2011/12/25
昨日は晴れ。風は少ないが寒い一日。雑木2本を切った。一本は樹種不明。もう一本は椿。樹高は3~4mほどあり、日陰で花芽はついていなかった。しかし、その根元には数本の幼株が生えており、花が咲き種子が落ちた事があるようだ。屋根に近く放置も限界。瓦を壊さないようロープを結び、倒れる方向をコントロール。何とか目標通りとなった。これで空がみえるようになる。つばきのような常緑樹の木陰は薄暗くなっている。
2011/12/24の天気
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3.0 |
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8.4 |
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-0.6 |
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9 |
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0 |
最低気温(℃) -0.9 05:42
最高気温(℃) 8.8 14:25
読みかじりの記:「ああ 正負の法則」 美輪明宏 著 (2002年 株式会社パルコ エンタテイメント事業局 出版担当)
陰陽、プラスとマイナス。これは一つの自然観でもある。自分も電気屋としてプラスとマイナスとの付き合いは長い。本書は人生の幸不幸、美醜、貧富というような対立する価値観を正負という概念で巧みに解説している。常にプラス、常にマイナスと言うことはありえない。人生のプラスとマイナスは平均するとゼロとも感じるが著者はそれを主張しているわけでもなさそうだ。世間を見る場合こういう見方もあるという点では新鮮にも感じる。著者のヨイトマケの唄が大ヒットしたのが1966年との事だ。丁度自分が成人になろうとする頃であった。探すとUTUBEにあった;http://www.youtube.com/watch?v=sxHf7xW12xg。自分が物心ついた頃の事はほとんど思い出せないが、曾祖母に連れられて、家を新築する現場を見に行き、ヨイトマケの真似事をしていたと母が話してくれた事は覚えている。多分、その当時母はヨイトマケで綱を引いたり、お茶や食事の対応をしていたのではないかと思う。ヨイトマケは基礎を固める地業の事。ともかく昔は、生活は豊かではなかったが、なにかのどかさはあったように感じる。経済成長のお陰で一億総中流階級云々と言われた頃もあったが、今日では貧富の格差が広がった。世間で先ず関心があるのが貧富だろう。
毎日新聞サンデー時評は、「サンデー時評:「女性首相」がいいのではないか;url=http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/news/20111221org00m010001000c.html(2011年12月21日)」というタイトルで、「ところが、そうではなく、女性は貧しくなったという統計が先日出てびっくりした。国立社会保障・人口問題研究所の分析によるもので、勤労世代(二十~六十四歳)の単身で暮らす女性の三人に一人、三二%が貧困だという。六十五歳以上になると五二%と過半数、母子世帯では五七%と、女性の貧困はだんだん深刻の度を加えていく。」、~「よそはよそだが、ドイツの女性首相、メルケルさんは頼もしい。アフリカの小国の女性大統領がノーベル平和賞をもらった。一カ月後に迫った台湾総統選では、最大野党・民進党の女性候補、蔡英文主席が気を吐いているのに、と思う。 女性は権力闘争を好まないし、やさしさと純粋さが判断の中心を占める。そういう女性の特性が政治に不可欠になってきた。〈女性首相〉待望論を広げようではないか。」と報じた。
この時評は「 いま、〈最後のセーフティーネット(安全網)〉といわれる生活保護の受給者が過去最高の二〇五万人(一四八万六〇〇〇世帯)になったと大騒ぎしている。」と貧困の指数である生活保護の受給者数が戦後最大に達した上に、女性の貧困化が進んでいる事を受けての提言である。
ヨイトマケの唄には、母親が土木工事の現場で働く姿が唄われている。女性が元気に働ける社会
は建前だけでは実現しないのだろう。今、この唄を聞くと貧しさはあるが、未来に対する明るさ・希望を感じる事が出来た。それは、著者が本書で述べている事に通じるのであろう。貧富だけでなく、幸不幸、美醜等々にも正負の法則は働いている。本書には著者の人生体験が盛り込まれており我々凡人にとっては貴重な一冊。
著者は最後に、「マイナス<負>も、プラス<正>に変えてゆくためのエネルギー資源であると気づいていただければ幸いです。」と述べている。マイナス<負>と言えども、それが最初から余りにも巨大で、人々の人生に重くのしかかるようでは大変だ。ところで、今日の価値観も、マスメディアの流す価値観や流行に左右されている面も多い。当世、建前だけのプラス<正>の側面が強調されるが、マイナス<負>の側面も冷静に見つめて、それをプラスに転換するにはどうすればよいか。時代の閉塞感が言われて久しい。そろそろ、この一年を振り返る季節になってきた。人様ざまに正負の法則があてはまるのは避けがたいが、マイナスをプラスに転換する努力は無駄にはならないだろう。
NHK NEWS WEBは、「政府・民主 八ッ場ダム建設継続決定;url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111223/t10014868771000.html(12月23日 18時4分)」というタイトルで、「野田政権は23日、「政府・民主三役会議」を開き、群馬県の八ッ場ダムについて、建設を継続し、来年度予算案に必要な経費を計上することを正式に決めました。民主党が先の衆議院選挙で掲げた政権公約の象徴とされていた、八ッ場ダムの建設中止は、撤回されることになりました。」と報じた。
八ッ場ダム建設問題は賛否両論がある。アメリカのダム開発の例はTVA計画等で教科書でも学んだ記憶がある。しかし、自然の川の流れを堰き止めるという事で自然の力に逆らっている事業であることは明白である。アメリカでは自然の流れを生かし新規のダム開発は控える方向に向かっていると聞いた事がある。自然は悠久の動きを一瞬たりとも止めない。人造物であるダムの寿命は長くてもせいぜい数百年。ダム湖に土砂が積もればダム機能は発揮できない。そのような予定寿命を大幅に下回っているダムもあるとNHKが最近報じていた。万一の場合は、ダムが決壊する可能性も皆無ではない。治水、防災も、ハードという有限の寿命を持つ人造物に頼ることが万全でないことをこの東北地方太平洋沖地震が教えてくれた。しかし、その教訓は八ッ場ダムで生かされているのか疑問にも思う。このような巨大な社会事象に正負の法則がどのように働くのか。ハードに巨額の資金を注ぎ込めば、どこかに資金のマイナスが生じることは自明なのだが。
追記(2019/05/02):たまたま松岡正剛の千夜千冊で本書に関する記事を見つけたのでリンクしておく。
0530夜:2002年05月02日の記事のようだ。
美輪明宏 ああ正負の法則:このサイトへのリンク