アナログ業(わざ):いとしきもの
2010/7/22
アナログいろはカルタ:アナログ業(わざ)
け:
■ 芸より技術が身を助けるアナログ業(わざ)
「人生は短し、されど芸術(技術)は長し」という医聖ヒポクラテスの言葉は技術者の格言でも
あるようだ。 いろはカルタに○ 芸は身を助ける ○下戸の建てた蔵はない○ 下駄と焼き味
噌 等があるようだ。石原純が日本の和算について述べてた事を思い出す。一種の家元制度
のように技術は秘伝として伝承される。技術を高めて伝承するという営みは歴史的な長い期
間にあっては重用だ。科学がその技術の根と幹と枝葉の関係を暴いてきた。アナログもデジ
タルも技術の選択枝の一つにすぎない。アナログも技術を失い芸に傾くとアナクロになってし
まう。そう言いつつも、入社当時に先輩技術者にコイルの巻き方を教えられ、ボビンに極細
のエナメル線を巻き、スコープに描かれた帯域波形を高周波ドライバーでカットアンドトライで
調整した経験も無用では無かったと思う。おまじないに思われたその一つ一つに技術的な根
拠はあったと今になって悟っている。ともかく、何が何だか分からずに技術の現場に配属され
るのも技術者の宿命かもしれない。