人工衛星に乗ったライカ犬
2009/2/11
人工衛星に乗ったライカ犬
ライカ犬を乗せたスプートニク2号が打ち上げられたのは、スプートニク1号の打上げの1ヶ月
後である1957年11月3日であった。この犬の写真を学校の掲示板に貼られた科学ニュース
新聞で見た記憶がある。1号と2号がこれほど接近していたとは思わなかった。ともかく、誰も
実現できないことを初めて行えば世界初である。人間が宇宙に出るまで、他の生物で色々実
験が行われていた訳である。犬を使った実験で有名なのはパブロフの行った条件反射の実
験であろう。ライカ犬を人工衛星に乗せるに際して特別な訓練をしたのであろうか。ライカ犬
は最初に宇宙に出た生物であったが、片道切符しか与えられていなかったようだ。スプート
ニク自体は弾道ミサイルという宇宙兵器という背景があったようだ。1949年08月29日、ソ連
はカザフスタンのセミパラチンスクで初の原爆実験を行った。人工衛星に原爆を積んで飛ば
すことができるという事の証明は軍事力の誇示にも通じる。少年であった頃は冷厳な国際政
治まで考えは及んでいなかった。原爆も人工衛星も科学と技術の基礎の上に成立する。特
定の国家がこれを独占できるという特権が無いのは明確な事実である。原爆もゆっくりと核
反応を制御してやれば原子力平和利用に通じる。科学技術は戦争と平和という諸刃の刃
であるようだ。今原爆を積んだ人工衛星が密かに地球を回っているのであろうか。