事の砧打ちをさせてもおかしくないぞ。こう想像すると、この句は芭蕉のフィクションに見えてくる。猿回しに創意工夫をさせてそれを句に仕上げる芭蕉の創意工夫、これも猿真似ではできない技だろう。

■猿を聞く人捨子に秋の風いかに

この句に遭遇して、最初は意味が通らなかった。「猿を聞く人」「捨子に秋の」「風いかに」と区切り解釈するらしい。この句の前後に句ができた状況を説明する短文が付くらしい。「猿を聞く人」も有名な事例を述べる定例句らしい。猿の鳴き声に関する蘊蓄が必要らしい。この句をドンと上の句に置いて、前後に説明文を付けてもこの句は難解なようだ。文では捨て子になるのも宿命だと言っているようにも取れる。当時は、物心もつかない嬰児の時に、命を間引かれてしまう悲運も普通にあった。残念だが芭蕉は、この句の鑑賞には「猿を聞く人」という既製のイメージを使ってネと、手抜きをしてしまったように感じる。余り深入りしたくなかったのか。結果として残るのは、「捨子に秋の風いかに」という凡句ではないか。「捨子に秋の風」の厳しさは言わずもがなであったろうに。WEB上には色々な説がある。事実か創作か。解釈が分かれる。

×オレも猿 捨て子よ喚け 秋の風

芭蕉は、泣きわめく幼い捨て子になにがしかの食べ物を与えてその場を去ったらしいが、昔ならよくあった風景かもしれない。事実か創作かを詮索するより、当時の社会や世相が気になる。

現実に戻ると、今でも、捨て子や子殺しが絶えていない。見方によれば、芭蕉が捨て子を作品に取り上げた事は、時代に先行した英断だったのだろうか。昔でも、借金に利子を払うのは常識だった。金を預かって、利子を取る商法には、芭蕉も仰天することだろう。

×オレも猿 朝三暮四は 当たり前

猿もサルもの。サル、サルと言っても去りがたいのが人情と言うものかも知れない。

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2016年01月29日 伊勢崎(イセサキ)
TAVE= 4.4 毎正時のアメダス観測値(気温)の平均値
TMAX= 5.7 毎正時のアメダス観測値(気温)の最大値
TMIN= 0.3 毎正時のアメダス観測値(気温)の最小値
DIFF= 5.4 毎正時のアメダス観測値(気温)の最大値と最小値の差
WMAX= 3.1 毎正時のアメダス観測値(風速)の最大値
SUNS= 0 毎正時のアメダス観測値(日射)の合計値
RAIN= 13 毎正時のアメダス観測値(雨量)の合計値
1日の極値 データ 時刻
最低気温(℃) 0.3 23:37
最高気温(℃) 6 12:38
出典=気象庁 参照⇒ AMEDASへのリンク
最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 6.4(東南東) 18:36


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    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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  • 項目のタイトル2
    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)