雑草句録:雪どけ
2011/1/2
昨日は町内の新年会。会議所前に立派なポールがあるが、ここに日章旗が掲揚された。寒いが、すがすがしい微風を受けて翻る日の丸の旗を見上げると、こんな風に日の丸を見たのは初めてのような気がした。血や泥にまみれ、焼いたり焼かれたりした日の丸の旗を何度見たことか。母国。自分を生んでくれた国。母親と同じように選ぶことが出来ない。祖国。自分が仕える国。代々を辿る歴史を見なければ「祖」は見えてこない。
■元旦やただひるがえれ日章旗
全てが無事であることを願う。
以下本題。
雑草句録:雪どけ
■雪どけの土の中から福寿草
雪解けも全て均一には起こらない。雪が解けて雪の下のものが姿を現すにも順序がある。白い雪がとけて中から黄色い福寿草の花が姿を現すとそのけなげさに感心する。
○冬の日や馬上に凍る影法師 芭蕉
冬の日⇒寒さ⇒凍るという連想が働く。この句は『笈の小文』に保美に隠棲した杜国を芭蕉が訪ねる場面に出てくるらしい。「あまつ縄手(なはて)、田の中に細道ありて、海より吹上る風いと寒き所也。」と冬の寒さに加えて、海風が吹き上げて人間は凍えてしまう。それを間接的に影法師で表している。馬上は動。凍るは静。さて何をイメージするか。
■影法師逃げ足早し冬至かな
冬至は太陽仰角が最小となる。影は最長だ。そこで影を追うと早くて追いつかない。静の影法師に対して動の影法師を連想した。