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2011年4月

2011年4月10日 (日)

身辺雑記:危機に臨んで辻褄合わせの弁解は無用

2011/4/9
天気予報で雨を期待したが期待外れ。パソコンの調子が今ひとつ良くない。青画面となり再起動でなんとかしのいでいる。HDDのCディスク容量が数百Mしかないのが原因か。OSもWIN MEで古すぎる。3.5インチ6Gの古いHDDを専用ケースに入れてUSBディスクにしてみた。何とか使えそうだ。パソコン本体のデータをこのUSB_HDDに移せばCD-ROMに焼けると思う。現状では容量過小でCD-ROMに焼くイメージが作れない。東北関東大震災で大切なデータの入っているパソコンが被害を受けた例も多いと思う。そんなパソコンを探している映像をTVで見た。他人にとってはゴミ同然でも個人的には大切な情報が沢山ある。そんな情報は頭の中に詰め込んでおくべきかもしれないが、現代では自分の外部に頼っている。でも、そのゆとりが保険になっているのだろう。軍隊は目的がはっきりしている巨大組織だ。それを扱うのが軍事学。軍事学も読み方を変えると国家学にも経営学にもなる。東日本大震災も発生から1ヶ月経とうとしているが、今後の復興プランや福島原発の無害化の展望が見えない。軍事で言うなら勝利のシナリオだろうが、だれがそのシナリオを書いているのかさえ分からない。

昨日の天気

TAVE= 13.9
TMAX= 16.4
TMIN= 11.9
DIFF= 4.5
WMAX= 4.3
SUNS= 0.1
RAIN= 0.5

身辺雑記:危機に臨んで辻褄合わせの弁解は無用

明日で東北地方太平洋沖地震から1ヶ月目になる。まだ、東北関東大震災の総括が出来る段階ではないだろう。国民が刻々と知りたかった事が、少しずつ明るみに出てくる。徹底的に責任を追及されそうな事実は永久に出ないかもしれない。第三者が評価して自分の立場が無くなりそうな場合は責任逃れで追認して行く。福島第一原子力発電所の原発事故の大きさは誰でも気になる。

YOMIURI ONLINE(2011年4月10日01時55分  読売新聞)は、「原発事故、スリーマイル上回るレベル6の可能性」というタイトルで「レベル5以上の大きな事故は、放出した放射性物質の量で判断される。原子力安全委員会によると、先月12~24日に大気に放出されたヨウ素131の総量は、単純計算で約3万テラ・ベクレル(テラは1兆)。これは数千~数万テラ・ベクレルというレベル6の条件にあてはまる。」と報じている。

今まで、表向きは過小評価を取り繕っていただけなのか。政府発表の放射能レベルを大丈夫大丈夫と宣伝していた評論家や学者もブラウン管から姿を潜めてきた。事態が余りにもおおきくなりすぎてこのような妖怪が跋扈できる状況では無くなった。黙りを決め込むこういう事なのだろうか。ともかく、テレビ、ラジオ、新聞というあらゆる媒体には、媒体が運べる情報量の上限(バンド幅)がある。緊急事態には情報メディアは優先して正確で信頼できる情報を最大限のスピードと量で流してもらいたい。評論家や学者も相当の職業倫理感を持っているだろう。危機に際して大切な情報のバンド幅を無駄にまたは有害に使ってしまったという反省はないのか。どういう決意でTVカメラの前に立ったのか知りたい所だ。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:てのひら

歌題=てのひら:

■まぼろしの 猫と遊べり 老い母は この世の外に 出で入るらしき  21 上原 光子

母と姑と自分と女性は三つの位相を体験し、そこに歴史が刻まれる。

2011年4月 9日 (土)

東北の海よ(改題):かみつけ女流歌人 雅:ソニー多賀城出張の思い出。110409。

2011/4/9
畑にはスモモ、菜の花、水仙が咲いている。スモモは受粉に相手を選ぶので余り実が生らない。なりゆき任せだ。スギ花粉症で目薬をもらったが、ステロイド系の薬との事で、副作用が心配だ。薬局の薬剤師も薬の副作用まで親切に教えてくれない。今年は大量に花粉が飛ぶと予想されたが、放射能物質の飛散の怖さで花粉の方が遠慮しているかのようだ。:BLOG EDITORで以下に書き込んだ部分が消えてしまった。対策は頻繁な保存。しかし、HDD以上に時間がかかる。以下、消えた部分の復元を試みたが、同じ表現にはならない。

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今朝の上毛新聞記事によると、群馬県産のホウレンソウとカキナの出荷停止が解除された、夏場にも計画停電は実施しない等の記事が目に付いた。しかし、放射能汚染は今後とも楽観出来ないのではないかと気になる。野菜の買い控えは当面続行するのでは。東京電力のホームページによると、「計画停電等に伴う電気料金の割引について(2011年4月8日 )」として、「一般のご家庭など低圧で受電されているお客さま、および高圧で受電され契約電力が500kW未満のお客さまにおいては、1日のうち1時間以上の停電が発生した場合、1日ごとに基本料金の4%を割引し、5月分の電気料金ご請求時以降、順次精算手続をさせていただきます。」と発表していた。この内容からは東京電力の善意のように感じてしまうが、電気供給約款にその規定がある。本来は東京電力の責任の範疇である。しかし、電気供給約款がどのように実行されるか関心を持っていたので、このような形で実行されるのには一定の評価は出来るであろう。法令コンプライアンスととらえることが出来る。これは社会的企業の基本である。東日本大震災で、お金の情報が飛び交っているが、お金より先ず行うべき事が行われなければ物事は始動しない。法令、規則、契約等がないからできないでは緊急事態は乗りきれない。その場で必要となる法令等も万全ではないだろう。もし万全な法令集があれば政治家も議会ももはや必要ない。それを言い換えると、緊急な対策が必要な法令で規定されていない空白部分は政治が解決しなければならない。群馬県議選も終盤になったが東日本大震災の影響で選挙は盛り上がっていないと言われている。しかし、こういう機会だからという事で今まで棄権していた有権者が投票に向かう可能性もある。投票率の向上に期待したい。
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昨日の天気

TAVE= 15.2
TMAX= 21.7
TMIN= 6.7
DIFF= 15
WMAX= 4
SUNS= 4.3
RAIN= 0

東北の海よ(改題):かみつけ女流歌人 雅:ソニー多賀城出張の思い出

追記(2018/03/15):この過去記事は、ほぼ10年前に書いたが、読みにくさがあるので、読み易く整形、再読して、印象・コメント等を追記して再利用。誤字訂正。タイトル追記。

東京電力の放射能汚染水の海洋投棄で茨城沖の漁業は休止に追い込まれている。いつ再開再会できるのか。東北地方太平洋沖地震が起きて、今まで余り関心がなかった東北地方に進出した企業の動きが見えてきた。自動車、半導体等の会社も進出していた。かつて、仕事の関係で多賀城にあるソニーの事業所を訪問した記憶がある。多分磁気製品に使う部品の件で出張したのではないかと思う。いま思い出せるのはこの位である。今、あの工場はどうなっているのだろうか。このわずかな記憶をを手がかりに、NET情報を検索した。毎日新聞 2011年3月12日 東京夕刊(url=http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110312dde007040007000c.html);「東北沖大地震:日産、全工場操業中止 ソニー、1200人が工場で一夜」:「ソニーの宮城県多賀城市の磁気テープなどを生産している工場では、津波で1階部分が浸水し1159人が上階に避難して一夜を明かしたが、12日朝も水が引いていない。近隣の住民も約110人が避難してきている。」という記事があった。

多賀城市のホームページに以下のような情報があった。
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○多賀城市における東日本大震災の被害状況
発生日時    平成23年3月11日(金曜日) 14時46分
震源地     三陸沖
規模       マグニチュード9.0
震度       5強
津波       浸水区域 ※津波による道路浸水が確認できている区域(3月16日現在) (PDF形式 1.7MB)
浸水面積    662ha
被災世帯    約6,500世帯
被災者人口  約15,000人

○企業立地促進法に基づく取組
多賀城市の特性・強み多賀城市は、市域が狭く、大きな工場が立地するための面積が十分ではありません。

こうしたデメリットを考えると、工場面積等が小さいけれども、地域経済に及ぼす影響が大きい産業が市内に立地することが望まれます。

高度電子機械産業(一般機械器具製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、電子部品・デバイス製造業、精密機械器具製造業)は、比較的工場面積等が小さく、波及効果が大きい産業です。

こうした産業を営む企業等を積極的に誘致することが、本市の産業振興に繋がることから、以下の特性・強みを活かして、企業立地促進法(通称)に基づく企業誘致を行っていきます。

高速交通体系が充実していること。
物流機能が充実している国際航路を有する港湾・空港に近接していること。
電気、ガス、水道、通信等のインフラが整備されていること。
高度電子機械産業の核となる企業が立地していること。
高い学術研究機能を有する工学系の大学が地元に立地していること。
鉄道・バス等の交通インフラが整備され、居住環境が充実していること。
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更に検索を続ける。多賀城市のホームページには個別企業に関する情報は見あたらなかった。現在の上記のソニー事業所はソニーケミカル&インフォメーションデバイス多賀城事業所(宮城県多賀城市)らしい。ようやくそのホームページurl=http://www.sonycid.jp/にたどり着いた。このホームページの沿革に目を通すと、ソニーの録音機、ウオークマン等ソニーの事業を牽引した商品の基本的な部分に磁気部品があったと改めて気付いた。更にそのルーツを辿れば、東北大学の本多光太郎等の磁気研究にも遡るのかもしれない。出張の目的はほとんど忘れてしまった。多分磁気製品に使う周辺集積回路の開発の打合せではなかったかと思う。具体的に差し迫ったテーマではなかたのかもしれない。たぶん、コスト的・技術的には難しい課題でもあったと思う。しかし、チャレンジに値する課題だったろう。お互い、技術者同志がブレーンストーミングのような話し合いをしたように思う。従って、その打合せは具体的なビジネスにつながらなかったが、技術者同志の息が合うところに仕事の種が芽生えるのも事実であろう。たった一回だけの訪問であったが、先方はかなりのお偉かたも含めて大勢で会合に臨んでくれた。地図検索で、多賀城事業所は仙台湾に注ぐ、砂押川の近くにあった。津波の影響を大きく受けそうな地点であった。多賀城市の被災者人口は約15,000人 との事。ソニーケミカル&インフォメーションデバイス多賀城事業所は多賀城市を牽引する産業の一つであろう。早期の復興を切に願う。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:世話になったな

歌題=世話になったな:

■ベッドにて 夫の記せし メモ帳の 端に一行 先に逝くなと 9 安藤 君江

夫を送った後の心のさまを詠いきることは不可能であろう。数々の思い出が心の空白を埋めてくれるようだ。

2011年4月 8日 (金)

永遠のアナログTV:身体で覚えたアナログ技術

2011/4/8
夜大きな地震があった。ラジオニュースによれば、東北地方太平洋沖地震の余震との事だ。以下は気象庁発表:「07日23時32分頃地震がありました。震源地は宮城県沖 ( 北緯38.2度、東経142.0度、牡鹿半島の東40km付近)で震源の深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は7.4と推定されます。」深夜だったが、なにか地震慣れしている事に気付いた。福島第一原子力発電所原発1号機への窒素注入は始まっている。放射能汚染水の海洋投棄も続行。朝日:(url=http://www.asahi.com/politics/update/0407/TKY201104070526.html)は「被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県」の地デジ移行を延期すると伝えていた。

昨日の天気

TAVE= 13.1
TMAX= 20.4
TMIN= 6.2
DIFF= 14.2
WMAX= 3.1
SUNS= 5.3
RAIN= 0

永遠のアナログTV:身体で覚えたアナログ技術

東北地方太平洋沖地震とそれに付随して発生した大津波の災害を東日本大震災と呼ぶことが正式にきまったらしい。最近、東北地方の都市のホームページがどのような震災の名称を使っているのか幾つか覗いてみた。「東日本大震災」と呼ぶより、「東北地方太平洋沖地震」という地震の名前と併用している場合が多いように感じた。辞書によると東日本とは東北と関東、場合によると北海道も含めるとある。しかし、東日本大震災の被害の実態はやはり東北地方が圧倒的に大きいのではないかとおもう。自分は言葉にこだわりすぎるのか、自分がある言葉に持つイメージと異なるイメージで使われるとどうも良い感じがしない。その点では東日本大震災も違和感があった。ところが、原発の放射能汚染で群馬県のホウレンソウ、カキナまで被害が及ぶと仕方ないのかなとも思う。しかし、農産物が被る被害は天災というより人災ではないかとなんとも割り切れない気分のままだ。東北地方の人々は「東北地方」という言葉に自分の故郷を重ね、自己のアイデンティティを強く感じるだろう。そのアイデンティを大切にして復興に向けて頑張ってもらいたい。

東北地方太平洋沖地震の発生以前は、我が家のアナログテレビにはいつもうっとうしく「お宅のテレビはアナログテレビです。はやく地デジにかえて下さい。」という表示がでていたが、最近その枠には何も出ていない。やはり、どんな商品でも生まれてきたからにはその寿命を全うしてもらって使えなくなってからこの世から姿を消してもらいたいと思っている。

自分が技術者として生きた時代はアナログ技術の全盛の時代であったとおもう。主にTV関係の集積回路の開発に従事してきた。その時の体験や失敗を「アナログいろはカルタ」という形にまとめた。それを読み直してみると、アナログ技術の多くがカラーテレビの中に使われていることを改めて実感した。仕事もカット&トライで身体で学んだ部分が多かった。そんなわけで、アナログテレビ放送が終焉するという事には何となく自分の時代も一段と遠くなるように感じている。

デジタルテレビの時代になったが、テレビの基本技術にはほとんど変化はない。日本では戦前に浜松高専の高柳健次郎がイロハのイの電送に成功したのがテレビの歴史のスタートとなった。自分が入社した頃は真空管TVがトランジスタTVに代わる頃で、他社のトランジスタを自社のトランジスタに差し替える仕事等もさせられた。半導体も農業に喩えられ、天気により歩留まりが変わったという話も聞いたことがある。

1967年に自社の最初のTV-VIF集積回路の開発に着手したのが自分の上司で、内蔵部品点数はわずか8個であった。その後、1968年に発表された米国モトローラ社製品のセカンドソース品の開発を自分が担当した。内蔵部品点数は81個だった。この頃は、集積回路の経験者もいないので開発手法と言えばリバースエンジニアリング、別名デッドコピーに近かった。福島第一原子力発電所原発第1号機も同じような状況からGE社の製品をベースに国産化されたようだ。それにしても産業用の大型製品の寿命の長さには驚く。民生用部品では生産終了後約10年間のスペア部品の在庫が求められるが製品寿命が比較的短いので集積回路の寿命も余り長くはないのが多い。ASSPとして用途が限定されているのも日本の半導体の特徴であった。しかし、汎用品では数十年の製品寿命を持つ集積回路もある。その後は集積度を向上させチップ数の削減が大きな流れになり、1978年に308素子を内蔵したVIF-ICの開発を最後に信号系の集積回路の開発から離れた。

TV用信号系集積回路の生産数はVTRにも使われて急増した。累計の生産量を集計した事はないが、数千万個から億単位になるのではないかと思う。そんな事を回想しつつ、「アナログいろはカルタ」というカテゴリー名を「永遠のアナログTV」に変更した。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:むらさきを帯ぶ

歌題=むらさきを帯ぶ:

■耐ふるとは 吾のみならず 迫(せり)出して 今か落ちなむ 大屋根の雪 7 阿部 美代子

大屋根の雪のように大きな力に耐えているのは自分だけではないと自分を励ましている歌。

追記:「今か落ちなむ 大屋根の雪」をもう少し踏み込んで読むと、雪の積もった厚さ・重さ・屋根の傾斜・雪解けのようす等にもかかわらず、落ちないよう落ちないよう踏ん張って耐えている姿が目に浮かんできた。今読み直すと作者の実生活が詠み込まれた歌だった。歌も心の支えになっているのだと再確認した。この作者から生前の母宛に新しく出版された歌集が送られてきた事があった。以下はその時作った歌。この中の一首を添えて母に代わってお礼の手紙を出した事を思い出した。

■片時に 人生分け合い 歌詠みし 友にしあれば 不思議なる縁
■つむぎたる 歌の軌跡は 果てしなし 大空巡る 飛行機雲か
■寄せ返す 波の記憶よ 同人の 歌集を解せぬ 母とはなりぬ

2011年4月 7日 (木)

技術断想:福島原発破局回避のシナリオ(原発谷側に巨大な貯水池を作れ)

2011/4/7
昨日はスギ花粉が良く飛びそうな天気であった。花粉症は眼の痒みと軽い鼻水が出るが何とか我慢できるレベルで推移している。憂鬱さが増しているのは福島第一原子力発電所の事故の行方。事態は刻々と悪い方向に進んでいるようだが、桜の開花のニュースが流れたりしてどこかうきうきした雰囲気も出ている。一方、茨城県沿岸の漁は海の放射能汚染で中止され、漁民の怒りは頂点に達している。東京電力の会長はマニュアル通りに頭を下げているだけに見えて、漁民の怒りは沈痛に変わっているかのようだ。東京電力社長の動きは何一つ見えない。この、重要な事態に人的組織が機能しないのだから、社長は自ら退く決断をすべき時ではないか。経営幹部全体の見識が疑われる事態でもある。

昨日の天気

TAVE= 12.7
TMAX= 21.5
TMIN= 3.5
DIFF= 18
WMAX= 4.1
SUNS= 12
RAIN= 0

技術断想:福島原発破局回避のシナリオ(原発谷側に巨大な貯水池を作れ)

本当の恐怖が見えない。後ろから恐怖という巨人が駆け足で迫ってくるようでもはや逃げようとしても足がすくんで、逃げ切れないのではという気持になってしまいそうな毎日である。震災・津波・原発の被害のない地域でも滅入りそうな日々だ。被災地の更に厳しい状況が思いやられる。原子力安全保安院が第21回原子力安全委員会の第1号資料(平成23年4月4日)に福島第一原子力発電所1号機の炉圧(紫色の線)が上昇しているグラフがあった。それを以下に示す。
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「東京電力は6日、福島第一原子力発電所1号機の格納容器で水素爆発が起きるのを防ぐため、格納容器内への窒素ガス注入を同日中に始めると発表した。
(YOMIURI ONLINE:2011年4月6日22時02分  読売新聞:url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110406-OYT1T00986.htm)」この時点ではまだ東京電力のホームページには、この情報は掲載されていない。窒素ガス注入に関しては、既に4月1日に情報が流れている。数日にしろ、数時間にしろ、数分にしろ、情報を発信した時刻が発信側の意識を示すのではないか。東京電力は情報発信を報道機関に丸投げしているのであろうか。原子炉内では、強い放射線により、水(多分高温の水蒸気になっているのだろが)が分解して水素が発生する。原子力安全保安院が示した炉圧はそれを示しているのではないか。原子炉格納容器は強力な放射線物質の外部環境への拡散を防止する最後の砦である。ここまで、危機が及んできたのが現実ではないか。

既に炉心は損傷を受けている。炉心の抜本的な冷却は遅々として進んでいない。更に原子炉に海水を注入したのでその塩分の悪影響を懸念する海外情報もある。塩分が炉内に沈着して悪影響の原因になる可能性もあるようだ。最終的には塩分を除去することはもはや不可能な事態になるかも知れない。強レベルの放射能汚染水はいずれ溢れるだけしか保管容量はない。今こそ、次善の策としての発想転換が必要なのではないか。

福島第一原子力発電所の抜本的な危機突破策を考えてみた。福島第一原子力発電所の立地する地形を色々調べてみると(福島第一原子力発電所:「出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2011年4月6日 (水) 06:20 )」)、原発は海抜30m程度の高台にあるようだ。要は与えられた条件を最大限に使えないかという点。その結論は、日本中の重機を集め、原発のある緩斜面の土砂を掘り、残土で低地側に高台と同じ高さの堤防を築けば、巨大な貯水池兼冷却装置となる。ここに、貯水池が出来次第次々に放射能汚染水を貯水して時間稼ぎをしながら、原発の冷却をする。最終的には、貯水分を巡回式にして精製再利用して、放射能汚染水の総量を削減する。現存の原発プラント能力だけでは破局のシナリオしか見えない。

新しい、原発暴走阻止兼放射能汚染防止プラントを日本の産業界の総力で作らなければ日本の最大危機突破のシナリオは見えないであろう。当然貯水池は放射能漏れの対策を施す。時間との戦いであるが、これは壮大なコンカレントエンジニアリングの実験にもなる。ちなみに、コンカレントエンジニアリングは半導体集積回路の開発などでも行いつつあった。目的と司令塔と役割分担を明確にしてプロジェクトを管理すれば不可能な事ではない。

波志江沼環ふれあい公園の沼の貯水量を推定してみた事があったが、数万トンから十数万トンと思われる(06A_波志江沼環境ふれあい公園:http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/HASHIE_NUMA.html)。水深が深くとれれば貯水池は小さくできる。要は貯水池の面積と深さである。素人の発想で、バカを承知で考えてみた。

二宮尊徳が、家を川に流して堰を作ったという逸話を思いだした(「二宮尊徳」(岩波新書:奈良本辰也著))。また、読みかじりの記:二宮尊徳の仕法と仕分(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/11/post-37c9.html)で仕法と仕分けについて書いたが、制御理論的に考えると仕分けはフィードバック系、仕法はフィードフォワード系になるのではないか。フィードバック系はシステムのアウトプットをインプットにして制御するので制御に遅れが生じる欠点がある。その適例が乱調や発振現象である。なにか今日の事態に似ている気もする。フィードフォワード系は先を見越して制御をかける。フィードバック系では能力が決定的に欠ける場面でいくら努力しても結果は見えている。うまく行くのは偶然の天恵や奇跡を待つ以外にない。フィードフォワード系ではその能力の限界を見越して制御をかけるという事になる。最大の課題は破局か破局の回避かだ。目的は破局の回避しかない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:赤きまたたき

歌題=赤きまたたき:

■真夜の海に 語りゐるがに 原発の 赤きまたたき 闇に浮きをり 34 木村 あい子

原子炉の中を直接覗く事は出来ないが、それを想像で見てしまう迫力。

追記:この、「赤きまたたき」の項は以前の書きためで、上記の技術断想の項とは別に書いたが、偶然に「原発」という主題が一致した。原発が放射能を出さずにエネルギーだけを生んでくれる金の卵なら文芸と科学と技術は共存できたように思われるが、放射能とエネルギーは表裏一体でもある。福島第一原子力発電所の炉心が溶解して一瞬でも赤きまたたきを放たないよう願うばかりだ。

2011年4月 6日 (水)

東北の海よ:大量の放射能汚染水を公海へ投棄するに大義はありや

2011/4/6
昨日は寒暖の差が大きく、スギ花粉の飛散は非常に多いとの予報であった。外出ついでに幾つかの店をまわった。乾電池は店により並べている数量が違うが、不便をしない程度に供給されている。開店・閉店時間を変えたり、照明を間引いたりと色々節電対策を工夫して実施している。電気店をまわると、LED電球の値段もこなれてきているので、試しに60W型を1個購入した。白熱電球の場合は大体定格が決まっているので選択の余地が余り無いが、LED電球の場合(かっこ内は買ったLED電球の定格 )は明るさのルーメン値(350lm)、消費電力(4.6W)、光色(昼白色)等微妙に異なるので選択に困った。節電が目的なので、そこそこ明るく、消費電力が小さいのを選んだ。寿命が40000時間とある。当分電球交換はしなくても済みそうだ。福島第一原子力発電所のピットからの放射能汚染水漏れは、水ガラスという物質を使って海への流出防止効果があったようだ。一方、放射能汚染水の海洋への拡散で、小女子から放射能が検出され販売不能になり、漁民への影響が一挙に拡大した。残念ながら、抜本的な対策はまだ無い。

昨日の天気

TAVE= 9.3
TMAX= 18.2
TMIN= -0.4
DIFF= 18.6
WMAX= 2.6
SUNS= 12.3
RAIN= 0

東北の海よ:大量の放射能汚染水を公海へ投棄するに大義はありや

福島第一原子力発電所のピットから漏れ出る放射能汚染水の流出防止対策が失敗に終わった直後に、今後高濃度の放射能汚染水保管場所がないからという理由で、東京電力は今まで専用施設で保管されていた低濃度の放射能汚染水を公海に大量投棄を始めた。ピットからの流出は目先は原因不明で不可避の部分がある。しかし、管理された危険物容器からの投棄は確信犯に近く、その落差は限りなく大きい。直前までの対策が、後続の行動を正当化する煙幕のように見えてしまう。しかし、これは二度と帰れない道に踏み出した事でもあろう。今日は高度の情報化社会である。日本で進んでいる事態は世界がリアルタイムで見ている。おなじ事をやるのにもやり方があるだろう。太平洋戦争・真珠湾攻撃に関しては宣戦布告無き開戦として日本は永久的な不名誉を背負うことになった。闇討ちを潔しとする国も国民もいないだろう。東京電力が先行して投棄をした事にして、政府はそれを追認するだけでは、日本という国家の国際社会での信用は得られないのではないか。公海への放射能汚染水の投棄を開始する前に政府が自己の責任の元でその事実を公表し、その大義を明らかにして、国際社会の理解を得るべきではなかったか。それは、島国、海洋国日本の最低の義務ではないのか。政府がそういう行動をとれば、漁民もギリギリ納得せざるを得ないだろう。今の状況では漁民の怒りは募るばかりであろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:春の息吹き

歌題=春の息吹き:

■奥津城を 払えば漢詩の 浮きたちて うるむ彼方に 夫立ちまする 5 朝倉 紀子

色々な事を思い出させる漢詩を通し情感を抑え、挽歌として一層深みを増している。

2011年4月 5日 (火)

東北の海よ:海に漏れた放射能は拡散するので問題ないと言ったのは誰だ

2011/4/5
苗に灌水。庭の一株だけのユキヤナギに白い花が咲いている。あちこちに植えたユキヤナギの株はこの株から根分けした物だ。この株がルーツだ。この株だけは最後まで残しておこうと思っている。東京電力は昨日、低濃度の放射能汚染水を大量に海洋投棄すると発表した。即日実施された筈である。東京電力のホームページにはその旨の情報があったが、原子力安全保安院のホームページには関連情報はなかった。こんな重要な情報を即刻開示しないのは極めて悪質である。ニュースが流す情報と当局が公表する公知は責任の所在が根本的に異なる筈だ。気になる4/4 の3号機の状況:7立米/H、燃領域A=-1800mm、燃領域B=-2250mm。

昨日の天気

TAVE= 6.8
TMAX= 11.6
TMIN= 1.8
DIFF= 9.8
WMAX= 9
SUNS= 12.2
RAIN= 0

東北の海よ:海に漏れた放射能は拡散するので問題ないと言ったのは誰だ

東北関東大震災により、広範囲の農地も津波で海水を被り、塩害で農作物の栽培が不可能になっている。これから、稲作の準備も始まる頃だがもう当分無理であろう。一方、海は平常の姿に戻っているようだ。津波で多くの船を失ったが、漁業が受ける打撃は、海さえあれば取り返せるというような話がラジオに流れていた。しかし、そのためには放射能がなくきれいで安全な海が必要なのだ。3月末頃か、福島第一原子力発電所のトレンチという地下抗から放射能を含んだ水が海へ流出している事が発覚した。その時の当局のコメントは、放射能が海に拡散すればその濃度も薄くなり危険でないというような内容だと記憶している。

今度は、ピットというコンクリート抗の亀裂から高濃度の放射能が直接海に流出していることが明らかになった。

YOMIURI ONLINE(2011年4月4日03時36分  読売新聞 url=http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110404-OYT1T00091.htm)によると、

「同原発を中心とした太平洋岸沖合約30キロ・メートルの5地点で今月1日に採取した海水の表層」だけでなく「水深113~160メートルからの採取」した海水からも検出されているので、相当広範囲に放射能が拡散している実態が暴かれたことになる。しかも、それを応急的に止めることも出来ていない。

一方、YOMIURI ONLINE(2011年4月4日03時08分  読売新聞 url=http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110404-OYT1T00076.htm?from=main1)によると、

「電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず:
東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。」という記事もあった。いわば、今回の原発事故は予め問題点が指摘されていてその対策が為されていなかったという人災でもあることが示された。

しかし、隠し事をしてもはや責任がとれなくなった時点になって、尻まくりして玉砕するというパターンがいつまで続くのか。日本の将来をそういう無責任体制が握っているとなると国民の失望は尽きない。

ところで、ピットから高濃度の放射能を帯びた水が海に流れ出すのも基本はサイフォンの原理と同じで、流出源の水位がピットの水位と同じになるまで続くのではないか。ピットからの流出を止めれば、どこか他に注入した分の汚染水がたまるか流出する。まさにジレンマそのものである。しかし、海という世界の人々につながる海水に放射能を垂れ流すとこは絶対に避けなければならないだろう。ともかく、目先の対策としては原子炉からピットに至る経路のどこかで汚染水を遮断しなければならない。以前コンクリート桶の水漏れを考えたとき、薄いビニールシートで亀裂部をカバーすると水圧で不十分ながらある程度は止水はできた。ゆっくり硬化するヘドロ状の物質を流し亀裂に目詰まりを起こさせるというような方法も可能ではないかとも考えてみた。速効ではないが大きい粒子から小さい粒子へと変えて目詰まりを促進するとか。ともかく、どこに亀裂があるのか不明ならば、水圧の差を利用しない手はないだろう。報道された新聞紙とおがくづと高分子ポリマーはどういう物性を持ち、どういう物理的条件の元に使われたのかについてはその理由が見えない。何か、やぶ蛇的な対策に見えてしまう。

追記:自然には保存則という大原則がある。物の出入りの収支は常にゼロである。原子炉に注入した水も、入れた分からどこかに溜まった分を引いた物が出た分になる。物を貯める容器には限界がある。従って、放射能に汚染された水があふれ出すのも当局者は先刻承知していた筈である。抜本的でない先延ばし対策の連鎖を源流に向けて辿って行くと、結局初動対策の不手際に突き当たる。後手後手の対策は抜本対策をする貴重な時間を次々に食いつぶして来たのが実態ではないか。最悪こうなるというシナリオが公知されていれば、それに対する覚悟は定まるが、土壇場で、寝耳に水のような扱いをされると当局への不信感は爆発してしまうだろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:別れとは

歌題=別れとは:

■別れとは つね流れいる 時なかの 我のみにある 一つの区切り 23 大石 敏子

幾つもの別れにあい、それを自分なりに鎮魂の歌として詠った。

2011年4月 4日 (月)

東北の海よ:哲学者・梅原猛さんの思い

2011/4/4
寒暖の差が大きい。しかし、周囲を見渡すと色々な花が咲き出している。白い花が咲く高木がハクモクレン(6弁)と思っていたが、朴(9弁)の花だったようだ。

原子力安全保安院の福島第一原子力発電所3号機の4/3の水位(流量=8立米/h):燃領域A=-1850mm、燃領域B=-2250mm。4/2の水位と同じだ。淡水注入中なので水位が安定しているのか。水位計が故障しているような事はあってはならない筈だが、mm単位でぴったり1日間一定に制御出来るのだろうか。ちなみに3/31のデータは(流量=116l/min=6960l/h)燃領域A=-1900mm、燃領域B=-2300mm。流量単位を変更している。このデータを見ると、原子炉内の水はほぼ一定なので、注入した水とほぼ同量が、湯か水蒸気になって原子炉外に漏れている事にならないだろうか。ただデータを並べるだけでなく、そのデータが何を語っているか解説して頂きたい。

昨日の天気

TAVE= 7.5
TMAX= 13
TMIN= 4
DIFF= 9
WMAX= 9
SUNS= 5.3
RAIN= 0

東北の海よ:哲学者・梅原猛さんの思い

『特集ワイド:巨大地震の衝撃・日本よ! 哲学者・梅原猛さん

 ◇1000年先を見なければ--梅原猛さん(86)
 「ちょうど新幹線が青森まで延びて、東北に光が当たりだした、まさにそんなときでしたからなあ……」。梅原猛さんの顔は憂いを帯びていた。この3月20日で86歳になったばかり。京都の「哲学の道」近くの自宅は祝いの花かごであふれながらも、マグニチュード9・0の巨大地震は遠く離れた古都の哲学者の心を大きく揺さぶっていた。』云々という記事(url=http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110401dde018040091000c.html)をWEBで読んだ。

梅原猛は異色な哲学者で、観念より情念で対象に迫るようなので、つい引き込まれて読んでしまう作品が多い。時には、迫る対象になりきっているように感じる時もある。やはり、それほど真剣に対象に迫らない限り、対象が訴えようとするかすかな声は聞こえて来ないのではないかと思った。以前、幼少にして実母と死別し、養父母に育てられたという生い立ちを知った。上記の記事で、その実母の出身地が宮城県石巻市で、網元であったと述べている。本文を読むと、梅原猛の水脈のなかに母親を通した東北の血が流れているような感じがする。文末の「一段落したら行きたいね。ぜひ。たとえ無残な姿をさらしていても、わが母なる東北だから。そう、菅直人首相にも会いたい。利他の心を持った文化国家・日本にせよ、と」いう言葉が印象に残る。これは、【鈴木琢磨】の署名記事である。文中には、「もっときっぱり「反原発」の旗を高く掲げるべきだったと苦渋の告白が続く。」という部分もある。きっと、被災者への励ましを込めて書いた記事に違いない。話す人、聞く人の位相がうまく合っていると思う。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:いのちと言うを

歌題=いのちと言うを:

■又の世の ありなば吾は 吾なるや 吾が身抱きしめ 今宵ねむらん 16 石坂 國子

何か自己を照射するようなユニークで哲学的な歌だが、現実的でもある。

2011年4月 3日 (日)

かみつけ女流歌人 雅:ひとつ蟋蟀

2011/4/3
黄色いチョウチョが飛び回っていた。気温があがり、上着をぬいで仕事をした。おかげで、計画停電はしばらく無いようだ。しかし、原発事故の抜本的な進展はなく、放射能漏洩は増大し、憂鬱な気分からは解放されていない。原発の現状はどうかと、原子力安全保安院のサイトを覗き、原発3号(プルサーマル)機の水位を調べた。pdfファイルを開くと、何と、第1ページが天地逆であった。pdfリーダーで、90度回転を二回して読む始末。4/2のデータは、燃領域A=-1850mm、燃領域B=-2250mmとあった。この数値が東京電力の株価に相関するとも言われている。多数の人が真剣に見るデータであろう。それにしては、いかにも緊張感の感じられないデータ公表態度である。

昨日の天気

TAVE= 10.7
TMAX= 20.2
TMIN= 2.8
DIFF= 17.4
WMAX= 11.3
SUNS= 6
RAIN= 0

技術断想:原発事故のシミュレーション

「原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用」という記事があった。

(.asahi.com/international/update/0330/TKY201103300512.html:2011年3月31日16時39分)
その記事は「東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。
 このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。 」と述べている。

このようなシミュレーションが30年前に実施されて、安全規則に適用されていたという事実に、日米の原子力技術の質の差を感じてしまう。シミュレーションとはある条件が与えられた時に、どのような結果が現れるかを推測する技術といえよう。実験ができない大規模なシステムや破壊や危険を伴う現象の理解には不可欠の手法である。天気予報もすでにシミュレーション技術の上に実用不可欠なレベルに達している。地球温暖化の行方もシミュレーションがなければ科学的な根拠を失うだろう。後者の破壊や危険を伴う現象の理解には、まさに原発事故の解明や核兵器の開発で使われている手法であろう。

米国が、なぜこのようなシミュレーションを原子力発電の初期段階で行っていたのか。その原点には広島、長崎への原爆投下という重い歴史的な反省と責任感があったのではないか。原爆投下より十数年後には、米国の原発が稼働を始めているようだ。その原発の前身が原子力潜水艦の原子炉らしい。原子力が戦争から平和へと用途を広げてきたのは事実だろう。米国は原子力という超越的な軍事力の独占に今日も執着している。軍という組織の中では、原子力の管理は何とか可能であったろう。それが、民間で使われるとなると軍の下にあるような徹底した管理が不可能になる。万一、原子力の平和利用で、大きな問題を起こしたとき、それが軍に跳ね返る。原発も原爆もその根っ子は同じだ。ともかく、どういう目的で30年前に原発のシミュレーションが行われていたのか、真の目的は定かではないが、民主主義を標榜する国家として、国民を不安のどん底に落としこむ原発の危険を未然に防止しようと言う、国家の意思がそこにあったのではないか。まさに、原発事故は国民を守る軍が国民を恐怖にかりたてる以上の恐怖を国民に与えてしまう。米国は核兵器をバックとした世界平和の守護神としての意識と共に、原爆使用という加害者としてのトラウマをいまだ持っているだろう。日本は原爆の被害者としてのトラウマを忘れてしまったのか。

原子力安全保安院が、東京電力に対して、作業者全員に線量計を装着するよう口頭で注意したとの記事があった(sankei.jp.msn.com/affairs/news/110401/dst11040112090038-n1.htm):
「【放射能漏れ】
保安院、東電を注意 作業員の線量計不足で
2011.4.1 12:07
 東京電力福島第1原発事故でアラーム付きの個人線量計が不足し、作業員全員が線量計を持てない状況だったことが明らかになり、経済産業省原子力安全・保安院は1日、放射線管理に問題があったとして東電を口頭で注意した。」

この記事を見て、なんともいえない不快感を感じた。子供の使いではないだろう。この期に及んで、事態の後追いだけしかしないような仕事ぶりならば、その存在意義は無いだろう。事態の推移を予想して先行指示を出し、それを公表するのが任務ではないか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:ひとつ蟋蟀

歌題=ひとつ蟋蟀:

■人は皆 所詮ひとりと 立ち上がり 黄の水仙の 香り深く吸ふ 92 水島 美智子

人生を達観しつつ、居直り、行動を起こす姿を黄の水仙の香りを深く吸うと明るく表現した。

2011年4月 2日 (土)

かみつけ女流歌人 雅:春なれや

2011/4/1
かつて作った句:嘘ニュース作って苦笑四月馬鹿。こんな句もあった:辛き世よバカ言えばバカ四月バカ。昨日はAPRIL FOOLであったが、まだ冗談を言える気分にもならない。畑にピンクかかったスモモの花が咲き出した。受粉用に植えたのだが名前が思い出せない。植栽図でみるとハリウッドであった。昨日は県会議員の選挙告示。早速、選挙カーから大音声が響いてきた。

昨日の天気

TAVE= 9.6
TMAX= 17.2
TMIN= 0.5
DIFF= 16.7
WMAX= 4
SUNS= 11.6
RAIN= 0

身辺雑記:何事も集めれば初めて見えてくるものがある

閣議で、今回の震災を「東日本大震災」と呼ぶ事を決めたそうだ。NHKラジオニュースが報じた。NHKは「東北関東大震災」を使っていた。「東北関東大震災」という表記は「東日本大震災」より一文字多いが、地震の真相を伝えているので、「東北関東大震災」という表記の方が相応しいように感じる。地震自体の名称が「東北地方太平洋沖地震」なので、被害が拡大した事実を反映したのかも知れない。しかし、東日本大震災と言うと、後世の人々が災害の歴史を学ぶときに、「東北地方太平洋沖地震」に伴う、大津波や東京電力の福島第一原子力発電に伴う事故等の被災の想起が困難になるのではないか。東日本というと、先ず東京を思い出してしまう。余りにも範囲が広すぎるように感じる。東北地方の巨大被害を歴史の中に葬ってはならない。あれもこれも、場当たり的によさそうなことは全て盛り込む。その為には大風呂敷を広げればよい。あちこちに○○本部というような組織が林立して、どれが本当の本部かすらはっきりせず、情報の一元化ができていない弊害が「東日本大震災」で際立っているとあちこちから批判が出ているのが実状である。それならば、情報一元化本部を作ったらいかがか。また、数日前、人前に出ようとしない東京電力会長が、ようやく記者会見に臨み、福島第一原子力発電所の原子炉の廃炉やむなしと述べた。福島県知事はこの発言に激怒したと伝えられている。原子炉からの放射線物質の垂れ流しに目鼻がつかず、現場で必死に働いている人々の心情もはからず、自分のみ生き延びようとする敵前逃亡に見えたのではないか。原発事故の最高責任者として口が裂けても言うべき事ではない政治的発言をしたという事ではないか。その激怒を復興の原動力として頂きたい。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:春なれや

歌題=春なれや:

■桑の葉に  露おくよるは 億万の  虫のこゑする 神谷のはらは 68 田辺 典子

数えることもできないほど多くの虫のこゑを億万と誇張しつつ自然豊かな神谷のはらを詠った。

2011年4月 1日 (金)

かみつけ女流歌人 雅:何處からか

2011/4/1
昨日はハナダイコンを移植した。畑にははこべ等の雑草が地面にはいつくばっているが、これらの雑草をハナダイコンで抑えようとしている。昨年柿の木の下で繁殖したもの。ゴウゴウと強い風が吹いた。AMEDASのデータ:最大瞬間風速(m/s)=15.1 (風向(16方位))= (北北西)  16:34 。

昨日の天気

TAVE= 7.7
TMAX= 13.5
TMIN= 2.6
DIFF= 10.9
WMAX= 7.6
SUNS= 9.5
RAIN= 0

身辺雑記:東京電力の驚愕すべき作業員の放射線被曝管理

今朝、6時のNHKニュースで東京電力は作業員の放射線被曝管理をする計測器を一部の作業員に所持させずに作業させていた報じた。その理由は震災による計測器の故障等だとの事で必要数が確保できなかったから。従って、計測器の数に作業員数を合わせるという。

このニュースを聞いて本当に逆転の発想が東京電力でまかり通っていると感じた。作業目的、作業量に併せて作業員を手配するのが常識だろう。原子力発電所の作業は放射線被曝管理が適正に行われるという前提で成立するのではないか。このニュースを裏読みすると、放射線計測器を装着せずに常態的に作業をさせられた作業員がいたのではないかと推定される。当然、放射線被曝管理は各個人毎の累積値を管理する必要があり、各個人毎に本人専用の放射線計測器を割り当てるのが前提だろう。そうでなければ、管理体制が非常に面倒にになる筈だ。その道の専門の外部の人が福島第一原子力発電所の内部に入れば、やっている事は一目瞭然である。作業員の安全を無視した管理体制がまかり通っているのがばれてしまうというのがまずいと言うのが発表の根底には無かったか。いままで、放射能の管理も満足にされないで作業をさせられた作業員は自分を虫けらのように扱われたと憤慨するのではないか。法は最低の道徳とも言われる。東京電力の法学部出身の経営層は違法すれすれの経営をするためにだけにしかその法律を使用することができなかったのか。ニュースで報道された内容は労働安全衛生法に照らして適法であったのか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:何處からか

歌題=何處からか:

■気楽さと 寂しさを秤に かけてみて 一人の暮らしを 納得したり 48 島崎 梅子

秤にかけてと自己を客観視することにより女の強さが生まれ心のバランスがとれた歌。

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  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)