05C_技術 回顧と展望

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2011年4月30日 (土)

技術 回顧と展望:東日本大震災の復興に際し、湾口防波堤はもっと強固にならないか

2011/4/30
昨日は衆議院予算委員会の審議のもようをラジオ中継で聞きながら仕事。東日本大震災被災地出身の議員の質問には迫力があったが、政府側答弁には覇気が感じられなかった。

「ドナルド・キーン名誉教授:米コロンビア大で最終講義」という毎日新聞の記事(url=http://mainichi.jp/select/world/news/m20110427k0000e030023000c.html;毎日新聞 2011年4月27日 10時19分(最終更新 4月27日 14時20分))を読んだ。

それによると、「 【ニューヨーク山科武司】米国における日本文学研究の第一人者で、今年秋までに日本に移住し国籍を取得する考えを明らかにしている米コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさん(88)が26日、ニューヨーク市内の同大で最終講義を行った。」また、「授業後、キーンさんは記者団に対し、日本滞在中の今年1月、東京都内で入院していたことを明かし「今後どう過ごすかを考え、好きな日本への感謝の気持ちを形にするのは日本人になることだと考えた」と国籍取得を考えた経緯を説明。東日本大震災でその思いが強まったという。キーンさんの決意が被災者ら日本人の感動を呼んだことに「少しでも(日本人に)勇気を与えることができたら何よりもうれしい」と語った。キーンさんは日本文学の研究で08年、文化勲章を受章している。」との事だ。

ドナルド・キーンさんは日本の文学の研究者だけではなく、その研究の成果を広く世界に紹介してくれた人であろう。ドナルド・キーンさんの日本文学の英語訳をテキストとして読んだような記憶がある。ドナルド・キーンさんの日本文学の英語訳を通して日本に親しむようになった外国人が多いのではないかと思う。日本文化を世界に紹介する事は日本人が最も苦手な事ではないか。語学という第一の関門で日本の学者のほとんどが文化の外部発信まで至らない。せいぜい、学術論文で専門家を相手に発表するのが精一杯。文学はまず、物に感じてその意味を読みとる能力を要求される。そのためには、関心のあるあらゆるものに共鳴できなければならない。外国文学を日本に紹介してくれる日本の研究者は多いが、その文学の発祥地に骨をうめようとする研究者の話を聞いたことがないだけに、ドナルド・キーンさんの決意には計り知れないものを感じる。インドでは、人生の四住期といい、人生を、学生期、家住期、林住期、遊行期と四つに区分する思想があるのと事だ。自分はもう林住期かなと思ったりする。ATOKで変換すると臨終と変換されるが、林住期を登録した。ともかく、長い人生を圧縮して見ると、林住期も臨終期とみなしてもさしつかえない。自分の行く末を考えながら生きて行く期間が林住期ではないか。遊行期はまさに、死を覚悟した林住期の仕上げの期間であろう。ところが、本当の遊行の境地に達する事は凡人には非常に困難なようなのだ。一度、山・森林に入り修業し、最後にそこからふたたび社会に出てくる。名誉も物欲も更には命すら捨てて、遊行に徹する。遊行とは社会の木鐸としてひたすら生きる事のようだ。ドナルド・キーンさんのニュースを読むとそんな修業僧の姿を思い浮かべる。日本にそのような人がどれほどいるのだろか。

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技術 回顧と展望:東日本大震災の復興に際し、湾口防波堤はもっと強固にならないか

東日本大震災の津波被害の大きさには呆然とする。東日本大震災も復興の段階に入ってきた。港湾は漁業、工業、商業等に不可欠のインフラだ。港湾に面した都市は平地で山間地より断然便利だが、津波の被害の危険がつきまとう。しかし、津波のために港湾都市を放棄するのは不可能だ。そのためにはより強固な湾口防波堤が必要であるという現実は動かせないであろう。調べて見ると湾口防波堤の整備には数十年をかけている。釜石湾では津波対策として湾口防波堤工事が行われて、2008年3月に完工したようだ。巨費と長年月をかけて作られた釜石湾口防波堤も一定の効果はあったとされるが、顕著な費用対効果もなく東日本大震災で損壊してしまったように思われた。無念と言う以外にない。

津波は波と言うより大きな移動物体ととらえた方が理解しやすい。そうして、ドミノ倒しを連想した。ドミノ倒しの号砲が地震の発生、プレートの移動だろう。そのエネルギーがドミノ倒しのように伝わる。釜石湾口防波堤の断面図をWEBで見たが、概略は海底の基礎の上にブロックの塀を立てたような構造であった。波消し機能と外洋と湾内の海水の流出を容易にするため塀には隙間を設けていたようだ。逆にこのような構造のため、そこに流れる強力な津波水流で基礎部が削られて損壊に至ったと報道されている(「世界最深・釜石の防波堤、津波浸水6分遅らせる」:YOMIURI ONLINE;(2011年4月2日22時31分  読売新聞):url=http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110402-OYT1T00753.htm)。釜石湾口防波堤が津波対策を主眼に建設されただけに残念である。素人考えだが、津波の方向に直立する塀は津波(自動車にたとえる)と正面衝突する。津波の持つエネルギーをまともに受ける。塀はそれに耐える強度が必要だろう。

それに対して、塀を津波の進行方向に斜めに即ち、三角形の斜面で津波を受けるようにすれば、力が分散するのではないかと思った(斜面にボールが当たるような、ボールをはじくイメージ)。この三角形の斜面は遡上する津波(海水)の一時貯蔵スペースでかなりの面積を必要とする(このスペースを太陽光発電等に使って欠点を補う)欠点があるが、単位面積の応力を分散させるので強度は強くなると思う。津波の力は斜面に垂直の成分と斜面に並行の成分に別れる。この斜面の長さは必要強度、勾配と津波が運ぶ水量で決まる。防波堤の高さ(設計上の基本パラメータ)を超えた海水は湾側に流れる。頂上を越えない海水は運動エネルギーが位置エネルギーに変換され、斜面を海側に落下する。この落下海水は外洋に向かって流れるので、津波の津波の余波をうち消すように働くのではないか。

壊れない、壊れにくい基礎構造の上に、壊れても良い二次的な構造物で津波のエネルギーを吸収させる等色々なアイデアが湧くと思う。構造が複雑で、長期的なメンテナンスが必要な防波堤は子孫に大きな負担を残すのではないか。そんな事を考えつつ津波対策堤防のアイデアを描いてみた。防波堤頂部の防波林は樹木に波消し機能を持たせようとするもの。防波堤に帯状に防波林を設けて、ここで津波のエネルギー(高所で位置エネルギーが大きくなり、運動エネルギーの割合は小さくなる)を吸収する。
Bouhatei

気になったのが、色々な防波堤も直線形が多い。凹面の奥に港があるような場合、波が集まって津波が強まるのではないか(パラボラアンテナ効果)。堤防の強度を増すためには堤防を外洋に向けて凸面状の構造にすると向かってくる津波のエネルギーが分散して強度が増すのではと思うがどうなのだろうか。

運動エネルギーと位置エネルギーの変換、海水の流れを阻害するエネルギー吸収成分etcを考えると電気回路の直列共振回路の動きを類推した。要するに電気工学的モデルではエネルギー蓄積素子であるコンデンサやコイルを壊さないで大きな電気エネルギーを減衰させる事ができればその手段は問わなくても良い。これを土木工学的類推で表せば、津波のもつ運動エネルギーを位置エネルギーに変換する過程でその運動エネルギーを減衰させれば良いことになる。当然そのための構造物を壊さない事が条件になる。WEBを調べていたら、特開平7-113216:「浅海域において、津波のエネルギーを有効に減衰させる。(清水建設株式会社)」というのがあった。津波と堤防関係の特許も30件以上出ていた。

電気では波を逆位相で加えると消滅するという性質があり、ノイズキャンセラー等でこの原理を使用していた。津波は、相手の津波以上の津波を発生できれば押し返す事ができるのか。ソリトンの性質は波が干渉しないということでこれは不可能かもしれない。津波対策に決定打はなさそうだ。最終的にはハードとソフトの多様な対策を積み重ねる以外になさそうだ。湾口防波堤は津波を波高を低めて湾内の海流を弱める働きをするが万全ではない。津波が陸地に進入するのを防止するためには、湾岸を高い防波堤で囲み、河川への遡上を防止するためには水門が必要になる。これも時間稼ぎに過ぎないかもしれない。更に、どこからでも短時間に避難が出来る強固で高度のある避難所を分散設置する必要もあろう。最終的には津波防災という観点で生活自体を変える必要もあろう。よくよく考えると、万一東京湾に津波が押し寄せればその被害は計り知れない。海抜が低い地帯の地下鉄、地下街等は特に問題だろう。同じような状況は沿岸部の大都市に共通するだろう。東日本大震災は人ごとではないと痛感する。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:命をあらふ

歌題=命をあらふ

■風を受け 唯唯諾諾と 首を振る サビタの花を いとしと思ふ 78 野上 悦代

サビタの花を調べると地味な紫陽花のような花。その姿は自分とおなじようでいとしくなる。

2011年4月28日 (木)

技術 回顧と展望:各原発毎の最強の原発事故防災マップを即作れ

2011/4/28
昨日は熱い位で、上着を脱いで仕事。東風が吹く。雨蛙が鳴いた。ヤグルマギク、山吹、リンゴの花が咲いている。リンゴの苗を植えたのは一度も見たことのないリンゴの花を見たかったのも一因。カチューシャの歌も影響しているのか。リンゴの実の収穫は前途多難。仕事前に農具の刃物研ぎ。刃物研ぎは気分安定や暇つぶし等の思わぬ効用がある。ある本に刃物研ぎは仕事の前にやるとあったがやはりそれが正解のようだ。今年のスギ花粉の飛散は既に山を越えたようだ。今年のスギ花粉飛散量は非常に多いとの予想であったが花粉症の症状は平年並みで済みそうだ。今年はマスク着用を徹底した効果があったのか。春本番だ。しかし、ついつい東日本大震災を思い出し手放しで喜べない。警察庁の東日本大震災の被害状況(2011/4/27)を調べると以下のとおりであった。行方不明は11432名。
Higai_110427_ttl
このデータには東京電力福島第一原子力発電所の原発事故の被害はほとんど含まれていないと思われる。あらためて福島原発事故の被害の性格を考えさせられる。「阪神・淡路大震災」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)(最終更新 2011年4月25日 (月) 01:29 )による被害は「死者 : 6,434名 行方不明者 : 3名 負傷者 : 43,792名」である。東日本大震災での津波被害の大きさをこのデータ比較であらためて実感した。

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技術 回顧と展望:各原発毎の最強の原発事故防災マップを即作れ

asahi.comは、「放射性物質の拡散予測、今後は公表 原子力安全委(url=http://www.asahi.com/national/update/0425/TKY201104250477.html;2011年4月25日23時58分)」というタイトルで、「原子力安全委員会は25日、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)を用いて、福島第一原発事故による放射性物質の1時間ごとの拡散予測を今後、公表すると発表した。予測のマップなどは毎日昼ごろ、ホームページに更新していく。事故後2回しか公表していなかった。」と報じた。

自然環境へ放射能物質が排出された時、その後の拡散状況を知る事が、避難や被害防止に最も重要だ。そのために開発されたのが、「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」だろう。残念だが、システムはあっても、そのシステムが一番稼働して欲しいときに機能しなかった。要は、システム自体は稼働していたが、それを公表するシステムが機能しなかった。言い換えれば、人災事故ではないか。

今日では、大規模、大域的な事象は人力では把握できなくなっている。放射能物質の飛散・拡散予測は気象情報+地理的情報を処理しなければならない。コンピュータによる大規模なシミュレーションが必要だが、現在ではハード面の問題はほとんどないであろう。自分も集積回路設計では、テスターと電卓の時代からデジタルオシロとコンピュータへの変化を体験してきた。
集積回路設計全体の動きはもはやSPICE等のシミュレータの上でしか把握できないのである。原発本体の放射能物質の量・濃度が確定できないから、シミュレーション結果のデータを発表しなかったとは後付の理由に過ぎない。シミュレーションの出来ることとその限界を周知の上公表すれば良いだろう。手法・適用は天気予報と異なる点は無いだろう。このようなシミュレーションシステムは、観測データをフィードバックして精度を上げて行くのが常道ではないか。そういう意味で、放射能強度の測定データの測定時刻、測定数量、測定ポイント等はより長く、より多く、より広いのが望ましい。当然データの隠蔽、改竄等は絶対にあってはならない。このような地道なデータの積み重ねが、福島原発事故による放射能汚染状況を精密に再現させる事を可能にする。一度、このようなデータベースができれば、その波及効果は計り知れない。

シミュレーションでは原発本体の放射能物質の量・濃度を仮に1とすれば、各地の相対的な濃度勾配が推定できる筈だ。SPICEではこのような仮定は交流解析で行われている。シミュレーションでは、適用できる限界もある。しかし、その限界を理由に使いこなしをしなければシステムの精度や有効性は向上しないのである。SPEEDIを運用している技術者は、今こそ社会に貢献できると腕まくりをしているのではないか。仏作って魂入れずでは本当に勿体ない。更に、SPEEDIに磨きをかければ、日本発のIT技術として世界から評価されるのではないか。世界の原発保有国は多い。原発事故は100%完全には避けられない。転んでもただでは起きないという意地でも技術を向上させて世界に貢献してもらいたい。福島原発事故を機会に、日本にある全ての原発、各原発の規模とその位置する地理的・気候的条件を盛り込んだシミュレーションをして公開して欲しい。これはやる気があればすぐできるだろう。これこそ、最強の原発防災マップになるのではないか。当局は原発が立地する自治体から要請があれば、直ちにシミュレーションをしてその結果を報告すべきであろう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:千金の宵

歌題=千金の宵:

■笑ふあり 寝そべるもあり にらむあり 五百羅漢に 花吹雪散る 87 福田 久江

五百羅漢の表情を観察し、花吹雪が散るのを観賞できるゆとりがあってこの歌ができたようだ。

2011年4月20日 (水)

技術 回顧と展望:日本はチェルノブイリ原発事故から何を学んだのか

2011/4/20
昨日はようやく雨らしい雨が降った。asahi.com(url=http://www.asahi.com/international/update/0420/TKY201104190676.html;2011年4月20日2時1分)は、『チェルノブイリ事故25年 各国首脳「原発安全強化を」』というタイトルで、「旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から25年となる26日を前に、各国が首脳級で原発の安全性などを協議する原子力安全サミットが19日、首都キエフで開かれた。福島第一原発の事故を受け、原発の安全基準強化を求める発言が各国から相次いだ。」と伝えている。

チェルノブイリ原発事故ではコンクリート製の石棺といわれる施設で原子炉を生き埋めにして放射能物質の拡散を抑えた。しかし、その石棺も25年を経て老朽化が進み、放置すると再度放射能物質の拡散が進むおそれがあるとの事だ。原子力発電ではたとえ事故はなくても、核燃料の燃えがらは発生し、その始末は後世のつけになる。おいしい部分は先食いして、危険な部分を後世に回すのはなにか後ろめたい感じである。原発推進政策はそこまで教えてくれなかった。東京電力福島第一原子力発電所事故もチェルノブイリ原発事故と同じ道筋を通る事になる。チェルノブイリ原発事故から25年という歴史にも真摯に向き合う必要があるだろう。

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技術 回顧と展望:日本はチェルノブイリ原発事故から何を学んだのか

東京電力福島第一原子力発電所の原発事故のINES評価値がチェルノブイリ原発事故と同じレベル7となった。チェルノブイリ原発事故の原子炉は1基だけで収束したが、福島原発事故では、4基が依然危険な状況にある。チェルノブイリ原発事故より環境に排出された放射能が少ないからと楽観できない。東京電力は原発事故を収束させる工程表を発表したが、その直後に原子炉建屋内の放射能を測定したら作業が出来る状況ではないというような、工程表を骨抜きにするような情報を流し始めた。

「チェルノブイリ原子力発電所事故(最終更新 2011年4月18日 (月) 13:36 )」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)によると、

「チェルノブイリ原子力発電所事故(チェルノブイリげんしりょくはつでんしょじこ)とは、1986年4月26日1時23分(モスクワ時間 ※UTC+3)にソビエト連邦(現:ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故。後に決められた国際原子力事象評価尺度 (INES) において最悪のレベル7の参考事例として知られている。

4号炉は炉心溶融(メルトダウン)ののち爆発し、放射性降下物がウクライナ・白ロシア(ベラルーシ)・ロシアなどを汚染した。事故後のソ連政府の対応の遅れも相まって被害が拡大・広範化し、史上最悪の原子力事故となった。

現在は分離独立したウクライナに処理義務がある。現在もなお、原発から半径30km以内の地域での居住が禁止されるとともに、原発から北東へ向かって約350kmの範囲内にはホットスポットと呼ばれる局地的な高濃度汚染地域が約100箇所にわたって点在し、ホットスポット内においては農業や畜産業が全面的に禁止されている。」と要約されている。

奇しくも、福島原発事故はチェルノブイリ原発事故の25年後に起こった。日本の原発関係者はこのチェルノブイリ原発事故から何を学んだのだろうか。日本の技術はソ連より優れていると、「チェルノブイリ原発事故」を甘く見ていたのではないか。結局、INES評価レベル7を公表する遅れの理由にもソ連に対する優越感・面子の裏返しの意識が作用したのではないか。当時のソ連政府は、直ちに事故の発生を公表せず、秘密に保とうとしたが、事故の翌日にスエーデンで放射性物質が検出され、秘密は隠しきれずに4/28に、事故の発生を公表したとWIKIPEDIAに記載されている。

チェルノブイリ原発事故は、原子炉の試験中に起きたので、人為的な要因が大きいようだ。しかし、福島原発事故は東北地方太平洋沖地震による津波の影響も原因の一つに上げられている。ただ、福島原発の事故もチェルノブイリ原発事故も制御の難しい原子炉の制御を人間が出来なかったと言う点では全く同じ性格の一面を持っている。従って、東京電力は津波云々を弁解できる立場ではないだろう。当然、原子力発電は国のエネルギー政策と緊密に絡んでいる。資源小国としてエネルギー政策は国の命運を決める。残念だが、エネルギー安保もコスト万能で危機管理と言う面では十分ではなかったのではないか。特にエネルギーの供給多様化という点では問題を残しているのではないか。日本がチェルノブイリ原発事故から学んだのは、原発事故関連情報の隠蔽工作程度に過ぎなかったのか。

日本の電気事業法に基づく電力会社は民間企業として営利を目的にしている。従って、オール電化等で電力をより多く売る事に傾注し、安全よりも営利を重視した企業行動をとってきた側面も大きいだろう。東京電力が損害賠償で資金不足になるからと言って、国有化云々という議論もあるようだ。しかし、余り短絡的な対応は本当の問題を先送りするだけに終わってしまうのではないか。

原子力発電は核廃棄物を、火力発電は炭酸ガスを等々後世に負の遺産を残す。今後のエネルギー政策はエネルギーを徹底的に情報化して、エネルギーの流れを多面的に使い巡回使用するようなシステム化が必要になるのではないか。幸い、エネルギーを情報化・知能化するための電子機器は大量に安価に使えるようになりつつある。今後のエネルギー政策は、現在使用できる環境負荷の大きいエネルギーの上限を固定ないしは漸減しつつ、新に環境負荷の無いもしくは小さいエネルギーエネルギー資源を開発し、エネルギー使用の効率化、ソフト化を徹底する方向に向かうべきではないか。

特に電力は保存は不得意だが、こまめに電気を入れたり切ったりする事は得意だ。この部分をインテリジェント化するだけでも相当のエネルギーの無駄を低減できるだろう。エネルギーは最終的には使う人に供給されて意味を持つ。従って、各人、各家庭が独自にエネルギー源を確保するのが究極の理想だろう。非常時に使う通信、局部照明等の電力程度ならば今日の技術で十分実用化ができるだろう。エネルギー政策の基本部にエネルギー資源の分散化、自立化という危機対応の政策を追加すべきではないか。

ともかく、今日のエネルギー問題は、そのエネルギーの生産・流通を巨大設備で行う大企業に全て任せているという事情があり、これが弊害を生んでいるのも事実であろう。供給エネルギー総量が増大しない前提に立てば、使用量の少ない、又はエネルギー効率の高い製品・技術の開発は不可欠である。いくら省エネでも、電力消費が多い大型機に小型機より高いエコポイントが付くような制度は本末転倒だったのではないか。日本が東北関東大震災、福島原発事故を教訓に素晴らしいエネルギーシステム、環境負荷の少ない製品やサービスを新に創出でき、それが世界を駆けめぐるようになれば、日本の技術ひいては日本という国の信頼性が高まるのではないか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:私をささえたもの

歌題=私をささえたもの:

■六十路越え 車の免許 取得して 老いゆく人生 忙しく励む 96 茂木 房子

高齢で自動車免許を取得しようとする意欲・行動力に感心し、励みにもなる一首。

2011年4月15日 (金)

技術 回顧と展望:日本の先端技術は無力なのか

2011/4/15
電波時計のアンテナマークが消えていた。記念品としてもらった電波時計も電波を受信せず手動で設定した。調べてみると、標準電波を発信していた福島送信所が福島原発20Km圏内にあり、運用が中止されているとの事だ。標準を決める事は非常に重要だ。秦の始皇帝は中国を統一して、車の車幅を統一したとの事だ。当時は車とは戦車でもあった。他国から侵略されないように、国防上車幅を他国と同じにしなかったとの事だ。当時は舗装もなく、車が通ればそこにわだちが出来る。後続の車もそこを通れば楽だ。車福が違う車は通行上非常なハンディを科せられる。時刻の尺度は物差しでは測れない。電波で正確な時刻を配信・管理する事は非常に重要だ。時刻標準器は非常に高価で使いこなすのも大変だ。本来、国家の威信としても一刻でも停波させてはならないのが標準電波であろう。国は早急に福島送信所からの電波の発信を始めるべきではないか。時刻の確認に電波時計を使えば、記録の正確性確保と記録間の比較が正確にできるのである。危機管理や救済活動の現場においても、正確な時刻は絶対に必要だろう。一ケ月以上標準電波の停止を放置しているのは国の危機管理意識の低さの現れではないか。

 情報通信研究機構 光・時空標準グル-プが以下の情報を公開している:「長波帯標準電波送信所」(url=http://www2.nict.go.jp/w/w114/Open/t-f_radiostations.pdf)。

追記:上記資料には「地震計、気象測器の時刻管理」等各種の重要な時刻管理の例が示されている。

尚、福島送信所の再開等には以下の記事あり:
「url=http://jjy.nict.go.jp/index.html
<送信再開のための主な条件>
・20km避難指示の解除
・商用電力及び時刻比較制御のための通信手段の安定的な確保
・基準信号源及び時刻比較制御装置類の正常動作確認と定常的管理
・送信設備等の正常動作確認と定常運用」

「・20km避難指示の解除」は当面望めないだろう。情報通信研究機構の対応には、標準電波の提供という国家的ミッションを持ち、大震災という重要な非常事態に直面しているのに前向きの意欲が感じられない。万難を排して再開するよう願いたい。

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技術 回顧と展望:日本の先端技術は無力なのか

かつては、日本では重厚長大の産業が栄えた。鉄鋼、造船、化学関係の工業が日本の産業をリードした。ところが、外国でも同じような産業が育つと、世界的な競争になり、競争力は低下してその分野の日本の地位は下がった。20世紀の後半の20~30年以来は高度情報化社会にが現実となり、製造業からサービス業へのシフトも進んだ。大手電気メーカーは、各社が大型計算機を製造していたが、やがてミニコンピュータやパソコンの時代になった。パソコンも一時は大手電気メーカー各社が力を入れていたが、撤退が進んでいる。

「元麻布春男の週刊PCホットライン■
日立がHDD事業をWestern Digitalへ売却した背景;url=http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20110309_431891.html 」で元麻布氏は「 元々、半導体メーカーだったWestern DigitalがHDDメーカーになったきっかけは、HDD専業メーカーであったTandonを買収したことに始まる。Tandonは、PC向けの小容量HDDを主力にしていたメーカーで、はっきり言うとブランド的には二流だった。それが着実に力をつけ、旧IBMと日立製作所というメインフレーマーのHDD事業(HDDにおける一流ブランド)を買収するまでになったのだから、感慨深いものがある。」と述べている。要するに、事業そのものが売買の対象になるのが当たり前の時代になっている。しかし、専業メーカーとして他社を圧倒すれば優位の位置に着ける。

asahi.comは(url=http://www.asahi.com/business/update/0307/TKY201103070516.html:2011年3月7日21時58分)「日立製作所は7日、世界3位のハードディスク駆動装置(HDD)事業を、世界首位の米ウエスタン・デジタル(WD)に売却すると発表した。売却額は約43億ドル(約3500億円)。日立のHDD事業は最近まで赤字が続き、扱いが経営課題となっていた。変動が大きい事業を分離し、社会インフラ関連など成長分野に力を入れる方針だ。」と伝えた。この情報を聞いて、日立としては、情報産業か装置産業の経営判断をした結果であったと思っていた。ともかく、技術を徹底すると、小さな製品は直ぐに生産過剰になるだけ生産力が向上してしまうのが現代だ。競争が激化して値崩れ、利益の低下を招く。そんな中で、競争の少ない装置産業へのシフトは一つの選択であったかもしれない。情報産業部門を保険として残す選択もあったかもしれないが、その余力が無い、リスクを伴う等々を含めての経営判断であったとおもう。

奇しくも、東北関東大震災の原発事故で、福島第一原子力発電所の廃炉が現実的となっている。日立は東京電力に廃炉の計画案を提出したとの事である。それによると、核燃料の活動停止、取り出し、核廃棄物の処理、原子炉の解体、プラント・建屋の解体と、原子炉関係の主要な作業だけで10年、解体・無害化まで30年を要する長期事業になるとの事だ。これを、見ると、水道、ガス、電力等の工事で、バラバラに道路を掘り、再度舗装しと同じ事を際限なく継続する土木事業を思い出してしまった。日立に就職した優秀な人材が原子炉廃炉にどれだけの情熱をもって取り組む覚悟をしたのか分からない。東京電力福島第一原子力発電所の原子炉事故で寝耳の水の仕事をさせられる運命になる技術者もあるだろう。覆水盆に返らずで、起こったことの始末は必要だ。しかし、大抵は最後の始末まで含めて為される事業はほとんどない。その問題はリサイクル法で幾分進歩しただろう。ともかく、長期間かかる廃炉を進めるにもそこには何らかの形で税金がつぎ込まれるであろう。今後の少子高齢化か社会には大きな資金を必要と知る事業が多数ある。極力負の遺産を残さないという工学技術も必要だ。自分としてはそういう自覚をもった若い技術者がこの東北関東大震災の処理事業とともに育つ事を願わざるを得ない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:牛の歌

歌題=牛の歌:

■来る世は 生まれ変われよと 頬さする あす潰さるる 身ごもらぬ牛 51 清水 希志子

子牛からから育てると、家族の一員のように憐憫の情にかられるがままならぬ時がある。

2011年4月14日 (木)

技術 回顧と展望:原子力発電と津波に関する技術

2011/3/14
昨日は暖かな好天であった。品質の良くない品種不明の渋柿にハチヤ渋柿を接木した。地上2m程度の高接ぎ。穂木は採取して冷蔵庫で保管。水分は少ないがまだ枯死していないようだ。台木の枝は発芽を開始している。幹が太いのでガムテープを使用。切り口は癒合材塗布。ダメモトでダメならまた次回試す。脳死未成年の15才以下の少年から摘出した臓器移植が行われた。植物の接木は簡単に出来てしまうが、動物ではなぜ難しいのか。臓器移植よりiPS細胞を使った再生医療に期待している。しかし、なぜそれまでして生き延びる必要があるのかも納得できない部分がある。

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技術 回顧と展望:原子力発電と津波に関する技術

福島第一原子力発電所の原発事故を技術者はどのように見て何を考えているのだろうかと思った。大抵の技術者は何らかの組織に属し、組織の壁に閉じこめられているのが実状だろう。東北地方太平洋沖地震による津波の被害を見るにつけ、津波の被害を避け、津波のエネルギーを活用する現実的な方法があるのか気になった。そこで、特許図書館で幾つかのキーワードで調べてみた。

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  特許・実用新案を検索する >> 検索結果 

(1)「津波」に関する技術が 375件 見つかりました。
● 特許  ・・・  359件
● 実用新案  ・・・  16件
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(2)「原子力発電」に関する技術が 2355件 見つかりました。
● 特許  ・・・  2312件
● 実用新案  ・・・  43件

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(3)「津波 原子力発電」に関する技術が 6件 見つかりました。
● 特許  ・・・  6件
● 実用新案  ・・・  0件
「一覧表示」を押すとリストを表示します      

「津波 原子力発電」が含まれる公開公報「6件」のリストを表示しています(特許:6件、実用新案:0件)。番号をクリックすると簡易表示画面が表示されます。 
項番 公開番号/登録番号 発明の名称
1. 特許公開2002-363957  原子力発電所の冷却水補給取水設備
2. 特許公開2001-116880  プラントの海水取水設備
3. 特許公開2000-170138  原子力発電所の海水取水設備
4. 特許公開平09-054190  原子力発電所の取水設備
5. 特許公開平07-057174  災害対策方法及びそれに用いる装置
6. 特許公開平06-324190  原子力発電プラント取水設備
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「集積回路」に関する技術が 59623件 見つかりました。
● 特許  ・・・  58927件
● 実用新案  ・・・  696件
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原子力発電に関する特許は2312件と多い。しかし、集積回路の特許58927件よりはるかに少ない。さらに、津波に関する特許は359件ともっと少ない。「津波&原子力発電」と絞り込むと特許はたったの6件しかない。不思議とその特許の内容が冷却水に関している。やはり、原子力発電と津波と冷却水は技術的な課題であると認識されている証拠でもあろう。集積回路はほとんどが民生品であり、需要数量が多く、参入企業が多く、技術者も多く、技術競争も熾烈である。集積回路に関する特許件数が多いのはこういう理由だろう。一方、「津波&原子力発電」という両分野の技術者は集積回路技術者と反対に極少ないと思われる。津波に関する技術では、防災、土木関係が多いようだ。今回の東北関東大震災を振り返り津波対策技術を見直すのも有意義であろう。残念なことに津波対策技術は公共的意義は大きいが、津波対策技術を促すインセンティブが多くは見あたらない。津波対策技術を特許出願し国の審査をパスすれば全て無償で特許権を与え、その特許は誰でも無償で実施でき、実施されて効果があった特許は国が特許権者に特許料を支払うと言ったアイデアバンク的な特例特許として扱っても良いのではないか。通常は波力発電して、津波時は波減衰機として働く装置とか津波のエネルギーを津波のエネルギーでうち消す装置等色々なアイデアを出し合うのも自然現象の本質を理解し活用する技術につながると思う。これから東北関東大震災の復興が始まる。住宅を高台に移す等の構想があるようだが、土地の所有権とか解決すべき問題は多くある。地震・津波対策には長期的でも着実な計画が必要だと思う。アイデアを出すのはその第一歩だ。地震・津波対策のアイデアは余り金を掛けずに創出できる。今はそのアイデアを出すべき機会なのかも知れない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:もう一人の吾

歌題=もう一人の吾:

■追ふ波に 追はれて追ひて 夫の眠る 渚に立てば 香る潮風 43 佐藤 房子

夫が戦死した海を訪れて詠んだ慰霊の歌か、海と波が人生と重なる。

2011年4月 7日 (木)

技術断想:福島原発破局回避のシナリオ(原発谷側に巨大な貯水池を作れ)

2011/4/7
昨日はスギ花粉が良く飛びそうな天気であった。花粉症は眼の痒みと軽い鼻水が出るが何とか我慢できるレベルで推移している。憂鬱さが増しているのは福島第一原子力発電所の事故の行方。事態は刻々と悪い方向に進んでいるようだが、桜の開花のニュースが流れたりしてどこかうきうきした雰囲気も出ている。一方、茨城県沿岸の漁は海の放射能汚染で中止され、漁民の怒りは頂点に達している。東京電力の会長はマニュアル通りに頭を下げているだけに見えて、漁民の怒りは沈痛に変わっているかのようだ。東京電力社長の動きは何一つ見えない。この、重要な事態に人的組織が機能しないのだから、社長は自ら退く決断をすべき時ではないか。経営幹部全体の見識が疑われる事態でもある。

昨日の天気

TAVE= 12.7
TMAX= 21.5
TMIN= 3.5
DIFF= 18
WMAX= 4.1
SUNS= 12
RAIN= 0

技術断想:福島原発破局回避のシナリオ(原発谷側に巨大な貯水池を作れ)

本当の恐怖が見えない。後ろから恐怖という巨人が駆け足で迫ってくるようでもはや逃げようとしても足がすくんで、逃げ切れないのではという気持になってしまいそうな毎日である。震災・津波・原発の被害のない地域でも滅入りそうな日々だ。被災地の更に厳しい状況が思いやられる。原子力安全保安院が第21回原子力安全委員会の第1号資料(平成23年4月4日)に福島第一原子力発電所1号機の炉圧(紫色の線)が上昇しているグラフがあった。それを以下に示す。
1f1_roatsu

「東京電力は6日、福島第一原子力発電所1号機の格納容器で水素爆発が起きるのを防ぐため、格納容器内への窒素ガス注入を同日中に始めると発表した。
(YOMIURI ONLINE:2011年4月6日22時02分  読売新聞:url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110406-OYT1T00986.htm)」この時点ではまだ東京電力のホームページには、この情報は掲載されていない。窒素ガス注入に関しては、既に4月1日に情報が流れている。数日にしろ、数時間にしろ、数分にしろ、情報を発信した時刻が発信側の意識を示すのではないか。東京電力は情報発信を報道機関に丸投げしているのであろうか。原子炉内では、強い放射線により、水(多分高温の水蒸気になっているのだろが)が分解して水素が発生する。原子力安全保安院が示した炉圧はそれを示しているのではないか。原子炉格納容器は強力な放射線物質の外部環境への拡散を防止する最後の砦である。ここまで、危機が及んできたのが現実ではないか。

既に炉心は損傷を受けている。炉心の抜本的な冷却は遅々として進んでいない。更に原子炉に海水を注入したのでその塩分の悪影響を懸念する海外情報もある。塩分が炉内に沈着して悪影響の原因になる可能性もあるようだ。最終的には塩分を除去することはもはや不可能な事態になるかも知れない。強レベルの放射能汚染水はいずれ溢れるだけしか保管容量はない。今こそ、次善の策としての発想転換が必要なのではないか。

福島第一原子力発電所の抜本的な危機突破策を考えてみた。福島第一原子力発電所の立地する地形を色々調べてみると(福島第一原子力発電所:「出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2011年4月6日 (水) 06:20 )」)、原発は海抜30m程度の高台にあるようだ。要は与えられた条件を最大限に使えないかという点。その結論は、日本中の重機を集め、原発のある緩斜面の土砂を掘り、残土で低地側に高台と同じ高さの堤防を築けば、巨大な貯水池兼冷却装置となる。ここに、貯水池が出来次第次々に放射能汚染水を貯水して時間稼ぎをしながら、原発の冷却をする。最終的には、貯水分を巡回式にして精製再利用して、放射能汚染水の総量を削減する。現存の原発プラント能力だけでは破局のシナリオしか見えない。

新しい、原発暴走阻止兼放射能汚染防止プラントを日本の産業界の総力で作らなければ日本の最大危機突破のシナリオは見えないであろう。当然貯水池は放射能漏れの対策を施す。時間との戦いであるが、これは壮大なコンカレントエンジニアリングの実験にもなる。ちなみに、コンカレントエンジニアリングは半導体集積回路の開発などでも行いつつあった。目的と司令塔と役割分担を明確にしてプロジェクトを管理すれば不可能な事ではない。

波志江沼環ふれあい公園の沼の貯水量を推定してみた事があったが、数万トンから十数万トンと思われる(06A_波志江沼環境ふれあい公園:http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/HASHIE_NUMA.html)。水深が深くとれれば貯水池は小さくできる。要は貯水池の面積と深さである。素人の発想で、バカを承知で考えてみた。

二宮尊徳が、家を川に流して堰を作ったという逸話を思いだした(「二宮尊徳」(岩波新書:奈良本辰也著))。また、読みかじりの記:二宮尊徳の仕法と仕分(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/11/post-37c9.html)で仕法と仕分けについて書いたが、制御理論的に考えると仕分けはフィードバック系、仕法はフィードフォワード系になるのではないか。フィードバック系はシステムのアウトプットをインプットにして制御するので制御に遅れが生じる欠点がある。その適例が乱調や発振現象である。なにか今日の事態に似ている気もする。フィードフォワード系は先を見越して制御をかける。フィードバック系では能力が決定的に欠ける場面でいくら努力しても結果は見えている。うまく行くのは偶然の天恵や奇跡を待つ以外にない。フィードフォワード系ではその能力の限界を見越して制御をかけるという事になる。最大の課題は破局か破局の回避かだ。目的は破局の回避しかない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:赤きまたたき

歌題=赤きまたたき:

■真夜の海に 語りゐるがに 原発の 赤きまたたき 闇に浮きをり 34 木村 あい子

原子炉の中を直接覗く事は出来ないが、それを想像で見てしまう迫力。

追記:この、「赤きまたたき」の項は以前の書きためで、上記の技術断想の項とは別に書いたが、偶然に「原発」という主題が一致した。原発が放射能を出さずにエネルギーだけを生んでくれる金の卵なら文芸と科学と技術は共存できたように思われるが、放射能とエネルギーは表裏一体でもある。福島第一原子力発電所の炉心が溶解して一瞬でも赤きまたたきを放たないよう願うばかりだ。

2011年4月 3日 (日)

かみつけ女流歌人 雅:ひとつ蟋蟀

2011/4/3
黄色いチョウチョが飛び回っていた。気温があがり、上着をぬいで仕事をした。おかげで、計画停電はしばらく無いようだ。しかし、原発事故の抜本的な進展はなく、放射能漏洩は増大し、憂鬱な気分からは解放されていない。原発の現状はどうかと、原子力安全保安院のサイトを覗き、原発3号(プルサーマル)機の水位を調べた。pdfファイルを開くと、何と、第1ページが天地逆であった。pdfリーダーで、90度回転を二回して読む始末。4/2のデータは、燃領域A=-1850mm、燃領域B=-2250mmとあった。この数値が東京電力の株価に相関するとも言われている。多数の人が真剣に見るデータであろう。それにしては、いかにも緊張感の感じられないデータ公表態度である。

昨日の天気

TAVE= 10.7
TMAX= 20.2
TMIN= 2.8
DIFF= 17.4
WMAX= 11.3
SUNS= 6
RAIN= 0

技術断想:原発事故のシミュレーション

「原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用」という記事があった。

(.asahi.com/international/update/0330/TKY201103300512.html:2011年3月31日16時39分)
その記事は「東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。
 このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。 」と述べている。

このようなシミュレーションが30年前に実施されて、安全規則に適用されていたという事実に、日米の原子力技術の質の差を感じてしまう。シミュレーションとはある条件が与えられた時に、どのような結果が現れるかを推測する技術といえよう。実験ができない大規模なシステムや破壊や危険を伴う現象の理解には不可欠の手法である。天気予報もすでにシミュレーション技術の上に実用不可欠なレベルに達している。地球温暖化の行方もシミュレーションがなければ科学的な根拠を失うだろう。後者の破壊や危険を伴う現象の理解には、まさに原発事故の解明や核兵器の開発で使われている手法であろう。

米国が、なぜこのようなシミュレーションを原子力発電の初期段階で行っていたのか。その原点には広島、長崎への原爆投下という重い歴史的な反省と責任感があったのではないか。原爆投下より十数年後には、米国の原発が稼働を始めているようだ。その原発の前身が原子力潜水艦の原子炉らしい。原子力が戦争から平和へと用途を広げてきたのは事実だろう。米国は原子力という超越的な軍事力の独占に今日も執着している。軍という組織の中では、原子力の管理は何とか可能であったろう。それが、民間で使われるとなると軍の下にあるような徹底した管理が不可能になる。万一、原子力の平和利用で、大きな問題を起こしたとき、それが軍に跳ね返る。原発も原爆もその根っ子は同じだ。ともかく、どういう目的で30年前に原発のシミュレーションが行われていたのか、真の目的は定かではないが、民主主義を標榜する国家として、国民を不安のどん底に落としこむ原発の危険を未然に防止しようと言う、国家の意思がそこにあったのではないか。まさに、原発事故は国民を守る軍が国民を恐怖にかりたてる以上の恐怖を国民に与えてしまう。米国は核兵器をバックとした世界平和の守護神としての意識と共に、原爆使用という加害者としてのトラウマをいまだ持っているだろう。日本は原爆の被害者としてのトラウマを忘れてしまったのか。

原子力安全保安院が、東京電力に対して、作業者全員に線量計を装着するよう口頭で注意したとの記事があった(sankei.jp.msn.com/affairs/news/110401/dst11040112090038-n1.htm):
「【放射能漏れ】
保安院、東電を注意 作業員の線量計不足で
2011.4.1 12:07
 東京電力福島第1原発事故でアラーム付きの個人線量計が不足し、作業員全員が線量計を持てない状況だったことが明らかになり、経済産業省原子力安全・保安院は1日、放射線管理に問題があったとして東電を口頭で注意した。」

この記事を見て、なんともいえない不快感を感じた。子供の使いではないだろう。この期に及んで、事態の後追いだけしかしないような仕事ぶりならば、その存在意義は無いだろう。事態の推移を予想して先行指示を出し、それを公表するのが任務ではないか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:ひとつ蟋蟀

歌題=ひとつ蟋蟀:

■人は皆 所詮ひとりと 立ち上がり 黄の水仙の 香り深く吸ふ 92 水島 美智子

人生を達観しつつ、居直り、行動を起こす姿を黄の水仙の香りを深く吸うと明るく表現した。

2011年3月10日 (木)

技術断想:感性を見直す

2011/3/10
昨日の朝晩寒いときにクシャミの連発と鼻水に襲われた。いよいよ花粉症の発現か。身体を暖かくしているとその症状も治る。鼻風邪と類似の症状なので困る。しかし、自分の身体が発している注意情報と考えるとそれを受容する以外にないのであろう。冷気が症状を起こす閾値を変えているようだ。今朝6:30の外気温は-0.5℃程度で、AMEDASの6:00の気温が-0.3℃。古い温度計もそれ程狂っていそうもない。頻繁に寒暖の変化が続くと人間の体感温度の方が狂いそうだ。

昨日の天気

TAVE= 5.9
TMAX= 11.2
TMIN= 2
DIFF= 9.2
WMAX= 8
SUNS= 8.8
RAIN= 0

以下本題。

技術断想:感性を見直す

平強氏の「挑戦せよ」というタイトルのブログはアメリカの半導体のメッカといわれるシリコンバレーの話題と同氏がたどった技術者としての足取りを通してベンチャー企業や若き技術者等に色々なアピールをしているので興味をもって読ませて頂いている。

今年の3月の記事のタイトルは、「感性は力」というテーマで本の紹介をしている。そこで取り上げている課題が「失われた20年、いまだ立ち上がれぬ日本経済、そして活力を失った日本の若者たち、どうしたら彼等をエキサイトできるのだろうか。」という問題意識である。紹介されている本は「芳村思風さんと行徳哲男さんの共著“いまこそ感性は力”」と「Steve Jobsのことを書いた“The Innovative Secret of Steve Jobs.”」という本の二冊。

人間の特性は知情意というような分類もある。日本は、明治以降は和魂洋才というような割り切り方でこの百年程度をしのいで来たのではないか。洋才とはまさに科学技術に代表される分野。この部分は足らないことはすぐに分かる。しかし、精神面から西洋を理解し西洋に追いつくことは拙速にできないので、その部分は自前の和魂でしのいだように感じる。

日本の近代化では知の部分の学校制度の普及が大きく寄与したと思う。そこで、知識こそ何よりも貴重な物という固定観念が生まれたのではないか。しばらくの間それで成功してきたので、情意の部分のウエイトが下がって、軽視されるような傾向になってしまったのではないか。

西洋の知とは多数決の知とはどうも違うように思われてしまう。それは、ガリレオやコペルニクス等自分が実験や観察で確実であると信じる事が自分の存在とつながるような個人主義的な価値観があるように感じる。それは、先日書いた、風の男、白州次郎の中に出てくるケンブリッジ大学のJ.J.トムソンのような個性を尊ぶ精神に通じるのではないか。

ところが、日本の場合、お題目では個性の尊重を唱えるが、常識に反するような言動はそれとなく常識寄りに誘導されてしまうような雰囲気が至る所にあるように思われる。感性という言葉自身が既に日本では酷使されすぎてその意味が希薄化しているようだが、その点感性を情意と読み替えると、更に大きな意味があるように感じる。感性は主に感じる能力だろうが、何をどのように感じるか、それをどのような行動として出力するかが情意の部分であろう。いわば、感性を行動に変換するエンジンが情意のように感じる。

こう考えると「感性は力」という意味も納得できる。平強氏のブログの「挑戦せよ」というタイトルは平氏の創業を支援するというコンセプトを掲げたものだろう。何事も自分の信念で始めた仕事は貫徹するのが望ましい。物事や事業の始まりや成長もその初期の段階で気配を感じる感性が必要だ。またその意志を貫徹するためには情意も不可欠だ。「感性は力」という観点も挑戦には必要なようだ。

ブログ「挑戦せよ」⇒http://tsuyoshitaira.com/

スティーブ・ジョブズについては以下のWIKIPEDIA(最終更新 2011年2月22日 (火) 13:35 )に記事があり大変参考になった。その中で「その後、1972年オレゴン州のリード大学へ進学した。ジョブズは、大学に半年間通ったが、自分が大学院の教授より優れていることを知り、大学にいても意味が無いと言って中退してしまう。」と述べられていた。マイクロソフトのビル・ゲイツもハーバード大学を中退している。携帯カンニングが発覚した日本の大学事情を見ると感性だけでなく知性も総体的に衰退しているのではないか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%96%E3%82%BA

感性も知情意という一面で自分の領域にある。もう一度見直したい。

2011年3月 2日 (水)

技術断想:アナログTV放送の終焉

2011/3/2
昨日は曇りで寒い一日であった。

昨日の天気

TAVE= 5.0
TMAX= 6.9
TMIN= 2.7
DIFF= 4.2
WMAX= 2
SUNS= 0
RAIN= 0

以下本題。

技術断想:アナログTV放送の終焉

2008/9/5のブログでアナログTV放送の中止について述べた。そこでは、「2011年7月24日にアナログTV放送からディジタルTV放送に移行するらしい。」と記した。最近では、アナログTVを見ている家庭は、アナログTVを地デジTVに変更しないとTVは見られなくなるから、早急に地デジTVに変更せよという趣旨の放送を流している。その象徴としてVHFアンテナを画面に映している。こういうアンテナの家庭はまだ地デジでないという事を知らせているようで、心臓の弱い人にはそれだけでプレッシャーになりそうだ。親切にも、アナログTV終焉以前にゆとりをもって変更して下さいとしつこく放送している。これを聞いていると、テレビがある日突然見えなくなっても対応しないあなたの責任と言われているようでいささか、心が乱れる。

一方、昨日2011年3月1日に東京スカイツリーが独立TV塔としては世界最高になったと報道された。しかし、東京スカイツリーが運用開始になるのは2012年の春との事。関東地方の東京近辺で、現在地デジを受信している家庭のアンテナは東京タワーに向いているだろ。そういう家庭も、東京スカイツリーが運用開始されると東京タワーから東京スカイツリーの方向にアンテナの向きを変える事が迫られる。我が家はもう地デジだからと安心ができないのが現実だが、これをNHK筆頭に民放各社は適切に公知しているのだろうか。

ともかく地デジ電波は光の性質に近いのだから東京タワーを見るときと東京スカイツリーを見るときに視点を変えなければならない位置のアンテナは方向の変更が必要になるだろ。東京近郊の関東地方は人口の密集地帯だ。この地域だけでも相当多数の視聴者に多大な負担を要求するのがTV放送塔の変更である。

ところが東京タワーからの電波でアナログTVを見ている人はどうだろうか。先ず、地デジを受けるためにVHFからUHFへのアンテナ変更の工事費負担を強いられる。当然受信機かチューナーも必要になる。そうして、そのほぼ半年後に更にアンテナの方向変更で追加の費用負担を迫られる。ダブルパンチを食らう事になる。特にアナログTVを受信している人にはそれなりの事情があるだろう。テレビが国民生活のインフラになっている現在、対応できない人々は本当に困るだろう。

放送関係の技術者にとっては、こんな不合理は誰が見ても当然明白な事と思う。このような事態の進み方を裏読みすると、アナログTV放送は当局が告知した通りではなく、東京スカイツリー運用開始以後まで続行される事が織り込み済みなのかと憂慮してしまう。そうでもしないと、急いで地デジ化した人の反発も大きくなるし、増して既に地デジ化している視聴者の反発も納まらないのではないか。

ともかくアナログTV放送が終焉しても、アナログTV機材がゴミになる訳ではないだろう。既に、ビデオテープも過去の物になりつつあるが、そのテープに残された情報は元気な日本を記録しているものが多いだろう。あえて、そのアナログ資産は捨てるな残せと言いたい位である。消費して残った物はゴミに過ぎないのだろうか。自分には色々な試練や運や経緯で残った物にはそれ相当の価値があるように思われる。それこそいとしきものではないか。我が家では数千円の地デジチューナーをどうするか議論している。加工されたバーチャルなコンテンツを大画面で綺麗に見るよりも、自分の肉眼、自分の心で目先の実物をしかと確かめることが何よりも大切だと常々家人には言っているがなかなか理解してもらえない。

追記:本日のGoogle検索:「アナログTV放送の終焉」で:「約 47,100 件」。

追記2:なお、NHKのホームページによると、デジタル放送の普及状況について(1月末速報値)(平成23年2月7日)として、
「地上デジタル放送の普及状況
1月末現在、地上デジタル放送受信機 約1億248万台 (1月:約223万台)」と公表している。

2011年2月12日 (土)

技術断想:米運輸省によるトヨタ車急加速問題の調査結果

2011/2/12
昨日は朝から雪だったが、昼間は積もらなかった。昨夕から今朝に掛けては気温も下がり、朝はまた雪景色となっていた。

昨日の天気、

TAVE= 1.2
TMAX= 3.6
TMIN= 0.4
DIFF= 3.2
WMAX= 4
SUNS= 0
RAIN= 5.5

以下本題。

技術断想:米運輸省によるトヨタ車急加速問題の調査結果

10日の上毛新聞の5面に「トヨタ電子制御 欠陥なし」と大見出しで報じられた。NET検索すると、「【ワシントン、ニューヨーク共同】米運輸省は8日、トヨタ自動車の大規模リコール(無料の回収・修理)に発展した急加速問題について最終調査報告書を発表し「電子制御システムに急加速の原因となる欠陥はなかった」と結論づけた。電子系統の欠陥を一貫して否定してきたトヨタ側の主張をほぼ全面的に認めた。」(2011/02/09 09:57   【共同通信】)とあった。

そこで、関心があったのが、調査の担当と調査の内容。記事には、「今回の調査は2003年の米スペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故を機に設立されたNASA工学安全センターが担当。急加速の報告があった車9台を調査し、28万行以上のプログラムを分析した。」とあった。米運輸省としては、最も信頼できる機関に客観的な調査を依頼して、調査結果の信頼を高めることに配慮した処置ではないかと思った。

そこで、念のため米運輸省(U.S. Department of Transportation )のホームページ(http://www.dot.gov/)にアクセスしてみると、該当した情報が開示されていた。その情報の質量には圧倒された。「28万行以上のプログラムを分析した。」という情報がどこにあるかは分からなかったが、制御システム、ハードウウェア、ソフトウウェアからクレームの発生頻度の時系列調査というような疫学的なデータまで分析され、報告書となって公開されていた。

NASA工学安全センターの論理的な手法は「急加速というクレームのあったトヨタ車にはそれを起こした原因がある」という仮説を立て、可能な原因を一つ一つ検証するという基本的な手法である。その検証の結果、該当するクレームのあったトヨタ車には、制御システム、ハードウウェア、ソフトウウェア等検証した範囲では急発進を引き起こす要因は見つからなかったという結論を導いた。それを言い換えると、急加速は車単体の問題では無いという結論である。しかし、現に急加速は起きているのであり、調査の結論を更に拡大的に解釈すれば、急加速は車と運転者という人間・機械系の問題であった示唆しているように思われる。しかし、文書の公開に関してはそれなりの規定と制約の中で行われているので公開された文書を読むに際してはその点に留意する必要があるだろう。

人間・機械系の問題として、トヨタはリコールという形で責任を認めていると考えられる。見方を変えれば、トヨタは車体の方では白になったが、人間・機械系という泥臭い方面では白以外の対応の必要性が残されているのかもしれない。尚、ドライブレコーダー関係の文書も公開されていたがACROBAT READERのVERが古いのかファイルを開けなかった。米運輸省とNASAの調査が今後どのような方面にどのような影響を及ぼすのかは分からないが、手放しでは喜べない気がする。この問題の攻守の立場を代えた場合、日本は何をどこまで出来たろうか。米国の低力を感じる。

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    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
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    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

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    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)