2008年10月28日 (火)

水遊びから水泳へ

2008/10/28

水遊びから水泳へ

今日、川や沼で遊んだり、水泳をしたりしている光景はほとんど見ない。水質の汚濁が水

遊びに適さなくなったのが主因であろう。昔は生活にゆとりがなく親は子供の遊びまで手

が回らなかった。乳児は子守に預けられて、幼児になると近所の同年輩の友達と遊んだ。

年齢が上がると共に遊びの行動半径も大きくなる。小学生の低学年前後になると近くの小

川で水遊びをするようになる。最初の水遊びは水深が20~30㎝の洗い場である。夏に

なると水田に水を引くので水位は更に上昇する。そうすると何とかばた足で泳げる程度の

水深となる。当時は学校にもプールは無かった。水泳は小川で上級生が遊びの中で教えて

やるものであった。先ず、水の中での息のつきかたを覚える。これも顔を水につけたり、

頭を水の中に押しつけたりの遊びの中で自然に覚えたようだ。次ぎにばた足で泳ぐ事を覚

える。小学生の中学年前後になると水深が1m程度の沼で泳げるようになる。次ぎに平泳

ぎ、背泳ぎ、クロール等を覚える。小学生高学年から中学生の頃になるとかなりの距離を泳

げるようになった。あるとき自分の背の立たないかなり水深のある沼の横断に挑戦した。

泳ぎ始める前にはちょっと怖い思いがしたが、何とか対岸まで100m位の距離を泳ぎ切っ

た。これで泳ぎに関して自信をつけたのも事実である。また、沼の端の松の木によじ登って、

飛び込みをする者もいた。これは怖くてできなかった。今日から見ると危険と背中合わせの

遊びのようであったが、親たちも、適宜注意をしたりしていたように思う。幸い子供達の水難

事故の記憶も無い。

2008年10月27日 (月)

三光鳥の飛来

2008/10/27

三光鳥の飛来

幼少の頃確かに、三光鳥のさえずり声を聞いた覚えがある。自分なりにはイチイチ ホイ

ホイホイと聞こえた。しかし、それ以来鳴き声を聞かなくなった。幻の鳥になってしまっ

た。南方より渡ってくる小型の渡り鳥で、低地の暗い林を好むらしい。確かに、夏になれ

ば落葉樹も葉をつけてその木の下は薄暗くなる。しかし、林となると一二本の樹木では

間に合わない。幼少の頃は、三光鳥にとって林と見なせる程度に樹木が多くあったのだろ

う。人家が増えれば当然樹木も伐採されてくる。結局、三光鳥が来なくなったという

ことは三光鳥が飛来する棲息環境が無くなったという事だろう。何十年もまえからそうい

う環境になってしまっていたのであろう。

2008年10月26日 (日)

杉鉄砲

2008/10/26

杉鉄砲

秋から冬にかけて杉の実が大きくなる。これを空気銃の弾に見立てて飛ばす杉鉄砲という遊

びがあった。筒は杉の実よりやや細いシノを利用する。杉の実を筒の中に送り込むヒゴは竹

を割り細い丸棒状にナイフで加工して作る。最初に杉の実を筒にヒゴで送り込む。

次ぎに、もう一度杉の実を筒にヒゴで送り込むと、筒の先に杉の実が詰まっているので中の

空気が圧縮され、ついに先端の杉の実がパッチと小さな音を立てて飛び出す。この遊びも、

鉄砲を作って弾が飛び出すまで色々調整したり、作り直したりするのが面白い。いざ、完成

するとそれで、撃ち合いのまねごとを少しやって終わりになってしまう。同じ原理で、モチの実

や新聞紙を水で練った物を弾として鉄砲遊びをした。水鉄砲も弾が固体から液体に代わった

だけで原理は同じであり、これは夏の遊びであった。今になって、昔の遊びを振り返ってみる

と、ほとんど身の回りの素材をつかっており、手作りの遊びが多かった。経済的にもおもちゃ

を買ってもらえるようなゆとりもあまりなかった。そういう意味で遊びも一種のDIYで物造りの

体験学習でもあったようだ。

2008年10月25日 (土)

生物の多様性(追記)

2008/10/25

生物の多様性

少年時代は水辺の遊びが多かった。魚捕りや釣りが中心であったが、いろいろな水辺の生

物を見ていたようだ。今日、生物の多様性保護が叫ばれているが約半世紀の間に姿を消し

た生物が何種類あるのか気になるところである。数年前つれづれなるままに、ノートに書き出

したことがあったので、それを以下に記す。正式学名でなく方言名のものもあると思う。

追記(2025/08/05):本日以後に水辺生物以外も追加した種名を()に記入。分類は記録優先で不正確。目撃伝聞も含む。カオジロガビチョウ等外来種は普通に目撃している。ハクビシン、アナグマ等の被害も多発している。最近は生物の多様性が貧弱化して、外来種の進出も目立つ。

(1)魚類等・・・・・コイ、フナ、タナゴ、ハヤ、ガレンバヤ、ナマズ、ウナギ、ドジョウ、スナメンド

ジョウ、ギュギュウ、クチボソ、バッカチ、七つ目ウナギ?、メダカ。

(2)甲殻類・・・・・カワエビ、ザリガニ、サワガニ、ケガニ。

(3)貝類・・・・・バカ貝、シジミ、カワニナ、タニシ。

(4)両生類・・・・・イモリ、アカガエル、トノサマガエル、食用(ウシ)ガエル、ヒキガエル。(アマガエル、ヤモリ)

(5)昆虫類等・・・・・ホタル、ゲンゴロー、タガメ、ミズスマシ、マンガ、羽黒トンボ、ヒル、馬ヒ

ル、ヤゴ。(シオカラトンボ、アカトンボ、キアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、シジミチョウ?)

(6)鳥類・・・・・カワセミ、シラサギ、ショウビン、カイツブリ、カモ。(サンコウチョウ、カッコウ、ツバメ、スズメ、モズ、キジバト、キジ、カラス、オナガ、ウグイス、ヒヨドリ、カオジロガビチョウ、)

(7)植物・・・・・ヒシ、オモダカ、コホネ、ネコヤナギ、セリ。(アメリカセンダングサ、アメリカフウロ?、セイタカアワダチソウ、タンポポ:外来種)

(8)ほ乳類(追加):イタチ、モグラ、シカ、ハクビシン、アナグマ。(市内情報:タヌキ、キツネ、イノシシ)

なお、カメもいたような気もするが定かでない。沼で水泳をするとき、ヒシの実を採って食べた

こともある。バカ貝は沼底に足を着けて探し、潜ってとった。焼いてしょう油をたらしてたべ

た。食用(ウシ)ガエルは食用に導入された外来種で異様な鳴き声をする。夜になると水辺で

異様な鳴き声がするので、何かいるのではないかと地域で問題となり、消防車で水をかい出

してみたら、ウシガエルがいたという話を古老に聞いた事がある。残念だが、昔の田、小川、

沼等の水辺は極当たり前の風景で、そこに何が棲んでいるかとうは詳しい観察はしていなか

った。大人や学校も断片的に教えてくれただけであったと思う。結局遊びのなかで係わった

生物だけを記憶していたにすぎないだろう。生物の多様性も多くを失った結果気付いた問題

なのかもしれない。生物に関心が無ければ、名前を覚えようとも調べようともしないだろう。

最近、水利の掘りさらいでタナゴ、フナ、ドジョウ、ナマズ、シジミなどがまだ棲息している事が

確認できた。体系的な調査が必要であろう。

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追記1(2015/1/14):「生物の多様性」の記事がランキング7位に入った。古い記事だが、誰か読んでくれたらしい。場所は男井戸川上流の水田地帯である。「蛍が飛び交った頃(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2008/09/22/)。(2008年9月22日 (月))」に当時の記憶を書いた。水棲生物が激減した原因に農薬使用(パラチオン等有機リン系の殺虫剤を多用していた)があったが、土地改良で用水を直線の三面コンクリートに変えたことにより、水流に緩急がなくなり、ほぼ急流のみになってしまって、水棲生物が居着く場所が無くなったのも原因と思われる。なお、聞いた話ではカメもいたとの事だ。「マコモ(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2009/10/post-3ef1.html)。(2009年10月19日 (月))」

キーワード「男井戸川」でGoogleサイト内検索(https://www.google.co.jp/webhp?tab=ww#q=%E7%94%B7%E4%BA%95%E6%88%B8%E5%B7%9D%E3%80%80site:http:%2F%2Faf06.kazelog.jp%2F)。

追記2(2015/2/14):「生物の多様性(2008年10月25日 (土))。」の記事がランキング6位に入っている。1/中頃からランキング入りをしたようだ。

Googleでキーワード「生物の多様性 」を検索(https://www.google.co.jp/webhp?tab=ww#q=%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%A4%9A%E6%A7%98%E6%80%A7&start=340)。(一部だけ表示)

検索結果のトップに、約 813,000 件 (0.27 秒) と表示。そのページを確認したが、約 349 件中 35 ページ目 (0.34 秒) が表示最終ページであり、リストの中に本記事は見つからなかった。

この記事の読者はどこからこの記事へ飛んできたか。ご苦労様と言いたい。Google検索で上位に並ぶ「生物の多様性 」情報発信のurlは「生物の多様性 」を破壊してきた?巨大な組織が多いようだ。一般国民も、自分の目で直接に「生物の多様性 」を確認することは困難な時代になった。Googleで検索しても、WIKIPEDIAでしらべても所詮バーチャルのレベルだ。

「ハトよ 鳴いておくれ:男井戸川と「二枚橋の地名と鬼亀の足跡の伝説」の説明板除幕式(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2014/11/post-c2d8.html)。(2014年11月25日 (火))」の記事も本記事と関係するだろう

「老人の寝言:寝言を言い始めたのはいつ頃からか;先ず逃げて メダカの大将 また群れる。(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2015/02/2015-a08f.html)。(2015年2月11日 (水))」。に放流したサケの稚魚がどこまで遡上したか聞いた事を書いた。放流地点の目と鼻の先まで遡上しているが、障害物がそれ以上の遡上を阻止しているらしい。魚道の設置を陳情し、設置される見込みになってきたようだ。まさに、土建国家日本の姿が透けて見える。最近は、大規模工事をする前に環境調査を行うのであろうが、それが形式まで堕落していないだろうか。言い換えれば、いくら環境調査を行っても、悪い開発は悪いのだ。

あそこへ行けば、「生物の多様性 」が見えるというのも、悪い事ではないと思うが、それだけで「生物の多様性 」が保てる保証もないだろう。「生物の多様性 」も「環境」もその破壊者の上っ面を綺麗に見せるだけで終わっているのが多いように感じる。

もっとも、我々農家の先代達は、手ぬぐいを口に巻いただけで、半袖シャツ一枚、裸足で田圃に乗り込んで、あの有機燐農薬のパラチオンを散布したのだが。

追記の追記:Googleでキーワード「生物の多様性 」を検索した場合、検索式の「start=340」があると一部しか表示されない。
Googleでキーワード「生物の多様性 」を検索(https://www.google.co.jp/webhp?tab=ww#q=%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%AE%E5%A4%9A%E6%A7%98%E6%80%A7)。(全項目表示)

 


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2008年10月24日 (金)

魚の捕り方

2008/10/24

魚の捕り方

幼少時代の遊びのうち魚獲りは面白く実益もあったのでよく覚えている。小学生頃に一番盛

んやった。小川や沼が対象なので遊びの規模でしかない。原始的な順にまとめてみたい。

1.手つかみ・・・・・用具なしで最も原始的漁法。

2.かいごり・・・・・水を堰き止めてから、バケツ等で水をかい出してから手つかみでとる。

グループでやることが多かった。

3.魚すくい・・・・・網でとる。これが基本であった。

4.釣り・・・・・針と餌が必要になる。技術と経験が要る。石垣に潜むウナギなどは穴釣りとい

う漁法もあった。

5.置き針・・・・・釣りの一種だが夕方仕掛けて翌朝引き上げる。効率が良い。ナマズやウナ

ギが捕れた。

6.ガラスど(ど:うけ)・・・・・ガラスで作ったうけ。仕掛けと餌が要る。効率が良い。クチボソ等

の小魚が対象。竹製の大きなうけは使った記憶はない。

7.ひいぼり・・・・・夜間の魚突き。カンテラとヤスが必要になる。実際にやった記憶はない。

8.その他。自転車の発電器から通電して感電させる、爆薬、薬品等を使用する禁じ手。

捕獲した魚はどうしたか。大抵は池に飼ったり、副食にした程度であった。大きいウナギが捕

れたりすると近所の人が買ってくれた。

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追記(2014/4/27):
「魚の捕り方(2008年10月24日 (金))」がランキング10位に入った。魚の捕り方も幼少時代の思い出になってしまった。最近、昔の悪友と雑談した。電気で感電させる漁法が話題になった。昔は、近所の小川にもウナギが棲んでいた。小川の片面に石垣があり、その石積みの横穴にウナギがいた。電気をかけて、完全に感電してしまうと、石垣深くに浮いてしまい取り出せなくなるので、電気の強さを加減して、穴から出る程度にするのがコツだと悪友のノウハウを説明してくれた。もう、この小川は、三面コンクリートになって久しい。この小川にウナギがいたとはいまでは誰も信じないだろう。

追記(2014/9/19):本記事が記事が再度ランキング10位に入った。Google検索で、キーワード=「ウナギ」と「魚の捕り方 ウナギ」では100位以内にヒットしない。最近、ニホンウナギの減少と絶滅の危機が話題となっている。Google検索でキーワード「ウナギ」:「約 2,190,000 件 (0.25 秒) 」と出る。さすが、検索件数も多く、広告も表示されてくる。当BLOGも検索からアクセスされると思うが、ウナギのたどる道と同じようで、どのような経路でたどり着いたのか知りたくなる。
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2008年10月23日 (木)

蚕の変身

2008/10/23

蚕の変身

群馬県は養蚕県であり、養蚕にまつわる話は数限りなくあるだろう。今日では、その養蚕を

支えた桑畑もほとんど見ない。幼少時は雷が鳴ると「クワバラ、クワバラ」と言い、蚊帳の中

に潜り込んだ事を覚えている。畑の境界か隅にわずかに残っている桑の古株が昔を語って

いるに過ぎない。

蚕に関しては、小学生の中学年の頃、担任の先生から頂いた年賀状に、蚕が糸を吐いて繭

に変身するように人間として大きく変身してほしいというような一言を贈られたことを思い出

す。当時は学校の授業が休みになって、桑畑の尺取り虫退治があった。今振り返れば一種

の課外体験授業のようなものだったかもしれない。ともかく、より高い目標に向かって変身

しようと呼びかけてくれた先生の一言に頭が下がる。

2008年10月22日 (水)

三つの環境

2008/10/22

三つの環境

環境という言葉は分かっているようでも、いざ定義せよといわれると難しくて困る。

自分は環境を割り切って境界のある入れ物と考えている。

境界も変幻自在で見える物から見えない物まで、極微から極大まで及ぶ。

そこで、生物としてのヒトと社会的存在としての人間を含む環境を更に割り切って以下の三つ

基本的な階層の環境に割り切ってみる。

1.自然環境・・・ヒトも人間もどうしても逃げ切れない牢屋のような入れ物。

2.人体環境・・・自分が生きて行くための入れ物。逃げ切れない牢屋のような入れ物ではあ

るが、極わずかであるが選べる対象もある。

3.社会環境・・・ヒトが人間となる入れ物。選べる対象と選ばない対象がある。

残念ながら、現在はこの三つの環境が相互に関連しつつ病んでいる。

しかし、希望もある。この三つの環境の一つの一部がわずかでも改良できれば他の環境も

関連して改良できるのだ。なぜなら、この三つの環境に境界があるようで実は作用を阻止す

る境界は無いからである。境界は作用の出入り口である。環境とは人間が生きて行くための

作用が伝わる場のようなものかもしれない。

2008年10月21日 (火)

部品の差し替え

2008/10/21

部品の差し替え

部品の差し替えは本体を使って行く限り必要になってくる。当然、本体が主たる機能を発揮し

て、部品は全体の機能の一部を受け持つ。部品の価格が本体価格に比べれば十分低い場

合に、部品の差し替えが実用的な意味を持つ。

かって、TVの心臓部部品の真空管がトランジスターに移行する時期には各種のトランジスタ

ーが開発されTV用途の需要も増大した。トランジスターには単品の規格があるが、セットの

中でどのような性能を示すかは実証されていない。従って、販売競争が激しくなると単に新製

品のサンプルを顧客に提出するだけでなく、現用品と問題なく交換できることを実験で確認

し、データを提出するようになった。医薬品開発では臨床試験のような物であったろう。駆け

出しの技術者としてこのような差し替えという仕事も色々行った記憶がある。マーケット指向

の開発の走りのようなもので、後々の開発の基本をこのような仕事で修得した。ビジネスベ

ースで大量の部品の差し替えをする場合は再設計に近くなる場合もある。修理の場合は事

情が変わってくる。大抵は補修部品で対応するが、補修部品が無くなると修理も相当困難に

なる。ともかく、部品の規格が標準化されていれば、部品の差し替えも容易だ。万年筆が各

社まちまちのカートリッジ形式になって以来、万年筆は使わなくなってしまった。環境の世紀

になり、代用可能な互換品という考えも必要になってきたようだ。

2008年10月20日 (月)

ジェネリック薬品と互換性

2008/10/20

ジェネリック薬品と互換性

最近、病院や薬局に行くとジェネリック医薬品の表示が目立つ。医薬品といえども商品なの

で製造方法から売り方まで色々あるようだ。医薬品と農薬品はその性質から法令に基づい

た規制がある。医薬品の場合自分で選ぶという意識が余り働かない。しかし、ともかく商品で

ある以上、市場と顧客の存在が前提となる。ある商品の売り上げが好調ならば、当然二匹

目のドジョウを狙うメーカーも現れる。その時の最大のセールストークは互換品とか相当品と

いう場合が多い。使う側からすれば、機能や性能が同じならば安い相当品を買うか、信頼で

きるオリジナルメーカーの製品を買うかの選択の幅が広がる。製品の機能が多い家電製品

等はその機能の数で差別化を図る事が出来る。しかし、医薬品という商品になると差別化も

困難になる。やはり医薬品は市場原理からやや離れている製品に違いない。

医薬品の価格には開発コストと臨床試験のコストが多くの比重をしめるようだ。独創的な製

法で特許をとれば、開発コストは特許料という形で製品価格に上乗せして回収できる上に、

市場を独占できるので利益は大きくなる。一方、特許が切れれば、市場が健在で需要がある

限り、他の後発メーカーの参入障壁が下がるので互換製品の市場投入が可能になる。

従って、先発医薬品と成分や規格が同じであるとして承認された医薬品(後発医薬品)である

ジェネリック薬品の存在意義は大きい。しかし、医薬品の製品名がなかなか馴染めずジェネ

リック薬品の製品名まで考えが及ばないのが実状である。生活習慣病等で一度薬を使用を

始めるとそれを止めることが難しくなり薬代も馬鹿にならなくなる。試しに、自分の使用してい

る医薬品のジェネリック薬品があるか聞いたところ新薬なので無いとの答えであった。

医療費の増大という現実の中で、今後のジェネリック薬品の普及促進策が期待される。

米国では工業製品である集積回路にも互換品を求めたことがあったように記憶している。単

独の一社のみに供給を仰いでいると、価格も下がらず、品質もサービスも向上しないし、万

一の場合のリスク対応も不可能になる為である。地震の被害で自動車の基幹部品の生産が

停止し、自動車の生産ラインが停止した例も記憶に残る。医薬品においても、コストの引き下

げ、品質・サービスの向上、リスク対策としてのジェネリック薬品の存在意義があるかもしれ

ない。

2008年10月19日 (日)

荘子と混沌

2008/10/19

荘子と混沌

日本で初めてのノーベル賞を受賞された湯川秀樹博士が中国思想である荘子に親しんでい

た事は広く知られている。荘子の思想が自由な発想を触発させる内容に富んでいたからであ

ろう。湯川秀樹著作集の読書に関する一冊を読んでみた。博士は荘子の混沌の話を素粒子

論の発想と対比して語っていた。物理の基礎理論の混沌と荘子の中の混沌を対応させつつ

混沌の中から中間子理論を導いた事を語っているのではないかと思った。そうして博士の究

極の目的とした素領域の理論も視野に入れて荘子の混沌を語ったようでもある。

時間と空間という入れ物は決まっていても、それを舞台にして演じる役者は本当に大勢い

る。偉大な音楽や偉大な彫刻などもその例だろう。天才がそれをつむぎだす。

それなら、その役者の正体は何か。湯川博士は素粒子の種類が多く成りすぎて、それをうま

く整理できない状態を混沌という状態に見立てたようだ。多くの素粒子を生み出す更に基本

的で究極的な粒子の存在を想定した。それが「クォーク」という基本粒子であり、陽子や中性

子、中間子などの粒子はすべて、クォークの組み合わせでできていると考えられるようになっ

た。本年のノーベル物理学賞の小林・益川理論は湯川博士の研究の流れの中にあったとい

えるようだ。物理の世界にも実際の世界にも常に混沌がつきまとっている。その混沌の根本

をつかむことは永遠の課題かも知れない。しかし、混沌に真正面から向かわない限り混沌の

本当の姿さえ見えないのも事実であろう。混沌とは物事が生まれ育ち始める原点のようなも

のかも知れない。湯川博士にとって荘子とは自由なアイデアを見つけ、育む場であったよう

だ。

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追記(2014/6/7):「荘子と混沌(2008年10月19日 (日))。」の記事がいきなりランキング7位に入った。アクセスログは無いので何人この記事にアクセスしたのか不明だ。ともかく最低数人の読者がいるのだろう。物事、数字で知ってしまうと興ざめする事が色々ある。数年前の、自分でも忘れかけた記事を読んでくれる読者がいるだけでもありがたい。思うに、終戦直後に湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞した事は、自信を失っていた多くの国民に元気を与えてくれたと思う。特に、当時の青少年が受けた感化も多大だったと思う。残念だが、当今の理化学研究所とそれを取り巻くSTAP細胞論文問題は、まさに混沌状態にある。それも、自然観に関わる深遠な混沌で無く、下世話・世俗的な混沌だ。現代の青少年達が科学に対してどんな夢が持てるのか。

サイト内でキーワード「科学ニュースに独り言」を検索(https://www.google.com/?hl=ja#hl=ja&q=%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%AB%E7%8B%AC%E3%82%8A%E8%A8%80%E3%80%80site:http:%2F%2Faf06.kazelog.jp%2Fitoshikimono%2F)。

追記(2014/6/9):
上記記事がランキング2位に入った。なぜ急上昇したのか不明。Googleで以下のキーワードを検索して当BLOGのヒット状況を調べた。「湯川秀樹博士と混沌」というイメージはまだ健在なのかもしれない。

混沌 湯川:24/約 29,500
混沌 湯川 理化学研究所:69/約 12,200(当BLOG記事)
混沌 理化学研究所:100位以下/約 22,000
湯川 理化学研究所:100位以下/約 36,400
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2008年10月18日 (土)

国定忠治生誕200年

2008/10/18

国定忠治生誕200年

2008 国定忠治 ファンミーティングというイベントが本年3月23日(日) に開かれた。国定

忠治に伊勢崎の街興しに一役買ってもらおうという伊勢崎市観光協会の企画だったらしい。

国定忠治という人物の実像はなかなか掴みにくい。実際の社会から浮き上がった虚像を通し

てしか見ていないのではないかと常々気になっている。当日、国立歴史民俗博物館名誉教

授 高橋 敏 氏 の「国定忠治学」事始め という講演があり興味深く聞かせていただいた。

また、「国定忠治を男にした女侠 菊池徳の一生」という同氏の著書も購入して読んだ。謎は

深まるばかりであった。どうも自分が求めていたのは舞台の役者ではなく舞台裏の方だった

のかもしれない。国定忠治を生んだ風土、時代、社会、地域の状況等々余りにも知らない事

が多すぎる。こういう舞台裏が十分理解できれば、国定忠治という人物の実像に迫ることが

できるのではないかと思ったりする。

2010年に国定忠治生誕200年を迎えるらしい。長寿な人なら百才も珍しくなくなった現代から

見ると200年前は一昔前に近い。それなのに、国定忠治や国定忠治が活躍した時代は余り

にも遠くなってしまったような感じがする。国定忠治生誕200年という節目を迎えて国定忠治

の実像にどこまで迫れるのか、どのような歴史的教訓が引き出せるのか、単なる一過的な回

帰現象で終わるのか気になるところである。

2008年10月17日 (金)

はさみ研ぎ

2008/10/17

はさみ研ぎ

はさみ研ぎ切れ味鈍る秋の暮れ     夢野照緑

大抵の刃物は研げば少しは切れ味が良くなる。ナイフや包丁の一枚刃はこの類である。しか

し、二枚刃の鋏の類は研ぐのが難しい。今時、仕立てなどあまり行うことが無いのでラシャ鋏

の出番はほとんどない。これを、紙切り等に転用しているのだが切れ味が良くない。日頃

から道具の使い勝手はメンテナンスで決まると思っているので、自己流で研いでみた。残念

ながら研ぐ前より切れ味が悪くなってしまった。しかし、刃物研ぎは仕事の合間の気分転換で

行う場合が多い。くだんのラシャ鋏研ぎは古い道具の機能復活の試みであったが、難しそう

なのであきらめた。長く使い込んでいる道具はそれがないと何となく仕事に集中しない。自分

の場合接木ナイフなどがそれである。これは気合いをいれてその都度研ぐ。しかし、ちょっと

した仕事には何はともあれ道具さえあれば何とか間に合う。道具が無ければ仕事にならな

い。結局100円ショップの鋏を使ってしまう。じっくり研いで往年の道具を復活させたいと思っ

ているがその時がいつになるか定かではない。道具としてまともに機能しないがそこにあるこ

とにより歴史をかたってくる。そういう道具があっても良いと思う。

2008年10月16日 (木)

iPS細胞と再生医療

2008/10/16

iPS細胞と再生医療

今年の科学界の特記すべき進歩の一つにiPS細胞の作成があるだろう。数年前にはES細胞が話題になり、韓国では2005年末にヒト胚性幹細胞捏造事件も起きた。ヒトES細胞はヒトの卵子から作成するので倫理上の問題等多くの問題が指摘されていた。iPS細胞はヒトES細胞の代替えとして期待が寄せられている。植物の細胞は動物細胞と異なり、色々な器官にに分化する万能性を備えている。この性質は既に産業的で数多く実用化されている。動物(ヒト)細胞の場合、あらゆる器官に分化する能力を持つ細胞は無いと信じられていたが、ES細胞がそれを持つことが発見され一躍脚光を浴びることになった。

iPS細胞 (induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)とは、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子(転写因子)を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)に似た分化万能性(pluripotency)を持たせた細胞のこと。京都大学の山中伸弥教授らのグループによって世界で初めて作られた。(WIKIPEDIA)

初期の細胞への遺伝子導入にはヴィールスの運び屋を使っており、癌化の問題があったという。最近この運び屋をプラスミドに変更して癌化の心配の無いiPS細胞の作成に成功したと報じられた。以下はそれを報告する論文のタイトルである。遺伝子科学の進歩の早さには驚かざるを得ない。正にここに、未知なる有望で巨大な金鉱があるのは確実であるため、国も会社も学者も必死で研究に取り組んでいるわけである。

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Published Online October 9, 2008
Science DOI: 10.1126/science.1164270

Reports

Submitted on August 6, 2008
Accepted on September 25, 2008

Generation of Mouse Induced Pluripotent Stem Cells Without Viral Vectors

Keisuke Okita 1, Masato Nakagawa 2, Hong Hyenjong 3, Tomoko Ichisaka 4, Shinya Yamanaka 5*

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実験はマウス細胞で行われているが、ヒト細胞でも可能であるという前提でマウスが使われていると思う。ともかく再生医療が手に届く可能性が見えてきた。今までに無い全く新しい原理による医療や創薬等の新技術の実現は何をもたらすのか予想もつかない。その光が強いだけ陰も深いのかもしれない。既に、植物の分野では遺伝子操作食品が流通し、知らない間にそれを摂取していることが日常的な事態になっている。再生医療の場合新しく作成された細胞が直接人体に入ってくる。効果は劇的であるかも知れないが使い方を誤ればその逆効果も劇的に成らざるを得ないであろう。しかし、万が一、目的外の予想も出来ない極極微量の不要な遺伝子が導入されて、それが当面は大きな効果の陰に隠れて姿をあらわさなっかたとしても、何世代も後に突然姿をあらわさないという保証はなにもない。一度導入した遺伝子はそれを次々に再生し遺伝させることによりその効果を発揮するのであるから。キュリー夫妻はウランの核分裂を実証して、それが原爆の開発につながった。今日、世界は核兵器の拡散という問題を抱えて世界平和・国際政治にも科学の陰が及んでいる。極微の世界の法則がこの大きな世界を支配しているのは悲しい現実かもしれない。しかし、この世界が極微なものごとにより成り立っている以上それから逃れられない。1953年のJ.ワトソン、F.クリックによDNA の二重らせん構造の解明が遺伝子工学の夜明けとすると、iPS細胞の作成は太陽がまぶしく輝く前兆のようでもある。一度発見された真理は何をもってしても否定することは不可能である。問題はその真理をいかに生かすかに尽きるのであろう。

2008年10月15日 (水)

金木犀のルーツ

2008/10/15

金木犀のルーツ

モクセイの落花が語る過去未来    夢野照緑

金木犀の花が盛りを過ぎ、小さな花が地表をオレンジ色に染めている。金木犀はその花より

むしろ芳香が愛でられているようだ。しかし、咲いているのは雄花だけであるという。なぜなら

金木犀は雌雄異株で、日本には雄花だけが江戸時代に渡来したらしい。それでは雌花はど

んな花か気になる。芳香樹として雄花が渡来したとすれば雌花は芳香が無いのであろうか。

そこで思い出すのが麝香である。麝香は雄のジャコウジカの腹部の香嚢にあるらしい。

アナログ的な物の見方を拡張すると類推という問題になる。芳香が動物の世界と植物の世

界の雄と共通するのは単なる偶然なのだろうか。雌花にも芳香があった場合なぜ雌花は渡

来しなかったのだろうか。我が家にも古木となった一本の金木犀が住み着いている。

この木のルーツを辿ると日本に伝来した数少ない原木に行き着く筈である。

日本の金木犀には実生が無いのだから遺伝的にはクローンで皆兄弟に近いだろう。

一本の金木犀の木も色々な事を語っているようだ。

2008年10月14日 (火)

ぶっちめ

2008/10/14

ぶっちめ

これも、幼少時代の冬の遊びであった。野鳥をしとめる罠の一種であろう。野鳥の餌が少なく

なる冬場の遊びで、理にかなう。用意するものは素材のヒモとナイフ。

ぶっちめのアイディアは餌を食べに来る野鳥を餌場の入り口で捕獲しようとするもの。

入り口に入ったところでかんぬき(閂)に押さえられる仕組みである。

かんぬきをおさえるバネの部分は桑の枝などを使用したので、現地調達である。この桑の枝

にヒモの一端をしばり、ひもの末端にかんぬきとなる棒を縛り付けてかんぬき外す作動部品

に連結する。この作動部品は一種のロックとセンサーを兼ねている。鳥が餌を食べ始めて

この作動部品に触れるとロックが解除されて桑の枝のバネの作用でかんぬきがばたんと下

がり鳥が捕獲される。鳥を引き寄せるため餌をまくが、入り口から入るように、餌場を木の枝

を立てて囲う。この枝も桑の枝などを現地調達する。

この仕掛けを作り、うまく働かせるまでの調整が大変である。というより、ぶっちめという仕掛

けができれば、遊びの大半は終わったようなものである。今、思い返すと点々と鳥の足跡が

あり、かんぬきが外れた形跡は見たが、獲物を捕った記憶はない。多分バネの強さが不十

分であったのだろう。ぶっちめはかっては半実用的に使用された狩猟技術であったが、その

後は技術の伝承という形で子供の世界の遊びとして残ってきたのであろう。罠という狩猟の

基本要素は全てこの遊びに備わっている。ナイフ一本とわずかな材料で色々な遊びができた

のだ。遊びを通して知らず、知らずに生活の知恵も学んだようだ。

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  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)